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昭和のプロレス:天井が落ちてきた

2021-07-16 06:29:59 | 日記
毎シリーズ出場

 プロレス団体が新日本プロレスと全日本プロレスしか無かった時代が嘘の様に、
現在ではインディ団体が林立しています。
その先駆けだった団体のひとつがFMW、そこに登場したあの外人レスラーは
規格外の存在でした。

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を支えた脇役達を振り返っています。
今週は「ザ・グラジエーターことマイク・アルフォンソ」です。

 初来日は1990年、198cm132kgの巨体ながら空中戦も滅法得意。
エースの大仁田が手を焼く暴れっぷりを見せてFMWのトップ外人の座に座り、
毎シリーズの様にエース外人を務めました。
 たとえば1997年のシリーズ最終戦。
<3月28日後楽園でのシリーズ最終戦ではセミに登場しアッサムボムでフォール。
7月27日の最終戦では第4試合に出場。
8月31日の最終戦ではメインを務めてハヤブサと対決。
10月21日の最終戦では第4試合に出場。>(プロレス試合結果 より)
 この調子でFMWに出場を続けた後に99年全日に移籍を果たします。

熱狂の武道館

 9月4日の武道館大会でグラジエーターはエース小橋との対決が組まれました。
「インディ上りがどこまでできるか」の冷ややかな視線も混じる中、グラジは
凄まじい戦いを展開しました。
 睨み合った両雄、ひと回りグラジの大きさが目立ちます。
互いにロープに飛んでのぶつかり合い。
ショルダータックル、キックとグラジは素晴らしい反応を見せます。
 場外の鉄柵に小橋を叩きつけロープ越しのショルダータックル。
小橋の反撃はブレンバスターとジャンピングニー。
 ロープから戻った小橋をパワースラムで投げ飛ばすとドロップキック。
鮮やかな飛跡で飛んだ後には最大の見せ場を展開します。
自らロープに飛んで反動をつけると場外の小橋めがけて疾走。
何が起きるか十分承知の観客がどっと沸きます。

 ジャンプ一閃、トップロープを超えて小橋めがけてダイビング。
ノータッチトペの炸裂です。
この技は小柄なジュニア級レスラーが見せ場にしている空中殺法で、2mに近い
レスラーが繰り出す技ではありません。
 勢いよく落下するグラジの下敷きになる小橋の目には、きっと武道館の天井が落ち
てきた様に見えたでしょう。
 激闘の末、試合は9分9秒に小橋の勝利。
ガッチリ握手を交わすふたりにファンは惜しみない拍手を送るのでした。
約束された次なる熱戦を期待しながら。

 しかしなかなか再戦は行われません。
全日の何が不満だったのかグラジはその後の戦場をアメリカマットに変えてしまいます。
 紆余曲折を経て再び日本のマットに登場しますが、時を失すると熱狂は蘇りません。
最高の肉体と運動能力を最大限に発揮することなく、間もなくグラジは消えていった
のでした。

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