杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

世界にひとつのプレイブック

2013年02月27日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年2月22日公開 アメリカ 122分

妻の浮気が原因で心のバランスを崩し、すべてを失ったパット(ブラッドリー・クーパー)。今は実家で両親と暮らしながら、社会復帰を目指してリハビリ中だ。そんな時出会ったのが、近所に住むティファニー(ジェニファー・ローレンス)。愛らしい姿からは想像もつかない、過激な発言と突飛な行動を繰り出す彼女に振り回されるパット。実は彼女も事故で夫を亡くし、心に傷を抱えていた。ティファニーは立ち直るためにダンスコンテストへの出場を決意、パットを強引にパートナーに任命する。人生の希望を取り戻すための、ふたりの挑戦が始まった……!(チラシより)

マシュー・クイックの同名小説が原作。パットの父親役はロバート・デ・ニーロ
この父親のキャラは間違いなく息子に受け継がれているな~と思わせる作りに上手いなと

第85回アカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネートされ、ローレンスが主演女優賞を受賞した話題作なので劇場で観賞しましたが・・・そこまで絶賛される映画なのかな?
確かに躁鬱病の主人公たちという設定は病めるアメリカに合っているのかもしれませんが、日本で市民権を得るほどの認識と理解はまだ遠い気がします。
すぐに切れるパットの行動や考え方に引いてしまう自分がいました。

妻の浮気現場を目撃したらそりゃ~ショックでしょう。
パットの場合、自分の怒りを浮気相手にだけ向け、妻はまだ自分を愛していて、自分が彼女を許せたら丸く収まると信じ込んでいます。いえ、思い込もうとしているといった方がいいかしら。浮気の原因が自分にもあるとか、もう夫婦として成り立たないと認めるのが恐いのね。
そんな彼がティファニーと出会い、彼女の突飛な行動に振り回されるうちに変わっていきます。

ティファニーが薄れかけた夫婦の絆を結び直そうとした矢先の夫の事故死に動揺したというのは理解できるけれど、それが会社中の人間と関係を結ぶという行動になるのはやっぱり理解の外です自分を傷つけることが夫への償いになるなんてどうして思えるんだろう?または、誰でもいいから傍にいて欲しいとか・・

優秀な兄に引け目を感じて育ったパット、そんな末っ子を甘やかしてしまう母親。つい兄と比べてしまう父親。パットの家庭環境もちょっと問題ありに見えますが、結局は仲良し家族ってことで丸く収まっちゃうのね
別れた妻のニッキに未練たらたらのパットに対して、両親は嫁のことは既に終わった相手として認識しています。そりゃ、浮気した嫁は許せないよねティファニーのことも初めは認めようとしません。息子と同じ病なのにね。親って勝手です。

失業してステーキ店を開くための資金稼ぎにアメフトのノミ屋をしている父親が、贔屓チームの勝利とダンス大会での二人の得点に全財産を賭けてしまう展開はドラマティックではあるけれど違和感を覚えてしまいます。ダンスの前に強い酒を煽っていてもダンスは決めるティファニーにも無理がない?

ともあれ、二人の間にあった誤解も解けてめでたしなラストは嬉しいけれど、そんなに簡単に克服できちゃう病かしらん?・・とは余計なお世話ですね。
人間関係で傷ついた心は人間関係で修復するのがベストってことで

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