あの日

とうとう8月になってしまった。
もうすぐ
「あの日」が巡ってくる。

3回目の「あの日」。

でも、
わたしの耳の中は
いつも
ずっと
あの日とおなじように
蝉が激しく哭きつづけている
時間はとまったままなのだ






ひとは
どこからきて
どこへむかうのだろう

いのちは
ただひとつだから尊いのだと思っていたが
つぎのいのちがあるならば
嘆くことなどなにもないのではないか

もしも
もういちど
あのひとに会えるのならば
なんのために
この世界で生きながらえる必要があるのだろう

誰も答えてくれない問いを
今夜も堂々巡り