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身近な生き物:うんちの中のできごと

2018-07-25 06:29:19 | 日記
オヤジの推理

 森林公園を歩いていると、「おっとアブナイ」、危うく糞を踏みそうに
なりました。
明らかに犬の物とは違った形状です。
親指位の長さと太さ、消化されなかったゴマ粒の様な何かのカスが全体に
混ざっています。
小さな実の種の様です。
これはいったい誰の落とし物か、好奇心旺盛なオヤジは思いを巡らし犯人像
をふたつに絞り込みました。

 <ハクビシンは決まった場所でする事が多く、植物の種が混じっている。
大人の親指位の大きさで、余りにおわない。
アナグマは浅く地面を掘ってそこにする。
表面にテカリがあり、中身の大半は土。
多少ため糞の傾向がある。>(撃退ファクトリー.com より)
 好奇心は旺盛だけれどすぐに飽きるオヤジの思考は、そこで止まりました。
ハクビシンかアナグマか、はたまた他の生き物か、もう興味はありません。

オヤジの頭の中

 もしも放置されたまま何の変化も起きなければ、森の中は獣の糞だらけに
なってしまいます。
そうならないのは、多くの生き物たちの働きがあるからです。
 糞の約1割はイノシシやタヌキが食べてしまいます。
次いでセンチニクバエなどが卵を産み付け、幼虫がエサとします。
やがてミミズが現れて養分タップリの団粒を作り、植物が根を張って栄養を
吸収していきます。(ノグソフィア より)

 糞の中では見えない生物が蠢きます。
0.1mmにも満たない小さなバクテリアが、植物の線維の欠片を分解しています。
ゾウリムシなどの原生動物も現れて分解作業を進めます。
元々動物の腸の中にいたものや、土の中から入って来たものです。
 糞が地面に落ちて3日程経った頃、カビが養分を取り入れて盛んに菌糸を
張り巡らします。
 ミズタマカビは、糞の中でしか生きられないカビです。
成熟すると表面に胞子嚢を出し、それが破裂して胞子を付近2~3mに飛び
散らせます。
胞子の付いた草を食べた動物の胃の中で消化液に晒されると、それがスイッチ
になって発芽します。
そして糞と一緒に排出されて活動を始めるのです。
 こうした生き物の活動で、糞はやがて土に還ります。>(ミクロワールド より)

 この様な生き物を総称して「分解者」と呼んでいます。
糞や動物の死骸に集まり有機物を二酸化炭素と水に分解し、無機物に変える
働きをしています。
 ひと月後、オヤジは森の中を歩いて以前蹴躓きそうになった場所にやって来ました。
あの時足元に転がっていた糞は、今ではすっかり分解されて姿がありません。
そこに至るまでに無数の分解者たちが懸命に働いたのですが、それを気にする
者は何処にもいません。
 もちろんオヤジもそうです。
昨日の事すら忘れてしまうのですから、糞を見た記憶が残っている筈がありません。
コメント
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