旅する小林亜星

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冷美

2008-05-24 01:44:06 | 初恋クレージー
同じフロアの向こう側にいる、クールビューティ男。

ほとんど話したことがないのだけれど
氷頭な送別会の幹事さんに「誰呼びたい?」と聞かれたので

仕事ではほとんど絡みがなかったクールビューティ男を、と言ったものの
クールビューティ男はシフト勤務で来れないとのことだった。

送別会の1週間後
クールビューティ男はなにを思ったのか、

「この前は、すみませんでした・・・。
 辞めちゃうんですか・・?」というメールをくれた。

あたしの顔も名前も一致されてないだろうと思っていたので
狩人本能でちょっかいを出す気にもなれなかったけれど

そんなメールをいただいた日には最後
だめもとで飲みにいこうとメールを送ってみた。

来ないと思ってた返事は簡単にやってきて

「もちろん、行きます。
 おいしいモノ食べたいっすねー。」

とクールビューティ男らしからぬノリ。

あたしはクールビューティ男にからかわれてるのかとか、
ほかの誰かが彼に成りすまして、あたしをだましてるのかとか、

実は当日に「残念でしたー、本気にすんなよ、バーカ」というメールとともに
ドタキャンされるのかとか、さえも想定してた。

彼がずっと行きたかったという丸の内トキアの「きじ」というお店の前に
まさか本物の彼が先に並んでいたのを見つけたときは

夢心地とはこういうものだと実感した。

汗をかく白い美しい顔にへばりついたもみ上げ。
ちょっとだけ覗く白い歯とその横にある黒子。

笑うと細くなる目。
ちょっと天パーな髪の毛の先。

まぶしくてまぶしくて直視できないのに
どうしても目を、心を、奪われてしまって

見とれるのと、目をそらすので忙しい瞬間だった。

見とれるのと、目をそらすのですでに忙しいのに
彼はさらにおもしろいひとだった。

なんだか付き合いたいとか、そういう次元をとうに飛び越えて
見つめてるだけで幸せだった。

彼の、手の届く、そこにある存在だけで。

隣に座ったカウンターで
椅子に座りなおす瞬間にバランスを崩して肩に触れた。

お店を出てからまだ離れたくなくて
お茶に誘いがてら少し夜道を歩いた。

恋してみる。
横顔も好きだ。

言葉の端々で
あたしへの関心を秤にかける。

好意なのか
慈善事業なのか。

居酒屋の個室に入る。
笑う。

触りたい。
ちょっとだけ触らしてと言う準備をする。

でも言えない。

終電が近くなって東京駅の改札でバイバイする。
恥ずかしくなる。

メールをする。
やっぱり引き返す。

そして恋し。

「あれ以上長時間いっしょにいたら
 いたずらしたくなってたのでちょうどよかったです」とお礼メールをしたところ

「いたずらされそうだったのか、あぶない。でも悪くないかも。」と魚雷メール。

3秒でノックアウト。
カンカンカン。
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