AKB48について語る場面の多くで出会う言葉がある。
「推し」である。
実は「推し」という言葉の発明と、AKB48の躍進は深い関係にある。
この「推し」なくして、現在のAKB48はなかっただろう。
そのことについて考える前に、そもそも「推し」とは何であるかを考える。
辞書を調べると次のように出てくる。
・ goo辞書:http://dictionary.goo.ne.jp/
「推す」
1 人や事物を、ある地位・身分にふさわしいものとして、他に薦める。推薦する。
2 あることを根拠として、他のことを判断する。推し量る。
3 さらに突き詰めて考える。
・ 三省堂 大辞林:http://www.weblio.jp/
「一推し」
第一番に評価し、最も推薦できるもの。
・ はてなキーワード:http://d.hatena.ne.jp/keyword/
「推しメン」
「イチ推しメンバー」の略。好きなメンバーや、応援しているメンバーの事。
主にハロプロ関係やAKB関係などのアイドル界で使用。
ジャニーズだと「自担(担当)」になる。
現在の使われ方としては、多くの人の認識としては、「はてなキーワード」が説明する意味が最も近いと思われるが、当Blogではこれをもう少し補足したい。
◆◆◆◆◆◆
「推し」の前には「ファン(fan)」という言葉があった。
「ファン」の同義語は「ヲタ」ではない。
(あくまでも当Blogの考え方)
・Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/
「ファン」
ファン(英: fan)は、特定の対象に対する応援者、愛好者のこと。「狂信者」を意味するファナティスト(英: fanatist)の略。
古来日本語では贔屓(ひいき、贔負とも)といった。語源は「盛んに力を使う」「鼻息を荒くして働く」を意味する古中国語の「贔き」(ひき)。日本ではこれに「重いものを下で支える」という意味が加わり、これが「特に目をかけて引き立てる」に転じた。
AKB48に関して言えば「ファン」という言葉はあまり使われない。
AKB48に関心を持っていない一般層に向けた情報発信の場合でこそ使われるが、AKB48を語る際にはほとんど出てこない言葉である。
なぜだろうか?
それは、AKB48が登場する以前に「ファン」の衰退があったからだ。
これは、マスメディア、アイドルの衰退と無関係ではない。
そして、AKB48を語る上で理解しなくてはならない、根本的な競争基盤の変化(パラダイムシフト)がここにある。
AKB48が破壊的イノベーションたる主な理由の一つなのだ。
◆◆◆◆◆◆
「推し」は意味としては「ファン」に近い。
好き、推薦、応援などをカバーした幅広い概念で、「ファン」の意味もである「贔屓(ひいき)」に最も近い。
だが、「ファン」とは違う。
どう違うか?
「推し」と「ファン」とは距離感の違いがある。
ここでいう距離感とは、「推し」を行う「自分」と、「推し」される「相手」との距離感だ。
つまり、自分と相手の距離のことだ。
「ファン」は「自分と相手との距離」が近いのに対し、
「推し」は「自分と相手との距離」が比較的に離れている。
もちろん重複している領域はあるだろうが、大局的に捉えればの話だ。
上で「ファン」の衰退があったというが、それは「アイドル」が「多くの人々(自分)」との距離を近づけることができなくなったということから来る。
一般的には価値観の多様化が原因と言われるが、その実は情報技術を主とした技術革新による高度情報流通社会基盤の社会への浸透である。
人々は簡単に即時的に欲しい情報を入手することができるようになると、中途半端な物事、劣っているとわかっているものには興味を示さなくなる。
人々の実利主義に拍車がかかり、また、どの世界でも1番ばかりが注目を集めるようになって両極端化する。
簡単に言ってしまえば、楽しいことや面白いことは世の中にいっぱいあるのに、なぜアイドルに関心を持たなければならないのか、ということを人々が思ったというこどだろう。(これはマスを狙う商品やサービス全体にいえることだ。)
◆◆◆◆◆◆
「ファン」は衰退していた。
ゆえに、新しい「ファン」ではない何かが求められいた。
そこに現れたのが「AKB48」であった。
ただ、「推し」はAKB48以前にもあった。
だが、AKB48によって「推し」は育まれ、その存在を確かなものにした。
それはAKB48が育まれるアイドルであったことと無関係ではない。
と、盛り上げるだけ盛り上げておいて何ですが、ここでタイプアップとなってしまいました。
なので、年末に米ウォールストリートジャーナル(WSJ)が秋元康氏にインタビューした時の記事にリンクを張ることにして、ここで一時中断にしたいと思います。
↓AKB48のエッセンスは、秋元氏本人の口から述べられています。
AKB48を創った男
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/fccb6a6b91474c53082190b49b06a4cf
↓ついでに、「推し」を具現化する「面」戦略についても是非ご一読ください。
やすす先生!あなたがもっとググタスで語るべき理由の1つを説明します。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/160f4c424d60acd40b875393f558faa9
◆◆◆◆◆◆
今、AKB48公式ライバル、乃木坂46が壮大な社会実験を行っている。
AKB48が5年かけて投資してきた分を、5ヶ月で一気に投資したら市場がどう反応するのか、物量によるパワープレイがどこまで通ずるのかという、ある意味で常識破りの戦略だ。
「推し」という概念に正面から勝負を挑むその勇猛さには敬意を表するが、しかし、その向かう先が「ファン」なのであれば、この勝負の結果は陽を見るより明らかである。
乃木坂46の運営陣が、今後どういう手立てを打ってくるのか、楽しみです。
「推し」である。
推しメン、神推し、一推し、二推し、推し変、○○推し、etc..
