きのう紹介した『かんじき飛脚』(山本一力作/新潮社刊 2005年) に描かれた飛脚たちの走り方は、
「同じ側の手と足を同時に出すのが、飛脚の走りである。
手と足とを同時に出せば、身体がよじれなくてすむ。見た目には不器用でも、長い道中を行くには身体にやさしい走り方だった。」 (単行本76p)
この、手足同側がナンバの動き、と一般的には認識されているようだ。
小説に文句をつけるつもりはない (物語そのものは抜群に面白かったし) けれど、実際には、これでは走れない。
「なんばというのは、前に出す足(遊脚) と同じ側の手が同時に前に出る動きではありません。
本当のなんばとは、そうではなくて、
体重を乗せた側の足と腕の感覚 のことをいうのです。
この感覚を、なんば感覚といいます。
ウマの歩き(常歩/なみあし) でいえば、後肢を踏み込んで同側の前肢が前に出ていく動きです。」(小田伸午著『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』大修館書店刊)
小田先生のこの本では、ここで「問題」が出されている。
「『今から写真を撮りますので、走る動作のポーズをしてください』
といわれたら、皆さんはどういうポーズをしますか」
この場合、ワシも含めて、たぶん多くの人が右足に体重をのせ、右手を前に出す。
「これが、なんば感覚です。体重を乗せた足と同側の手がリンクした感覚からくるポーズです。だから、右手と右足がそろったポ-ズになります。江戸時代の飛脚なども、なんば感覚で走っていたと思われます。」
なんばというと誤解された動きがイメージされてしまうため、小田先生たちの研究グループではスポーツ向きの二軸動作を「常歩(なみあし)」と呼ぶことにしたのだそう。
⇒常歩秘宝館
※新規アップされたマスターズ競歩・並川耕士氏の体験記が非常に興味深い。
本日休養。体操と日課トレのみ。
一昨日の千葉マリンマラソンについて、サンスポのサイトに「おわびと経過報告」がアップされている。
コース上の誘導コーンを、担当スタッフがなぜか (思い違いとのことだが) 先頭ランナーが来る直前に置きなおしたらしい。???
陸協の係員4人もが同時に思い違いするなんて、ありうるだろうか。
実際にあったわけだけど。
正式不足距離は2347.5mで、当日の走行距離は18.75kmだったとのこと。
ご親切に(?)、5kmラップ別の追加タイム換算表が添付されている。
その表から計算すると、ワシのゴールタイムは1時間31分台半ばになるようだ。
従来の自己ベストを1分半ほど短縮し、念願のハーフ90分切りが少し見えてくるところまで行けたか。
いずれにせよ、実地には走っていないわけだから、ただ数字上にすぎないが。
というわけで、千葉マリンに関してはこれで自分の中では完了。
次のハーフレース、3月の静岡駿府ハーフで千葉以上のランニング日和 (低温・曇天・無風)に恵まれて、実際に自己新を実現したいもの。
それにしても、昨秋の高島平20kmで「仙台」用の公認記録が取れていてよかった。
もし千葉で勝負を賭けていたら、今頃はやり場のない怒りと虚しさで寝込んでいたかもしれぬオヤジであった。
⇒サンスポ千葉マリンマラソン おわびと経過報告
朝30分ジョグ(約5km)、ラスト200m全速走で心拍148。
夜、腰割りなど日課トレ。
速く走るにはピッチを上げるか/ストライドを広げるか、のどちらかだが、馬は進化の過程で肢を長くすることで、より広いストライドを獲得した。
人間の踵(かかと)が足指先から近いところにあるのに比べ、馬の踵はずっと上の高いところにあり、中指1本で爪先立ちしている形。
また、速く、かつ長く走るのに重要な役割を果たしているのが背骨だという。
「馬の脊椎(背骨)はほとんど固定されている。大型草食動物として消化器の容量が大きい馬は、それを保護するために背骨を固定させたと考えられる。つまり、馬の背中はほとんどしなることがない。これは馬の走りにとって重要な要素なのである。
哺乳類でもっとも速く走ることができるのは肉食動物のチータである。時速120kmで走ることができる。チーターは背骨を丸めたり伸ばしたりして、全身を使ってスピードを出す。
しかし、これではすぐに疲れてしまう。馬は最大時速60~70kmくらいながら、長い距離を安定して走ることができるのは、この背骨が可能にしているのである」
そうか、なるほど~。馬の骨格と人間では相違もあるが、背中がしっかりした姿勢は長距離走には不可欠で、フルマラソン終盤でバテバテになったときは見事に背が丸まってよたよた歩きに近いものなあ。 (つい最近も、わが身に覚えあり)
さらに、馬の速い動きを支える筋肉を見ると、四肢上部の大きな筋肉が顕著に発達しているそう。
「レース経験のある競走馬はとくに、菱形筋、棘下筋、大腿筋膜張筋が発達している。これらの筋肉は、解剖学的にみても、疾走するときに重要な役割を果たしている。
