八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

2024年 平山城址公園、東京薬科大学薬用植物園:セツブンソウ、種々の冬芽等

2024-02-09 21:18:04 | 花・野鳥

2月9日。平山城址公園と東京薬科大学の薬用植物園を訪れました。

平山城址公園では枯葉が付いたヤマコウバシ(山香ばし:クスノキ科の落葉低木で雌雄別株)の姿が目立っていました。この木は枯れた葉が冬になっても落葉せずに残っているため見つけ易い。なお、葉を揉むと芳香があるためこの名が付いたということです。

ヤマコウバシの冬芽と葉痕です。冬芽は鱗芽で混芽(目の中に花芽と葉芽が共に入る)。

薬科大学に入ると野鳥のコゲラ(小啄木鳥:日本で一番小さなキツツキ、留鳥)とルリビタキ(瑠璃鶲:漂鳥)が歓迎してくれました。ルリビタキは日蔭から出ないので写りが悪くなりました。

 

なお、池にはコガモが多数いるだけで、残念ながらトモエガモもオシドリも見かけませんでした。

薬用植物園では

咲いている花はセツブンソウ、ナニワズ、コセリバオウレンとニオイカントウだけでした。

セツブンソウ(節分草):片倉城跡公園では1輪だけでしたが、ここでは2輪咲いていました。雪の中にもっとあるかもしれません。

 

ナニワズ(ジンチョウゲ科の常緑小低木で雌雄別株):オニシバリと同様に夏には落葉し赤い果実を付ける。

コセリバオウレン(小芹葉黄連:キンポウゲ科の常緑多年草で日本特産):根茎が黄色をしており漢方薬にもなる。他のオウレンの仲間より早くこれだけが咲いています。

 

ニオイカントウ(匂款冬:キク科の常緑多年草):「款冬」はフキのことで香りがあるため。

後は種々の冬芽です。

三大美芽と言われる冬芽のうちザイフリボクとネジキの冬芽がありました。もう一つのコクサギは既に片倉城跡公園でご紹介済みです。

ザイフリボク(采振木:バラ科の落葉小高木):鱗芽で芽鱗は5~9個。2枚目写真のものは芽鱗が開き白毛が現れたものです。

 

ネジキ(捩木:ツツジ科の落葉小高木。有毒植物):幹に左巻きで捩じれたような縦筋が入る。冬芽は鱗芽で2枚の芽鱗が向き合うように付く。

 

その他の冬芽

ムシカリ(虫狩。別名オオカメノキ。スイカズラ科の落葉小高木):ムシカリは葉を虫が好むため、オオカメノキは葉の形が亀の甲羅のように見えるため名付けられた。冬芽は芽鱗が早落性なので早くから裸芽になり褐色の星状毛が密生し幼葉の形が見える。2枚目の写真の両脇の葉芽の間の丸い冬芽は花芽。3枚目の写真は2枚目の写真を横から見たもので葉痕が見える。維管束痕は3個。

  

カホクザンショウ(華北山椒:中国産のミカン科サンショウ属の落葉低木。中国名の花椒で知られる。):棘が大きいため冬芽と葉痕、維管束痕を全体として見ると大きなマントと小さな帽子(または冠)を被り怖い顔をした人のように見える。

ゴシュユ(呉茱萸:中国産のミカン科ゴシュユ属の落葉小高木):冬芽は裸芽で維管束痕は3個。情けない顔をした人に見える。

シナアブラギリ(支那油桐:トウダイグサカ科の落葉高木):頂芽のみ大きく側芽は発達しない。

テンダイウヤク(天台烏薬:中国産でクスノキ科の常緑低木で雌雄別株):冬芽は鱗芽で葉芽は紡錘形、花芽は丸く多数付く。花期は4月。葉芽は綺麗な色をしている。

 

トチュウ(杜仲:中国原産でトチュウ科の落葉高木で雌雄別株):杜仲茶や漢方の杜仲として利用される。冬芽は鱗芽で8~10枚の芽鱗に包まれる。維管束痕は葉痕の中央に固まる。

マルバアオダモ(丸葉青梻:モクセイ科の落葉高木で雌雄別株。葉は対生で奇数羽状複葉。):冬芽は鱗芽で頂芽は広卵形で頂生側芽を伴う。芽鱗は1~2対で微細な粉状毛に被われる。

遊歩道にあるムクロジ(ムクロジ科の落葉高木)に果実が沢山生っていました。雌蕊の心皮は3個あるが1個だけ果実として成熟する。また、果実は核果で基部には成熟しなかった心皮が2個残っている。冬芽は低い場所に無く残念ながら撮影できず。

 

以上

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1 コメント

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Unknown (東鴨ルパン)
2024-02-10 18:15:24
冬芽と葉痕の世界も面白いですね。
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