脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

支えられてきたこと

2011-11-16 22:30:19 | 私の思い 2
夫の闘病中、
私はその病状を細かくブログに書き続けてきた。
それを読まれる闘病中の方やご家族のお気持ちを思うと
躊躇われることもあったが
それでも、
夫の姿を少しでも残しておきたいという気持ちもあった。
そして何より、
コメントをくださる皆さんの一つ一つのお言葉に
とてもとても力をいただいてきた。

当時の私には
そのお言葉の深い意味や
そのお言葉に込められた暖かいお気持ちが
百パーセント理解できていなかった部分もあったと今になって思う。
あの頃
いただいたお言葉の一つ一つを
もっと噛みしめていたら
もう少し
夫との日々に気持ちのゆとりをもてたのかもしれないと…
これも今だから思えることなのだろうけれど…

残り少ない時間とわかっていたのに
夫にゆったりと寄り添うことができなかったことを悔やむ日々である。


闘病中も今も多くの人に支えられて
ようやく歩いている。

当たり前のことだが人の考え方や感じ方は皆違う。
悲しみの表し方も
受け止め方も
癒され方も…

でも
多分みんな
とてもとても苦しい中で
それでも
歩いていこうとしているのだ…

私は
今のこの気持ちを
ずっとこのまま抱き続けていくことで
夫と共に
病気と闘い続けていくのだと思っている。
それは今の思いで
時間がたつと
また考え方は変わるのかもしれないけれど…

途方にくれて
心細くて
泣いてばかりいた先週までの私
先週末は全く食事が取れない日が続き
立つことさえできなくなって
このままではいけないと
自分を叱咤激励して…

今は
「大丈夫、大丈夫」と声に出して
自分を励ましながら
少しずつ
体力を取り戻している。

一人で家で寝ていると余計につらくなるから
仕事にも行っている。

そんな日々の中で
たくさんの人からいただいた言葉を一つ一つ思いおこし
どんなにたくさんの人に支えていただいたかを
あらためて思いおこし
「私はひとりぼっちじゃない」と思った。


今も
夫がいつも座っていた椅子はそのまま居間の定位置にあり、
夫がいつも聞いていた無線機のスイッチも毎日入れる。
夫の携帯電話も電池ぎれにならないように気をつけて充電する。

それは
表面上のことなのかもしれないけれど
私にはやっぱり
変えることができない。

目に見えることでも
目に見えない心の中でも
私は今も夫と一緒に生きているんだと思うことで
なんとか
この状態から抜け出さないといけないと思っている…