菱形筋は、肩甲骨を助けて前肢の安定を保つだけでなく、スムーズな頚の上下運動を繰り返して、走るリズムをとるために使われている。
棘下筋は、前肢の運動をコントロールしている。
大腿筋膜張筋は、後肢を素早く前に引いて股関節を曲げる運動に使われている。
速い馬とは、とくにこれらの筋肉の発達がよい馬といえよう」
刀水ACのFコーチは練習会で、つねづね、
「ふくらはぎなどの小さな下部の筋肉に頼った走りをしないように。
もっと大きな上部の筋肉を使ったほうが断然有利になる。
振り子の原理からしても、上が大きく発達して下にいくほど細くなれば回転もラクに速くなる」
と強調しておられるが、これは人間も馬も同じ真理のようだ。
本日休養、体操と日課のみ。
「ボールあぐら」の師・Takahiro先生がブログで紹介されていた踵立ちを始めて1週間余。
きょう、ついに1分と1秒を達成。ラスト5秒は持ちこたえるのに必死のオヤジであった。
最初は一瞬も立てなかったことを思うと感涙ものだが、Takahiro先生の本日のブログには、なんと踵立ちのバージョン2が課題として出されていた。
いやはや、踵立ちも奥が深そう……。
朝、走休。ナンバ体操のみ。
夜、木刀素振りなど定番トレ。
明日は、メルボルンに高校留学中の息子が、学年末の夏休み (1月から新学年) で、3月の出発以来9カ月ぶりに帰省する。
ワシの重要な日課のひとう「ボールあぐら」を考案された整体師・Takahiro先生が、昨日のブログに「踵立ち」について書いておられる。
つま先立ちはポピュラーなエクササイズだし、かかと歩きも刀水AC練習会で補強運動のひとつとして実施しているが、かかとだけで立って静止するのはやったことがない。
即やってみた。
……え~っ?? むずかしい!これは容易ではない。
卵を立てる時と同じ感覚で、ある1点で立たせないと立たない。
立たせるのが卵ではなく自分自身だから、はるかに至難である。
つま先立ちなら足指で微妙にバランス調整できるのに対し、かかとの場合はコントロールがきわめて困難となる。
最初は一瞬も静止できない。
一本歯の高下駄でしゃがむ練習をしていた時の感覚を思い出して、重心を下に下に意識して、その「1点」を探っているうちに3秒くらいは静止するようになってきた。
またまた小4息子と、今度は静止競争になりそうなオヤジである。
休養中につき、本日も体操類のみ。
能の動きから深層筋活性化のヒントを発見し実践するシリーズ、今回で通算4回目。
応用編の素材として取り上げられた幸若舞「敦盛」の後半は、有名な「人間五十年 化天(げてん)のうちを比ぶれば 夢幻の如くなり」で始まる。
普通、初心者が一応格好がつくのに3カ月くらいかかる内容を2回でひとわたりやってしまおうというハードな講座。
少数の経験者の方々は別として、ワシら超初心者はただもう夢中で、舞の指導をしてくださる津村禮次郎先生の所作を見よう見マネでついていくのがやっと。
というか、全然ついていけないのだが。
(安田先生はワキなので舞の指導はされない)
それでも、日常的な動きとは異なる、またフツーの「トレーニング」とも違う、能の所作のマネをするだけでも、なんだかワクワクしてくるオヤジであった。
このシリーズにはさらに続編が企画されていて、「総仕上げ編」2回というのが来春3月にあるそう。武道家がゲスト講師とのことで、今から楽しみ。
朝、ベランダ運動20分、心拍111。
妻がアメリカ出張中で、いつもに増して忙しい一日であった。
芥川賞作家にしてダジャレの女王と呼ばれる荻野アンナさん。
面識はないものの、妻の仕事仲間である森下典子さん(エッセイスト)が横浜の女子中学で同級生だったとのこと、しかも極度の運動オンチだそうなので勝手に親しみを感じていた。
「私(森下典子)が通っていた横浜の女子中学に、外国人顔の同級生がいた。その子は、運動会の徒競走で、いつも私と『ぶっちぎりのビリ』を競い合っていたが、作文を書くと、とうてい同い年の子のものとは思えないような文章を書いた。」 (季刊『Be!(ビイ)』74号/ASK 所載のインタビュー記事より)
その荻野さんが、古武術実践家・甲野善紀先生に弟子入りして2年余。師匠から学んだ「疲れない、ケガしない 体の使い方」をオギノ流にまとめた本が面白い。
『古武術で毎日がラクラク!』 (甲野善紀=指導・監修 荻野アンナ著/祥伝社刊)
古武術の本というと、非常に哲学的で深~い傾向の難解な系統のものと、写真や図解を多用して技術的解説に終始するものに大別されそうだが、この本は「読み物」としても面白く読めて、しかもスグ役立つというおトクな実用書。
師匠の甲野先生も大いに楽しく読まれたご様子。
「それにしても、その軽妙な文章は『さすが』。校正していて、何度も、思わず笑ってしまった。まさか私の武術が、このような形で広く社会に紹介されるようになるとは、予想もしていなかった。」(同書、師匠のあとがきより)
