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東京では、まだまだ本屋さんを見つけるのに困ることはありません。
と言っても、より正確には「大きな本屋さんを見つける」と言った方がいいかもしれません。私の住む町でも、もうだいぶ前に、駅のこちら側と向こう側にあった二軒の本屋さんがなくなりました。その代わりに大きな本屋さんが駅ビルの中にできました。
アメリカでは、今や本屋さんを見つけるのは一苦労です。
店数も売り場面積も全米一、二を誇っていた「Borders」が撤退し、私たちの前から姿を消してしまったのが2011年のことでした。
電子書籍の普及や、ネット販売などが年々領域を広げて行く中、店舗を持って、管理をし、顧客とのface-to-faceのビジネスを続けて行くのはさぞかし大変だったのでしょう。
「Borders」は店内で自由に「立ち読み」どころか「座り読み」ができる本屋さんでした。店内にはカフェがあり、中にはコーヒーカップを手に「座り読み」する人もいました。新本が汚されるリスクもあったでしょうに、実に寛容に本好きを受け入れてくれました。そこは私たちにとって、単に本を買う場ではなく、本を読むという文化を提供してくれる居心地の良い癒し空間でした。
ちなみに、本屋さんが立ち去った跡にやって来たのは、ソフトバンクであり、アップルであり、ドラッグストアでした。時代ですね。
それでも、シアトルのダウンタウンでは、まだ大きな本屋さんが一軒、良き時代の文化を捨てることなく頑張っています。それが目抜き通りのショッピングモール「Pacific Place」の一角にある路面店、「Barnes & Noble」です。
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ペタンと床にすわりこんで棚から取った本を開いてメモを取る人もいれば、図書館のように椅子に座って一心不乱に読み耽る人もいます。
地下に下りれば広い売り場の一角に、私の大好きな料理本のコーナーがあります。
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いくつもの壁を埋め尽くす本の中からずっしりと重い1冊を手に取って、美しい写真を見ながらページを繰るのは至福の時間です。
ちなみにここは、金・土・日の週末は9時から23時まで、月から木までは9時から22時までお客を迎え入れてくれます。
夏の名残の中で9月が終わるころ、ここでちょっとした出会いがありました。
誰でも目を留める位置に、「umami~THE FIFTH TASTE」という分厚い英語の本が,表紙をこちらに向けて立っていたのです。
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「うま味インフォメーションセンター」の理事で農学博士でもある二宮くみ子さんらが解説を書き、世界に名だたる10名のシェフたちがレシピを紹介している本でした。日本からは、京都「菊乃井」の三代目、村田吉弘さんと、日本食を世界展開しているノブ・マツヒサさんです。
驚いたのは、「Japanese Cooking」だの「Japanese Dishes」などという書名ではなく、「Umami」というタイトルだったことです。豆腐が「Tofu」、味噌が「Miso」、蕎麦が「Soba」として世界に知られるように、今や「うま味」が「Umami」として注目を集め始めているのです。
これをきっかけに、「Umami」について学びたいと思う気持ちが強くなり、帰国を早めることになりました。 (明日に続きます。)
読んでくださってありがとうございました。
今日もどうぞ良い一日でありますように!
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