彼らがきっと受け継いでくれる

若い友と町を歩きました。
どのくらい若いかといえば私の娘よりも若く
どのくらい若いかといえば彼女の母よりも私はずっと年上で、、、、

中国から大志をもってアメリカへやってきてから１０年
さぞ大変だったでしょうに
今では立派なロースクールの学生です。
しかもかなり優秀なPhDの学生です。

９月には司法試験を受けに母国に一時帰国すると言いますが
できればここアメリカで法律の道に進みたいとのこと。

「弁護士？それとも教える方？」

と聞いたら

「私みたいな留学生を大学で教える側で仕事をしたい。」

中国語を母語とし、英語を準母語とする彼女なら
そしていつも気づかいにあふれる彼女なら
きっといいロイヤーにもなれるでしょうし、いいスカラーにも
いいプロフェッサーにもなれるでしょう。

日本にいてもアメリカにいても
未来ある若い人たちと接する機会が多いことは
そして、彼らが道に迷った時にはちょっとだけ背中を押してあげることができるのは
年を重ね、経験を重ねた者の喜びです。

町を歩いてランチをご馳走して
また歩いてコーヒーを飲みに行って
おしゃべりを続けて
気づけば５時間近くも過ぎていて


「メイさん、今日はありがとうございました。
　わたし、一日中勉強ばかりしてますからせめて１週間に１日ぐらいはこうした時間を持ちたいのです。とても嬉しかったです。」

と丁寧にお礼を述べて
私の家に置いていった車に乗って大学に近い宿舎に帰って行きました。

「５時には家に着きますから８時間は勉強できます。
　今日は夕飯がいらないぐらいお昼をたくさんいただきましたし（笑）。」

おかっぱ頭の小柄で華奢な彼女のいったいどこに
そんなパワーが秘められているのでしょう。

世界のいろいろな所から志をもってこの町にやってきた
彼女のような若者たちに出会うたびに思います。

もしかしたら大丈夫かもしれない。
彼らがちゃんと受け継いで
彼らがきっと私たちの思いを叶えてくれる、と。

時差ぼけもなくなって朝まで眠れるようになったのに
なぜか昨夜は途中で誰かに起こされてしまいました。
やっぱりこの方のせいでした。


なぜでしょう、満月と半月の時には必ず夜中に目が覚めてしまうのです。
横たわったままで見る上弦の月の
またなんと美しかったこと、、、、、



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