旅する小林亜星

小林亜星情報満載

こんな夜にはこんな読書「吉祥寺幸荘物語」

2005-09-06 23:20:11 | 青春生き残りゲーム
会社に小説家を目指している若造がいる。

今年社会人2年目のその若造は
大学在学中、出版社に就職したく就職留年し
しかしやはり出版社には就職できず
結局今全く関係ない仕事をしている。

それでもしこしこ書き溜めて
10月に新人賞にいくつか応募するらしい。

あたしにそんなことを言う権利はないのだけれど
喋っていてもおもしろくない、そんな若造に
おもしろい小説は書けないだろうと思っている。
もっと経験が必要なんじゃないの。
ま、余計なお世話だけど。

表面的には応援しているので
出来あがった作品を見せてもらうことになってる。

団鬼六の「美少年」をあたしに紹介してくれた、
また別の同僚が
小説家を目指してる男の話、ためになると思うよ、
とおすすめしてたのが花村萬月の「吉祥寺幸荘物語」。
「惜春」より先に読んだ。

冒頭、
「<わぎだま>とは、追いつめられるなどして、
 かろうじて作り笑いなどをしてみせるときに頬にできる
 楕円形の筋肉の集まり、と広辞苑にある。
 というのは、真っ赤な嘘だが、しかし、
 それにしても円町君の頬には見事な<わぎだま>ができていた。」

という文章とともに始まる、
大切にとっておいたメンチカツを食べた、
円町君と主人公との掛け合いは
初めて彼の本を読んだあたしには
あまりに刺激的な魅力を持った文章だった。

この刺激的な魅力は最後まで落ちることなく
この文章の流れ方、絶妙!とか
ここでこの単語をこう使う?とか
メモしておきたいよな文ばかり。

ところで数多い花村萬月の著書を2冊読んだが
2冊とも
主人公は童貞で
ソープ嬢に童貞を捧げる筋だ。

よほど童貞とソープに思い入れが?

小説家を目指す若造には参考になったのだろか。
彼が書き上げる作品が楽しみだ。
少しだけ。
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こんな夜にはこんな読書「惜春」

2005-09-06 00:54:30 | 
匿名でというブログで
登場した一冊。

ブロガーのあまりの魅力と
淡白さにやられ
花村萬月に挑戦してみる。

なんて歯ごたえのある文章を書くひと。
後味が複雑でやめられなくなる。
一語一語を咀嚼したくなる。

彼の言葉に囚われて
雄琴という場所に魅かれてやまない。

吉原も
飛田も
同じ風俗なのに
違う匂い。

雄琴も訪れてみたい。
人間の性欲がぷんぷん匂う街に。

雄琴のソープランドのウェブを見て
女の子の写真だけでなく
料金、安全対策、給料などを
こまめにチェックしてる自分に唖然。

あたしの肉体は
限りなく男性に近くて
きっとあたしが男に生まれついていたら
かつて日本一のソープ街と言わしめていた
雄琴の女のこをきっと試しに行っただろう。
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形而上学的浮気思考

2005-09-05 00:33:13 | アパート
浮気について真剣に考えてみる。

浮気の定義は
ここでは伴侶がいるのに
他人と肉体的に交わること。

浮気といえば
一度だけ経験がある。

2年前だった。
旅先で意気投合した年上男に
あたしはすっかりメロメロだった。
年下のカレシとは付き合って半年のころ。

旅先から帰京し、
男の地元で再会した。

フラフラとその男の家に行き
その夜を喋り明かして
別々の部屋で眠りについた。

2時間後、
気がつけば
その男にチチを揉まれていた。

眠気眼でなんとか抵抗し
トイレに避難。

したい。
カレシを裏切りたくない。
でも、したい。
できない。

自問自答を繰り返し、
その男の元に戻る。

操を明渡す決心がつかずあたしは
上の口で彼のを受け入れた。
精一杯だった。

彼はあたしの口の中で果てた。

浮気の定義によっては
これは浮気ではないかもしれない。

あたしは
その男が交際を快諾してくれるなら
カレシと別れるぐらい
その男に溺れていたから。
本気だった。

付き合うことは叶わなくとも
一度だけ記念に交わりたい男に
ときどき遭遇する。

それでも
それを実行に移してこなかったのは
あたしの不器用さ。

本当に好きでなければ
大事なひとを傷つけるリスクを負ってまで
操を許したくならないし

もし本当に好きで
大事なひとを傷つけるリスクを負ってでも
操を許すならば
もう二度と元の男の胸の中に戻れなくなるだろう。
嘘をつけない不器用さ。

3時間に3回射精した男の横で
このひとを裏切りたくないと
そっと、思った。
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こんな夜にはこんな映画「パリ、テキサス」

2005-09-04 23:44:08 | 美容師
美容師がお店で配っている名刺に
お気に入りの映画として書かれてる「パリ、テキサス」。

美容師が今まで生きてきた中で一番の映画を見てみる。

・・・え?
これ。

そんな落胆から数日後
携帯番号を交換してから初めて
美容師から電話があった。

とうとうXデーがきてしまったのかと
不安を抱えつつ出てみると
「特に用もないけど、なんとなく」と美容師。

なんとなく、
誰かとなんとなく、
なんとなく喋りたい夜に
あたしをその選択肢に入れてくれたことが
素直に嬉しかった。

で、「パリ、テキサス」の一体どこがよかったのか
尋ねてみたところ

「ナスターシャ・キンスキーがよかったのよ」と美容師。

あぁ、なるほど。

Xデーを匂わすこともなく
あっさり電話は切れた。

がっかりしたよな、
ほっとしたよな・・・
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宇宙人と交信してみる

