細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

研究室夏合宿(北陸地方)

2015-09-05 08:05:53 | 職場のこと

9月2日から4日の二泊三日で、2015年の研究室夏合宿が終わりました。研究室のイベントの中でも全員が参加するものの中では最大級のイベントでもあります。私は昨年はフランス滞在で参加できなかったので、2年ぶりの参加になりますが、とても楽しみにしていました。結果的には超絶に充実した内容で、大いに勉強になり、研究室内のコミュニケーションの活性化にも多大な貢献をする場になったかと思います。

私も日本各地を出張等で飛び回ってはいますが、北陸新幹線に乗るのは初めてでした。始発のかがやきで、金沢駅に8:46に到着でした。



最初の見学先は、小松市にあるKOMATSUの粟津製作所。1938年に建設された歴史のある工場ですが、最新の組立て工場も2014年に建設され、そこを見学させてもらいました。建設現場で大活躍する建設機械の組立てラインを見せてもらい、改めて日本のトップ企業の底力を見て感激しました。

 

昼食後、山中温泉付近にある「あやとり橋」へ。川田工業が建設した、1992年竣工のトラス橋です。三弦構造という非常にユニークな構造で、うねる曲線構造のため、下弦の断面内の位置が場所ごとに異なります。構造の美しさが景観にとけ込んでおり、皆が息を飲んでいました。



初日の最後は北陸新幹線の建設現場。私は無数に建設現場に出ていますが、研究テーマによってはあまりそのような機会のない学生も少なくないようで、学生にとっては貴重な体験になったようです。私の目には、構造物の「品質」がやや気になりました。




氷見温泉に宿泊した後、二日目の行程スタート。富山のLRTも活用したコンパクトシティーの見学です。岩瀬浜までバスで行き、LRTも体験しました。岩瀬浜駅でのフィーダーバスとLRTの同じホームでの接続もタイミング良く見れ、短時間でしたが、いろいろと勉強できました。



LRT等の見学後、中村副市長からコンパクトシティーについて、交通に重点を置いた形でレクチャーいただきました。40分のレクチャーの後、質疑が25分程度で、大いに勉強させていただきました。今回は中心市街地をゆっくり見学する時間は取れませんでしたが、ぜひ休日にもう一度訪れてみたい、と皆が強く思ったことでしょう。



昼食後、親不知高架橋へ。私はかなり久しぶりに訪れましたが、劣化したPC桁を抱き込む形でボックスカルバートで再構築された部分も見ることができ、勉強になりました。この現場から研究室OBの大先輩も一名参加され、その再構築部分等についても解説をいただきました。



二日目の最後は、フォッサマグナの博物館でした。想像していたよりもはるかに面白く、フォッサマグナ、地震、石灰岩についての講義を受けた後、博物館もじっくりと見学でき、化石にも興奮しました。今後の防災授業もさらにパワーアップできそうです。



これだけ膨大に消費されているセメントの主原料である石灰石は、膨大な生物の生きた証である化石から成り立っています。すごいことですよね。



二日目の夜は民宿に泊まりましたが、深夜まで大盛り上がりで、腕相撲大会や騎馬戦まで始まり、宿の皆さんには大変にご迷惑をおかけしましたが、若さ、ということでご容赦ください。。。



三日目は大河津分水の見学です。私も土木史の講義で時間をかけて説明していますが、私自身、訪れるのは初めてでした。計画は江戸時代から、実際の工事が始まったのは明治に入ってから、その後は有名な陥没事故による自在堰の撤去と、青山士、宮本武之輔による可動堰の建設、等を経て現在の雄大な姿につながっています。


 
現場見学でつねに感じることですが、特にこの信濃川の分水路は、現地で見ないとそのスケール感は分かりません。すさまじいプロジェクトであり、日本人の執念を感じました。



今回の夏合宿の最終目的地が大河津分水であったことも、何かを感じます。青山士の有名な碑です。人類のため、国のため。


 
私も微力ではありますが、人類のため、国のため、に自分の人生を捧げたいと決意を新たにいたしました!


 


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