人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

洋の東西を問わずいつの時代も

2006-02-02 23:44:33 | Weblog
 こうも次から次へと不正問題が出てくると、聞いている方もいい加減に
しろと言いたくなってくる。あまりにも次々に出てくるものだから前あっ
た事件が何だったのか忘れてしまうことすらある。
 今は防衛施設庁幹部の不正問題が大きく取り上げられている。工事発注
先との癒着の問題である。先には道路公団幹部と公団幹部OBの天下り先
業者とが結託して、国の発注工事を食い物にしていたという事件があった
ばかりだ。その後どうなったのだろう。
 そんな事件の記憶が新しい時に、またまた防衛施設庁の問題である。自
らの天下り先業者に国の事業を一括発注する便宜を図っていたようだ。そ
れも一つや二つの事ではない。実に驚きである。
 国も地方も大きな財政赤字を抱え、家の中は火の車状態だというのに公
金を餌に自分たちだけがぬくぬくと肥え太っていくとは何事であろうか。
国の役人自らがエリを正さなければならない時に自らが不正を働くという、
この嘆かわしい状態をどう考えれば良いのだろうか。

 遠い国、ケニアではここ数年の干ばつで多くの餓死者が出るかも知れな
いと言われている。また、貧しくて子供の就学率が非常に低い国だ。私達
がケニアを訪れた数年前にやっと義務教育制度が取り入れられたと聞いて
いる。そんな厳しい経済事情の国の官僚が自らの公用車購入に日本円にし
て14億円もの大金を使ったと朝日新聞が報じていた。14億円という金
はケニアでは2万5千人もの子供達が8年間の義務教育が受けられるとい
う大金だ。今、この国でも腐敗や汚職がまかり通っている。賄賂なしでは
通用しない国となっている。その国が高官自らのために莫大なお金を使う
という、この実体をどう考えれば良いのだろう。

 またまた、「チャングムの誓い」が出てきて恐縮だが、このテレビドラ
マの背景には、時の王朝に巣くう高級官僚と業者の癒着が描かれている。
この不正の影で王族すら殺され、多くの正義の者が罠に落とされ殺されて
いく。その不正を正すべく闘うもの達の姿が描かれている。実にスリリン
グな展開のドラマである。ここにも巨大な悪がある。

 水戸黄門様は毎回同じパターンのテーマだが、一回ごとに悪家老や悪代
官や悪奉行が悪商人と結託して藩の財政を食い物にするというストーリー
だ。最後には「この印籠が目に入らぬか・・・」で終わるのだが、これが
見たくて毎回楽しみにしている。

 とは言えどうして洋の東西を問わず、また昔も今も同じような事が繰り
返されるのであろうか。人間の本性の中に不正を温存するような遺伝子が
組み込まれているのだろうか。だからこそ、仏陀を始めとする聖人達は厳
しい教えや戒めを説いてきたのかも知れない。本当に性懲りもなく、こん
なに次から次へと出てくるものだ。そんなに不正で稼いだ金で何を買おう
というのであろうか。自分の一生を振り返ったときに悔いはないのであろ
うか。恥ずかしくない人生だったと言えるのであろうか。自分の生涯など
長い宇宙の歴史から見れば泡沫(うたかた)に過ぎないと言うのに。愚か
なものたちだ。

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