湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

二松庵再訪

2018-12-08 20:05:08 | 日記
10月に吟行で訪れた旧川合玉堂別邸が特別開園されているので行ってみました。

今年は庭の紅葉のコンディションが悪く、赤くなっている木も葉の一部が枯れて縮れたようになっています。
 残念…
玉堂がここに別邸を建てた頃は、画室から海が眺められ、横浜から出る船や房総半島の山々を望むことができたそうです。

今では別邸より一段高い所にある四阿(あずまや)跡からも、海を見ることができません。これまた残念…
ボランティアガイドさんに、玉堂が二松庵で初めて迎えた元旦の初日の出の景色を詠んだ歌を教えてもらいました。
眼のしたのうみのかなたの紫の安房のやまよりいま日ののぼる
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新年会兼合評会

2018-12-07 18:40:09 | 
今日の日中はポカポカ陽気でしたね。おとといはもっと暖かかったから、ふらふらと近場ハイキングを挙行。
 北条氏常磐亭跡のタチンダイ。
ここからハイキングコースを登って行ったら、野村総合研究所跡地がありました。

立派すぎる廃墟! とりあえず萌え~。

2002年に鎌倉市に寄贈されたものらしいですね。

さて、今日は今年最後の湘南文芸合評会でした。次回は1月18日㈮13:00~新年カラオケ大会を兼ねて、カラオケバンバンで開催することを決定!
テーマは憧・眩・鳥、締切は1月15日㈫です。
今年1年それぞれのペースで、しっかり詩の読み書きができました。来年もよろしくお願いします
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濁の詩パート4

2018-12-06 00:23:39 | オリジナル
共通テーマ「濁」でCが書いた詩を投稿します。

白い瞳

おこうちゃんの
白い瞳には 見える

戦死した  おとうと
ふるさとの みっちゃん
亡くなった おかあさん

いま
おこうちゃんは
わたしを 見つめながら
わたしを 見ていない

みっちゃんと おはなし中の
あいだだけ
わたしは みっちゃんになる

「みっちゃん?」
〈なあに、おこうちゃん。〉
「家に帰りたいんだけど。」
〈おこうちゃんちの、おばさんが
 『今日はもう遅いから、
 むすめを泊めてください。
明日、お迎えに行きます』
って言ってたよ。〉
「そうなの。じゃあそうする。」


濁ったものを
もう 見なくていい
白い瞳


濁・冬・疑うの詩の合評会は、12月7日(金)14:00~@逗子市民交流センター1階です。見学歓迎。
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大切岸俳句

2018-12-05 00:01:23 | 文学
お猿畠の大切岸(おおきりぎし)を兼題写真に詠んだ写生2句。
寒禽や大切岸の風化して
ひとかたまりの尾花の光崖下に

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蒲団と雨の句

2018-12-04 17:17:43 | 文学
異様な暖かさですね。

街路のように見えて、横須賀市立根岸交通公園です。この近くにあるカナブンまでロードバイク漕いで行ったら汗かいちゃいました。
本日のカナブン初級俳句クラスに出した作品から。冬の季語「蒲団」と「雨」を入れたものを2句。
通り雨君の抜殻めく蒲団
蒲団より右耳出して雨を聞く
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詩の言葉は垂直

2018-12-03 22:53:54 | 

歌や詩の言葉は本来、世界や神との垂直の関係性のツール、見果てぬ夢に架ける梯子であって、「今日、何食う?」で完璧に意味が通じるような水平方向の言葉とは全然違うんだよ。だけど、現代は水平方向のやり取りだけでみんな疲弊しきっていて、言葉もどんどんフラットになるから、決定的な呪文が書かれた経典を探しに行く『西遊記』みたいな発想はとても持てないんだね。
言語や世界の垂直性を活性化するのが詩本来の使命や意義だと思うんだけど、水平方向の世界では、経済効率上、ロスとして省かれてしまうんだよね。

対談本「人生問題集」の穂村弘さんの発言より。垂直に言葉を紡いでも水平方向の世界では点にしか見えないのかも。
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暫定代表詩

2018-12-02 23:12:46 | イベント
テレビでM-1グランプリを見ていて、突然思ってしまったこと。
今日のbuoyの会の時に講師の松下育男さんが私の第一詩集で一番面白かったと言ってくれたのが、湘南文芸のメンバーがベストだと言ってくれているのと同じ詩でした。自分自身は客観的にどうか分からなかったのですが、これはもう今現在暫定一位の作品とせざるを得ません。

死ぬまで一緒に

死ぬまで会えないので
あなたを呑みこんでしまいました
もう嘘をつけませんよ
私の暮らしの外で
私の知らない仕事と家族と友人と共に
生きているあなたを想像すると
切なくて狂ってしまうから
私と暮らしてもらいます

踏切です
あなたがするように脚を開いて立ち
微かに肩を揺らしながら
遮断機が上がるのを待ちます
通過する電車の全ての座席にあなたが
顎をあげ斜め上を見て座っています
あなたは手許に目を移し
黒い鞄から本を取り出します
移動時間の暇つぶしと実利を兼ね備えた本の
全てのページに私の言葉が刷られています
無数のあなたが乗った電車は
少し先の駅舎の屋根を越えて
透明な空に昇っていきました
私の中のあなたは表情を変えず
大股で線路を横切ります
着いた先で何をするか考えています
後ろは振り返りません

次の日あなたは遮断機をくぐります
無数のあなたが乗った電車にぶつかります
私の中のあなたがバラバラになって消えました
なにごともなかったように大股で無数の線路を
私は疲れもせずに
横切って横切って横切って
ひとかけらだけ残ったあなたの骸が
頭蓋の片隅でカラカラと鳴っているのを
気に留めることもなく
死ぬまで横切って行きます
私の中から消えていったあなたと
死ぬまで一緒に

 詩集「チランジア」収載
ユリイカ2014年10月号今月の作品欄1席、かつユリイカ初掲載作品でした。
その後作り続けてきた詩群がこれをしのげていないのは反省材料です。
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濁の詩パート3

2018-12-01 14:12:03 | オリジナル
共通テーマ「濁」でAが書いた詩を投稿します。

春隣

きれいごとを言わない友達と
ランチをして語り合いましょう
すれ違う意識が吸い込まれる濁った天井を
苦笑いで見上げてみたい

蛹に付く私の泥が
少しだけ薄れるように祈ります
長く続く痛みが乱反射する濁った心の空を
眠そうに見上げていたい

いとしい切れ端
集めては捨てる

不透明を見上げたい
くっきり澄んだ空気より
ひくくてあたたかい
やわらかくてしっとりな


濁・冬・疑うの詩の提出締切は今月4日です。
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