会社に小説家を目指している若造がいる。
今年社会人2年目のその若造は
大学在学中、出版社に就職したく就職留年し
しかしやはり出版社には就職できず
結局今全く関係ない仕事をしている。
それでもしこしこ書き溜めて
10月に新人賞にいくつか応募するらしい。
あたしにそんなことを言う権利はないのだけれど
喋っていてもおもしろくない、そんな若造に
おもしろい小説は書けないだろうと思っている。
もっと経験が必要なんじゃないの。
ま、余計なお世話だけど。
表面的には応援しているので
出来あがった作品を見せてもらうことになってる。
団鬼六の「美少年」をあたしに紹介してくれた、
また別の同僚が
小説家を目指してる男の話、ためになると思うよ、
とおすすめしてたのが花村萬月の「吉祥寺幸荘物語」。
「惜春」より先に読んだ。
冒頭、
「<わぎだま>とは、追いつめられるなどして、
かろうじて作り笑いなどをしてみせるときに頬にできる
楕円形の筋肉の集まり、と広辞苑にある。
というのは、真っ赤な嘘だが、しかし、
それにしても円町君の頬には見事な<わぎだま>ができていた。」
という文章とともに始まる、
大切にとっておいたメンチカツを食べた、
円町君と主人公との掛け合いは
初めて彼の本を読んだあたしには
あまりに刺激的な魅力を持った文章だった。
この刺激的な魅力は最後まで落ちることなく
この文章の流れ方、絶妙!とか
ここでこの単語をこう使う?とか
メモしておきたいよな文ばかり。
ところで数多い花村萬月の著書を2冊読んだが
2冊とも
主人公は童貞で
ソープ嬢に童貞を捧げる筋だ。
よほど童貞とソープに思い入れが?
小説家を目指す若造には参考になったのだろか。
彼が書き上げる作品が楽しみだ。
少しだけ。
今年社会人2年目のその若造は
大学在学中、出版社に就職したく就職留年し
しかしやはり出版社には就職できず
結局今全く関係ない仕事をしている。
それでもしこしこ書き溜めて
10月に新人賞にいくつか応募するらしい。
あたしにそんなことを言う権利はないのだけれど
喋っていてもおもしろくない、そんな若造に
おもしろい小説は書けないだろうと思っている。
もっと経験が必要なんじゃないの。
ま、余計なお世話だけど。
表面的には応援しているので
出来あがった作品を見せてもらうことになってる。
団鬼六の「美少年」をあたしに紹介してくれた、
また別の同僚が
小説家を目指してる男の話、ためになると思うよ、
とおすすめしてたのが花村萬月の「吉祥寺幸荘物語」。
「惜春」より先に読んだ。
冒頭、
「<わぎだま>とは、追いつめられるなどして、
かろうじて作り笑いなどをしてみせるときに頬にできる
楕円形の筋肉の集まり、と広辞苑にある。
というのは、真っ赤な嘘だが、しかし、
それにしても円町君の頬には見事な<わぎだま>ができていた。」
という文章とともに始まる、
大切にとっておいたメンチカツを食べた、
円町君と主人公との掛け合いは
初めて彼の本を読んだあたしには
あまりに刺激的な魅力を持った文章だった。
この刺激的な魅力は最後まで落ちることなく
この文章の流れ方、絶妙!とか
ここでこの単語をこう使う?とか
メモしておきたいよな文ばかり。
ところで数多い花村萬月の著書を2冊読んだが
2冊とも
主人公は童貞で
ソープ嬢に童貞を捧げる筋だ。
よほど童貞とソープに思い入れが?
小説家を目指す若造には参考になったのだろか。
彼が書き上げる作品が楽しみだ。
少しだけ。