実は「推し」という言葉の発明と、AKB48の躍進は深い関係にある。
この「推し」なくして、現在のAKB48はなかっただろう。
そのことについて考える前に、そもそも「推し」とは何であるかを考える。
辞書を調べると次のように出てくる。
・ goo辞書:http://dictionary.goo.ne.jp/
「推す」
1 人や事物を、ある地位・身分にふさわしいものとして、他に薦める。推薦する。
2 あることを根拠として、他のことを判断する。推し量る。
3 さらに突き詰めて考える。
・ 三省堂 大辞林:http://www.weblio.jp/
「一推し」
第一番に評価し、最も推薦できるもの。
・ はてなキーワード:http://d.hatena.ne.jp/keyword/
「推しメン」
「イチ推しメンバー」の略。好きなメンバーや、応援しているメンバーの事。
主にハロプロ関係やAKB関係などのアイドル界で使用。
ジャニーズだと「自担(担当)」になる。
現在の使われ方としては、多くの人の認識としては、「はてなキーワード」が説明する意味が最も近いと思われるが、当Blogではこれをもう少し補足したい。
◆◆◆◆◆◆
「推し」の前には「ファン(fan)」という言葉があった。
「ファン」の同義語は「ヲタ」ではない。
(あくまでも当Blogの考え方)
・Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/
「ファン」
ファン(英: fan)は、特定の対象に対する応援者、愛好者のこと。「狂信者」を意味するファナティスト(英: fanatist)の略。
古来日本語では贔屓(ひいき、贔負とも)といった。語源は「盛んに力を使う」「鼻息を荒くして働く」を意味する古中国語の「贔き」(ひき)。日本ではこれに「重いものを下で支える」という意味が加わり、これが「特に目をかけて引き立てる」に転じた。
AKB48に関して言えば「ファン」という言葉はあまり使われない。
AKB48に関心を持っていない一般層に向けた情報発信の場合でこそ使われるが、AKB48を語る際にはほとんど出てこない言葉である。
なぜだろうか?
それは、AKB48が登場する以前に「ファン」の衰退があったからだ。
これは、マスメディア、アイドルの衰退と無関係ではない。
そして、AKB48を語る上で理解しなくてはならない、根本的な競争基盤の変化(パラダイムシフト)がここにある。
AKB48が破壊的イノベーションたる主な理由の一つなのだ。
◆◆◆◆◆◆
「推し」は意味としては「ファン」に近い。
好き、推薦、応援などをカバーした幅広い概念で、「ファン」の意味もである「贔屓(ひいき)」に最も近い。
だが、「ファン」とは違う。
どう違うか?
「推し」と「ファン」とは距離感の違いがある。
ここでいう距離感とは、「推し」を行う「自分」と、「推し」される「相手」との距離感だ。
つまり、自分と相手の距離のことだ。
「ファン」は「自分と相手との距離」が近いのに対し、
「推し」は「自分と相手との距離」が比較的に離れている。
もちろん重複している領域はあるだろうが、大局的に捉えればの話だ。
上で「ファン」の衰退があったというが、それは「アイドル」が「多くの人々(自分)」との距離を近づけることができなくなったということから来る。
一般的には価値観の多様化が原因と言われるが、その実は情報技術を主とした技術革新による高度情報流通社会基盤の社会への浸透である。
人々は簡単に即時的に欲しい情報を入手することができるようになると、中途半端な物事、劣っているとわかっているものには興味を示さなくなる。
人々の実利主義に拍車がかかり、また、どの世界でも1番ばかりが注目を集めるようになって両極端化する。
簡単に言ってしまえば、楽しいことや面白いことは世の中にいっぱいあるのに、なぜアイドルに関心を持たなければならないのか、ということを人々が思ったというこどだろう。(これはマスを狙う商品やサービス全体にいえることだ。)
◆◆◆◆◆◆
「ファン」は衰退していた。
ゆえに、新しい「ファン」ではない何かが求められいた。
そこに現れたのが「AKB48」であった。
ただ、「推し」はAKB48以前にもあった。
だが、AKB48によって「推し」は育まれ、その存在を確かなものにした。
それはAKB48が育まれるアイドルであったことと無関係ではない。
と、盛り上げるだけ盛り上げておいて何ですが、ここでタイプアップとなってしまいました。
なので、年末に米ウォールストリートジャーナル(WSJ)が秋元康氏にインタビューした時の記事にリンクを張ることにして、ここで一時中断にしたいと思います。
↓AKB48のエッセンスは、秋元氏本人の口から述べられています。
AKB48を創った男
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/fccb6a6b91474c53082190b49b06a4cf
↓ついでに、「推し」を具現化する「面」戦略についても是非ご一読ください。
やすす先生!あなたがもっとググタスで語るべき理由の1つを説明します。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/160f4c424d60acd40b875393f558faa9
◆◆◆◆◆◆
今、AKB48公式ライバル、乃木坂46が壮大な社会実験を行っている。
AKB48が5年かけて投資してきた分を、5ヶ月で一気に投資したら市場がどう反応するのか、物量によるパワープレイがどこまで通ずるのかという、ある意味で常識破りの戦略だ。
「推し」という概念に正面から勝負を挑むその勇猛さには敬意を表するが、しかし、その向かう先が「ファン」なのであれば、この勝負の結果は陽を見るより明らかである。
乃木坂46の運営陣が、今後どういう手立てを打ってくるのか、楽しみです。