師匠が颯爽と一本歯の高下駄で「スタスタ歩き、カタカタ走る」のに憧れた弟子のオギノさん。いきなり高下駄はムリと自覚して、高さ4cm弱の「低下駄」を愛用。
下駄の裏に5カ所、穴があいていて、そこに円筒形の歯を、いずれかの穴にネジで止める、という初級者用。
これでも日々履いているうちに、「おかげさまで、最悪だったバランス感覚が、飛躍的にマシになった。片足立ちのヨガのポーズを続けられなかったのが、いつの間にかできるようになっていた」そうだ。
荷物の持ち方、階段の上り方、疲れない立ち方などなど、即使えるワザから、「非力な女性のための護身術」まで、面白くてためになるオススメの1冊。
朝、芝生で地下足袋ジョグ36分(約5km)。朝焼けと真っ白な富士山が美しい。
夜、プールへ。クロール1km+平200m。
先月の入門編・全2回に続き、今月は実際の舞を通して能の動きに学ぶ応用編・全2回(新宿・朝日カルチャーセンター)。
講師の安田登先生はワキ方なので「舞の指導はできない」ため、シテの津村禮次郎先生が実演。
舞の演目は「敦盛」。織田信長が好んで舞ったといわれる幸若舞(「人間五十年……」) をもとに、安田先生が6分半ほどにアレンジしたもの。
きょうはその前半分を、津村先生のお手本と安田先生の解説でワシら生徒が所作をマネして舞う。
これがどうランニングに結びつくのか、正直なところよくはわからないが、[能の動きが深層筋を活性化させ、カラダをつなぐマッスルチェーンを構築する]ということだそうなので、ともかくやってみる。
動きはゆったりしているようだが、こまかいところでけっこう忙しく、しかも丁寧な所作が求められるので、2時間でじんわり汗が出る。何気ない所作ひとつとっても日常動作とは異なる動きが多く、「日常の中にありながら、一足飛びに非日常の世界に入っていく」という能の真髄のごく一端を垣間見ることができた (ような気がする)。
生まれて初めての「舞」がハチャメチャになりつつも、次回の「後半分」が楽しみなオヤジである。
⇒詳細は『DVDブック・能に学ぶ深層筋トレーニング』 (安田登著/ベースボ-ル・マガジン社刊)
本日休走、体操類のみ。今週前半は休養にあてる予定。
今月発売の健康誌『安心』12月号に、体のバランス回復のための面白い方法が載っている。
水を入れたペットボトルを逆さにして、親指と小指で持つ。これだけで、足にかかる体重バランスのくずれが回復し、肩こりやひざ痛が解消、うつも軽快するという。
ホントかね? と疑いの目で記事をよみ進むうち、なるほどと、かなり納得。
神経内科専門医・安田譲先生考案。 30年にわたる臨床経験から「利き手・利き足療法」を編み出され、最近 『かんたん自律神経健康法』 (PHP研究所刊)という本にまとめられたんだそう。
「ペットボトルつまみ」はその具体的方法のひとつで、やり方はごく簡単。
①500ccの四角いペットボトルに、水200ccを入れてフタを締め、逆さにする。
②こりや症状のある側の手の親指と小指でボトルの底を持つ。
③ボトルを前後に20~30回振る。1日2~3度。
とくに小指に荷重がかかるのがミソらしい。
小指に力が入る ⇒ 同じ側のかかとに力が入り、体重が乗りやすくなる
⇒左右の足にかかる体重のバランスが正常に回復する
ということらしい。
まあ、しばらくやってみて効果のほどを自分で実験してみることにしよう。お金はかからないし。
AM 市ヶ谷⇔皇居2周 ①27’44” ②23’56” 心拍155。計15km、約90分。
PM むし歯治療2回目。夕方まで麻酔で口半分がシビレてつらい。
夜、日韓バレーボールTV観戦しながらボールあぐらなど定番トレ。
夜、寝る前のストレッチの一環として「真向法」(まっこうほう)を始めてから、もう1年半になる。
股関節を柔軟にして可動域を広げようと考え、本とDVDを見て。
4種ある動きそのものは、複雑ではなく、むしろ単純明快。「完成形」の写真を見ると、ほれぼれするほど見事に「うつくしい」。
一方、当オヤジのほうは残念ながら1年半たっても完成形にはほど遠く、あまり「うつくしくない」。
ただ、遅々たる進度とはいえ、完成形に向かってわずかながらも近づいている実感はあるので、毎夜必ず実行。
なにせ、日課エクササイズがどんどん増えるので必ずしも毎日できないものもあるけれど、この真向法体操と腰割りなど数種のワークだけは欠かさず。
やはりランニングに直結していて、効果が実感できるものが、自然に必須日課として選抜されてきているようだ。
⇒ 真向法体操4種のやり方
朝6時すぎ、夜来の雨がこまかな霧雨に変わり、そこへ雲間から朝陽が射して、西の空に大きな大きな虹がかかった。朝の空を見上げていた人へのステキなプレゼント。
しばらくぶりで、芝生で地下足袋ジョグ30分(約5km)、心拍154。
夜、ステップ運動2セット20分、心拍114。