Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

霧と気品

2019-10-21 08:04:34 | メイの教訓
80歳になった尊敬する友が
広々とした素晴らしいお宅をたたんで
ご主人とお二人で「シニアハウス」にお移りになりました。

「なかなか快適よ。
 お二人で見にいらっしゃいよ。
 ランチでもご一緒しましょう。」

早速、メイおじさんとお土産をたくさん持ってお訪ねして来ました。

自分の車で行くつもりだったのですが
朝からこんな霧に覆われていたために

用心深いメイおじさんは
電話でタクシーを予約しました。

日本円にしたら往復で2万円以上かかる所です。
初めはもったいない!と思ったメイおばさんでしたけれど
走るタクシーの中で思いました。


「よかった、こんな霧の中をメイおじさんに運転させなくて、、、
 こんな時こそプロに頼るべし。
 『無駄遣い』などと思うべからず」

走り始めてしばらく立ったところで
明るい日差しが差し込み始めました。
道の両側が息を呑むような金色です。

そして友との積もり積もったおしゃべりと
シニアハウスのレストランでの楽しいランチタイムの後
お迎えも頼んでいた同じタクシーに乗り
またもや霧の中を走り、無事に帰宅しました。

今、こうしてデスクに向かっていると
窓の向こうから汽笛が聞こえて来ます。
船もまた、視界を閉ざされたこの霧の中で
用心を重ねながら進んでいるのでしょう。

ところで
霧を抜けてお訪ねした80歳を超えた友は
ご夫妻とも、とある国際機関で
世界平和のために腕を振るっていた方々。

今はリタイアして
素敵なシニアハウスで静かにお二人の生活を送っています。
縁あって長いお付き合いになりますが

「私が国連で仕事をしていた時にはね、、、」 だとか
「僕が●●国の憲法の草案に携わった時はね、、、」

などと言った言葉は、ただの一度も聞いたことがありません。
もちろんこちらからお聞きすれば
立ち込めた霧の中からチラリと姿を表すかのようにして
軽く短くお答えくださいます。

そのくせ、別れ際には私をハグしてさらりと耳元で囁きます。

「メイ、もし困ったことがあったらいつでも言うのよ。」
「そうだよ、助けてあげられるかもしれないから。」
「何しろ世界中に連絡網があるからね(笑)。」

そんなお二人に接するたびに「気品」と言う言葉が浮かびます。


読んでくださってありがとうございました。
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