未読のまま積んであった『三匹のおっさん』『阪急電車』『県庁おもてなし課』をいっぺんに読んだ。どれも面白い。同じ作者とは思えないほど雰囲気が違っているが。そこがまたスゴイ。
きっかけは『図書館戦争』シリーズ文庫版の巻末対談を読んだから。
5月に他界された児玉清さんが、いつも新作を激賞されていた作家のお一人が有川浩(ありかわ ひろ)さん。
文庫版4冊に4回に分けて連載された対談の最後に、作者から児玉さんへとっておきのプレゼントが。
有川 実は、お伝えしなければならないことがありまして。
児玉 なんでしょう、ちょっと怖いな(笑)。
有川 私は、小説のキャラクターにモデルを立てることってあまりないんですよ。ただ、稲嶺司令だけは明確なモデルがございまして……実は、児玉さんなんです。
児玉 え? え!? そんなこと、つゆとも考えなかったですよ。舞い上がっちゃいますよ(笑)。 だって稲嶺司令という人に僕、特別に感情移入して読んだんですよ。この人の存在が、この物語のひとつの重しになっている。しかもこういう人が上にいたら、下にいる人達は幸せだなあと思わせる、実に魅力的なリーダーですよ。これ以上ない指導力があり、決断力もあり、人情もあり、自分を捨てることで組織全体を救おうという判断を下せる、すごい人ですよ。そんな人が……。
有川 実は『図書館戦争』は漫画にもなっているんですね。コミカライズを手掛けた弓きいろさんに、「漫画を描く時は、稲嶺だけは児玉清さんのイメージで」と指定して描いてもらったんです。
児玉 ありがたいことだなぁ。じゃあ改めて、これが俺だ、と思いつつ、読ませていただきます(笑)。
有川 児玉さんの書評を読んで受けていたフェアな感覚っていうのは、稲嶺というキャラクターの中にかなり入り込んでいると思います!
児玉 いやいやいや! ……あのぉ、僕はね、深みのない人間ですから。だから批評やら作家論みたいなことは書けないんだけれども、小説からいただいたものに対する、熱いものみたいなものをね、語ることはできるかなと。それだけでやって来たんですよ。ただ、そんな人間であるという前提でひとつ言えるのは、僕が熱いものを受け取らせていただける方達の作品に共通するのは、真っ当感なんですね。どんな破天荒な小説であっても、その底にあるものは、社会に対する人間に対する真っ当な心、真っ当な思いやり、僕はそこに惹かれるんです。今日お話しを伺って確信しましたが、有川さんの本も、まさにそうなんですよね。
有川 人間が本来持っている優しさとか、善意とか、そういうものを信じたいなという、祈りのようなものなんです。私にとって小説を書くことって。
児玉 あぁ、だから僕らは読んでいて、こんなにも惹かれるんでしょうね。
この記念対談は今年3月に収録されたそうなので、児玉さんはすでに体調も悪化していただろうが、読書家として最高に嬉しい贈り物だったに違いない。本を守るために武力闘争が必要となってしまった検閲社会を描く近未来小説の重要な登場人物=図書防衛隊基地司令 だけにいっそう。
戻り梅雨のような曇天の下、本日は「第425回 月例川崎マラソン」に参加。
この時季にしては走りやすい条件にもかかわらず、ペース上がらないオヤジであった。
[1km]5分25秒 [3km]13分21秒 [5km]21分55秒 [10km]46分18秒
会場までチャリで往復、32km。帰路、プールに寄ってクールダウン。
今月の走距離は308kmで今年1月以来となる月間300km超。月間走行距離にこだわりすぎるとロクなことがないので、あまり気にしないようにしているけれど、いちおう元気に走れている証しには相違あるまい。
ともあれ故障なく練習を積み重ねていくことを第一に。
★オヤジの心を癒す昭和の歌 (98)
最近、歌手活動を再開されたらしく新曲も出た懐かしいこの方。かつて結婚式の定番ソングでもあった。
♪ 世界は二人のために (佐良直美/1967)
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ちょっと覗いてみたら、いささか派手目でイメージちょっと違うものの、それなりにおもしろそうですね。
あれは面白かったなー。
そして稲嶺司令の顔が思い出せず、検索してしまいました……。
http://www.toshokan-sensou.com/chara.html