6月中旬、通常営業が再開されて最初の土曜日の訪問です。当日はほぼ1日中雨で、時折傘が役に立たない位に雨足が強まる空模様。その影響もあって、13時過ぎに店頭に到着すると行列は14人という、土曜日の神田神保町店とは思えない状況。そして、並び始めてから30分弱で入店し、その10分後にラーメンが配膳されました。尚、退店時でもその行列は11人でした。
大豚、大蒜多め脂+生卵。
麺丼。一見して控えめの量に感じました。店主さんも首を捻りながらの配膳で、完食後は「少し足りなかったなぁ」と。
ロット最後の入店だったこともあって、私が食券を購入した際には既に鍋の中に麺が。そして、店主さんが私の顔を確認すると麺を追加したように、さらにその3分後にもう一度麺が投入されました。
細めの平たい形状で、丼の縁から盛り上がった部分の表面にはやや滑りが。
表層部はやや軟らかめの触感も深層部からは小麦粉の詰まった感が伝わることで、全体的には抵抗力が強めに発揮されています。
サブ丼に麺を移して冷ましながら、飴色に色付いてさらに反発力を増した麺を一心不乱に啜り続けました。
最終盤は卵黄を乗せて。
固形脂はフワフワ。SNSの投稿を見ると再開当日のはかなり茶色く色付いていたのですが、この日は以前と同じような白さが先行したものに。
サブ丼には野菜と豚と大蒜。
醤油ダレが回し掛けられ色鮮やかなキャベツが目を引く野菜をバリバリと音を立てながら。野菜増しにしていないのにこの量、有難いことです。
豚。絶対に当たり、と確信できました。どの豚もタレの染みは浅めでしたが、そのことがかえって豚の品質を証明していました。
冷めていながらもトロっとした脂身。
ほぼ赤身もしっとりとした肉質の為、全くパサつきはなく舌の上でとろけるよう。決して大袈裟な表現ではありません。
冷えていると、脂肪分が凝固してしまうと思うのですがトロっとしたままです。
箸で持ち上げると、自重で崩れてしまう軟らかさです。
脂身がこれだけ多くても脂身のこってりさと甘さは後を引きません。
表面には溶け出した脂が染み出していました。
細かく刻まれた大蒜には刺すような辛味が。
口に含むと最初に油を強く、次に醤油の塩味をやや弱まって、最後に豚の旨味をさらに控えめに感じるスープは、最初からかなり少なめの量。丼底にはほぐし豚が固形脂に混ざっていたにしてはかなり多めに沈んでいました。今回の調理工程は確認出来なかったのですが、前回そうだったように、予め豚が入れられていたのかも知れません。
生卵。レンゲを忘れるという痛恨のミスを犯してしまいました。最近、加齢のせいか忘れ物が多くなって困っています。
14分程で完食。久しぶりの一杯に大満足。丼をカウンター上段に上げてお礼を伝えると、店主さんに早い時間帯での訪問を揶揄われて退店しました。
到着から退店まで1時間という、予想以上の短時間だったことで、近々の閉店がアナウンスされたキッチン南海へ向かうも70人以上の大行列は白山通りに到達。それでも並ぼうとすると最後尾のお客さんから既に閉店したとの通告が。仕方なく大型書店へ向かうと、これから出勤する遅番の助手さんとバッタリ。繰返しご挨拶して下さったのに、服装がお店でのものとは違ったので、全く気付かず失礼をしてしまいました。思えば、越谷店でもラーメンの提供を終え、店内で寛ぐ店主さんをお客さんと勘違いしたことも。加齢のせいだけには出来ませんね。