2005-09-02 01:26:14 | 大宮サンセット
教えて! ogooの課長さんと飲む。

誰誘う?という話になって
「俺の部下で誰か興味のあるやついる?」と聞かれたので

前にうちの部署にいた、
「宇宙語を話すOさんの宇宙語を翻訳してくださるなら
 興味があります。
 おもしろいひとがいいです。」と返信した。

3分後にきたメールには
翻訳できるかどうかには回答がなく
「Oはその日開いてるって。」というコメントだった。

さらに
「顔がおもしろいのならNがいるよ。」
とホンジャマカの恵似のNが加わり
ということで4人で飲むことになった。

メールの最後に
「やつらには誰が来るか教えてないんだ。
 お前と飲みたい女の子がいるということと
 ミステリーツアーとだけ言ってある。」
と。

品川のロータリーに19時。
「お前と飲みたい女の子」があたしだと認識したOは
3秒ほど凝固していた。

勇んで笑笑に赴く。

Oとはほとんど喋ったことがなく
仕事に関してはかなり技術力が高く
他人に厳しいという評判のみ。

果たして宇宙語を理解できるだろうかと不安になる。

遅れてきたNは
あたしが2年前無職だったころ
1万円払ってAVの撮影現場見学会に参加したことに
食いつく。

お酒で饒舌になったころ、
海外の話になった。

4人とも何らかの方法で海外脱出を切望しており
リクナビネクストの海外求人に思いを馳せる。

なんで海外に行きたいのか、
海外で何をしたいのか、
なんでその国がいいのか、
思い思いに熱く語る。

アメリカに6年いた課長は
「お前ら、なんでもいいから行っちまえ」と叫ぶ。

あたしの大人将来相談室な話に
宇宙人Oは真面目腐った顔をして
「キャリアパスを考えれば
 今の場所が将来の目標を達成するのに
 必要なものがある場所かどうか判断できる」という。

あたしが
「今の部署は目標達成に必要なものがありますが
 あたしは活かしきれてないのです。
 わかっているのに努力が足りないのです。」と返答すると

宇宙人Oは
「活かしきれてない、努力してない自覚があるだけまし。」という。

彼はコミュニケーションを取らずに
他人とは一線を画くし
マイペースで仕事をするそうだ。
宇宙語を話すと評される所以?

いっしょに仕事をする関係でなければ
Oの宇宙語はぜんぜんわかる言葉であって
論理的で冷静で暖かい言葉を持ってるひとだと思った。

同じベクトルの未来を目指すひとと話す空間は
刺激的で焦燥感に満ちている。

このひとたちとの
こいう関係を
大事にしようと思った。
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ロシア民謡「一週間の歌」金曜日編

2005-09-01 01:23:25 | ハイファイ・ローファイ
怒涛の一週間6日目。

>金曜日は糸巻きもせず

19時から会長の勇退送別会だった。
最近会社員意識が強くなってきて
こういった場はいつも敬遠してきたものの
積極的に参加し、
社内にて顔を売ろうという打算に
出席の連絡を入れた。

が、残業で遅れて到着。
まわりは出来あがっていて
早速ついていけない。

挨拶も早々に済ませ
しゃぶしゃぶに食らいつく。

酔っ払えないまま、フィニッシュを迎えた。

ふと気がつくと会長は最初からマツケンの格好。
と、そこへマツケンダンサーズ登場。
社員なのかと思いきや
プロのダンサーを雇ったらしい。

捌ききれない量のクラッカーを持たされる。
会長、1曲を振りつきで熱唱。

この会社、ほんとに上場狙ってるんだろか。

2次会はさくら水産。
気のおけない同期とゆっくり
杯を傾けていると
他のメンバーも飛び入り参加。

あたしが苦手な超女子、Kがいる。
うっ・・・

Kは同い年で、渋谷在住。
完璧な外見とスタイル。
そつの無い社交性と愛嬌で異性を魅了。
そして同性にも感じ良い接し方。

あたしの隣りに座り
「肌きれ~」とすっぴんのほっぺたを触る。

あたしが上着を羽織れば
「大丈夫ぅ?」と心配を装って
頼んでも無いのに熱いお茶を注文。

いい子じゃん、と思うでしょ?

でもね、あたしは彼女に魅力を微塵も感じない。
負け惜しみ8割。

彼女はその和気藹々とした飲みの最中に
しかもこともあろうにさくら水産で
ciscoの悪口を言い始めた。

「バグがあってもね、ciscoなら許されるんですぅ~」

大空に向かってそそり立ったマスカラにまみれたまつげを上下させ
上目遣いで
顔を右後ろ斜め45度に傾げ
くちびるを尖がらせるのだ。

AVのフェラかよ、てくらい。

ciscoのバグについて言及するほど技術がない、
あたしが悪いといえば悪いが
もちょっとまわりの雰囲気読めよと閉口。
対面の同期は失笑。

それでもそんなフェラ動画と
ciscoのバグ噺のギャップがいいのか
まわりの男はバッタバッタと音を立てて
彼女に斬られていく。

加えて
マージャン、ガンダムの話題に滅法強いもんだから
おじさん受けもいいらしい。

この先何度生まれ変わっても
あたしが彼女に勝つことはないだろう。

自己卑下に疲れ、美容師に電話。

会長への贈り物(たぬき30万円相当)代:1500円
さくら水産:1500円
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