
『世界に一つだけの花』(作詞・作曲・編曲/槇原敬之)
花屋の店先に並んだ
いろんな花をみていた
ひとそれぞれ好みはあるけど
どれもみんなきれいだね
この中で誰が一番だなんて
争う事もしないで
バケツの中誇らしげに
しゃんと胸を張っている
それなのに僕ら人間は
どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのにその中で
一番になりたがる?
そうさ 僕らは
世界に一つだけの花
一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい
私たちは花を見るとき、その花のことしか見ない。
当然だ。
実際、私達は、私達の目の前にあるモノしか見ることができないからだ。
それに、それ以外の目に見えないものについてまで考える必要があるかといえば、ない。
しかし、もし「私もあんな花を育てたい」と思うとき、新たな旅が始まるだろう。
その時、あなたは花以外の、花に関することについて考えなければならないことを知るからだ。
綺麗な花を育てるには、種や土、日照、水などなどの幾つかの役割(機能)が必要だ。
技術革新により、ムラッ気のない均質化された栽培方法が既に確立された種は存在するが、
世にない種の栽培を志すのであれば、その種の作り方から栽培法までを発見しなければならない。
仮に、誰かが「私はこの花をこのように育てました」と言ったとしても、
あなたの環境で、そのやり方がそのまま通ずるとは限らない。
花だけではなく、その周囲を取り巻く環境すべてが動的で複雑な系(システム)、つまり「生き物」だからだ。
単純に模倣しただけでは袋小路にはまることが多い。(※)
世に言う「ベストプラクティス論の落とし穴」であろう。
※しかし、模倣は重要だ。
AKB48若手メンバーに贈る「創造的模倣」のススメ ~守破離~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/0b68de7ff3d86d1def6ac1907ebdedfc
「イノベーション」の話をすると、ついつい「花」のことばかりを考えてしまう。
「私はこんな花を育てました!」という話は聴いていて楽しいし、勇気付けられる。
個人や小集団でイノベーションを志すならそれもよい。
しかし、組織というレバレッジを利かせてイノベーションを志すなら、「マネジメント」を理解しなければならない。
と、私は考える。
「育む」という発想で、継続的な努力が活きる生き方をしよう
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/eaf9943d3704e917e3377c127067f036
私たちに欠けているものは「アイディア」でも「意欲」でも「能力」でもない。
欠けているのは、タネを撒いたら立派な作物が育つ豊かな「土壌(組織力)」である。
組織力に欠ければ、どんな筋の良いタネでも枯れて育つことはない。
森に分け入って偶然、有益な植物(アイディア)を手にすることを狙う狩猟採集民族的な組織運営はやめて、
品種と土壌の改良を繰り返し研究し、獲得するべきものとして作物を獲得する農耕民族的な組織運営をするべきではないのか。
狩猟採集民族的な組織運営でも、運が良ければ素晴らしい動植物を獲得できるかもしれない。
だが、人類の歴史が証明しているように、地球上で繁栄しているのは農耕民族の方だ。
それは圧倒的な生産性の違いによるものだ。(養える人口でいうと10倍~100倍の違い)
「マネジメントにイノベーションが必要だ。」と言うと、聴いてる人に「?」が10個くらいつく。
そしてこう反論される。
「私が欲しいのは花であって、土の作り方ではない。」
「今生きるか死ぬかの議論をしているのに、そんな悠長な話はしてられない。」
「答えのない話だね。」
etc..
そもそも組織を暗黙的に支配している「マネジメント」の存在に気づいていないのだから無理もない。
マネジメントは「重力」のような存在だからだ。
アイザック・ニュートン以前の人々に「重力」について問うたら、なんと答えただろうか?
「は?なにそれ?」
と言われたのではないか。
重力は存在し、私たちに大きな影響力をおよぼす力なのにも関わらずだ。
経営の未来 ~未来を変えるための話をしよう~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/328d1744aabb082fb4f42d8b04296071
1968年のクリスマス・イブ、アポロ8号の司令船が人工物としては初めて月の軌道を周回した。
地球に向けての帰還飛行中に、地上管制官の幼い息子が父親に尋ねた。
「誰があの宇宙船を動かしているの?」と。
この質問が帰還中のクルーに中継で伝えられると、ビル・アンダース飛行士はこう答えた。
「今はアイザック・ニュートン卿がほとんど動かしていると思うよ。」
時間がないので、最後にこれだけ主張しておく。
『従業員』の誕生 ~時代遅れになった経営管理思想~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/3b47570c6eaf0e12ed74bac960e3f2d8
意欲のない社員。
抑圧されているイノベーション。
柔軟性のない組織。
新しい世紀になったにも関わらず、我々は依然として、ほぼ100年前に生み出された経営管理モデルの副作用に悩まされている。
だが、歴史は代えられない定めである必要はない。
過去に遡って、他の多くの人が今なお何の疑いも持っていない遠い昔の選択を評価し直す気があるなら、間違いなく変えられるのだ。
大きく二つの考え方があります。
一つは個人を売り出すことがAKB全体の為になるというものです。しかし数多くのステークホルダーを抱えるAKBは部分最適がいき過ぎる嫌いがあります。
もう一つは、主さんに代表されるAKB全体を何より優先するある意味で全体主義的な考え方ですね。この場合は利益の配分について大きな問題を抱えることになります。
私は主さんたちに今一度戻ってくることを望んでいるのですが…
横断鉄道時代は巨大企業を作ることがイノベーションでした。組織の変革です。
イノベーションを技術革新と訳してしまったあたりから来てる気はしますが、間違ったイメージで小さく言葉を捉えるのは如何かと思ったりします。(主さんのことではありませんが
)
コメントありがとうございます。
>全体主義
確かに日頃「全体」を重視する立場を表明しております。
が、「全体主義」者より「システム論」者と言ってもらえると嬉しいです(笑)
全体主義だと嫌だというわけではないのですが、誤解されそうですので・・
全体を重視するのは、全ての個は独立して存在せず、あらゆるものが相互に関連するゆえにシステム全体を見なければならないと考えるからです。
全体主義の文脈だと、「全体のために個を犠牲にしても構わない。」という意味が含まれますが、システム論の場合は「個のために全体を考えなければならない。」となります。
ただ、Unknownさんの仰る内容は、よくわかります。
利害関係者の利害調整をどういうフレームワークで行うかは難しい問題です。
コメントありがとうございます。
(内容からしても「ムー」さんですよね?)
>イノベーションの定義を狭義に考えすぎなのが昨今の論調のおかしな所です。
ある意味では、「イノベーション」が市民権を得たということでしょうかね。
みんなが知る言葉になったから、みんなの想いおもいに使われる言葉になったということですね。
おそらく。
どこにいっても「イノベーション」という言葉は通じるようになったけれど、その言葉を聴いて理解する意味にはかなり幅があるというのが、実感的にも正しそうです。