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雑草の日:ニンジンが枯れる理由

2018-07-31 06:29:09 | 日記
その味は?

 明日から8月ですから、あの草を見つけてからもう2カ月も経ちます。
大して珍しい草じゃないですが、子孫繁栄の為にがんばる姿が健気です。
森の中のニンジンに似た草は、生き残る為にすぐに枯れてしまうのです。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 セリ科 ヤブニンジン属 ヤブニンジン です。

 葉は2回3出羽状複葉と何やら難解な呼び方ですが、要するにニンジン
に良く似た姿です。
 茎は30cm程に直立し、先端は細かく枝分かれして小さな白い花を
咲かせます。
こちらの呼び方は散形花序、直角に分かれた細い枝先が宙に張られたアン
テナを思わせます。
ロマンチックな表現をした図鑑では「線香花火の様な」と形容されています。

 ニンジンと名前が付くのだから食べられる筈、そう思って調べると
やはりでした。
新芽を和え物やおひたしで頂くそうです。
 肝心の地面の下はと言うと、こちらは漢方薬になると言います。
太くて短い上に根を張っていないので簡単に抜けますが、白くてゴツゴツ
した姿はまるでニンジンとは別物。(タンロペ~登山記録 より)
 地上部分の食べ方の紹介はネットに沢山ありますが、味に関する情報
は見つかりません。
多分人に伝えたくなる程の旨さは無いのでしょう。

推察の正誤は?

 ごく普通に生えている多年草ですが、ちょっと変わった生態をしています。
4月から5月に掛けて花を咲かせると、葉が枯れて黒く熟した果実を
付けた枝だけが残ります。
実際2カ月前に花を咲かせていた歩道脇のヤブニンジンも、今ではすっかり
立ち枯れしています。
一般的な草は冬を前に枯れるのに、どうして夏の盛りに生きる気力を失って
しまうのか、不思議です。

 生き物の本能は種の保存。道端の雑草も願うはひとつ、如何に子孫を
たくさん残すかです。
そこでヤブニンジンは生長に適した時期に素早く本体を大きくして、種子の
成熟に全力をあげます。
早く生長するので、丈夫な茎や葉を作る暇はありません。
だから種子を残せた段階で地上部は枯れてしまいます。
 夏枯れには、そんな理由がありそうだと想像します。
しかも枯れたままの姿を晒すには別の目的もあると睨みます。
 種子には剛毛が生えているので立ち枯れた茎に付いていれば、人や獣に
接触する機会が格段に増えます。
服や毛に絡みついて別の場所まで運ばれて、新たな環境にも進出できます。

 畑のニンジンがぬくぬくと育つ頃、藪の中のニンジンは生き残りを賭けて
戦略を練りに練ります。
と言ってもあくまで私の推察ですから、もしかしたら全くの見当はずれかも
しれませんが。
 
コメント
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