湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

失うの詩パート3

2016-11-02 00:00:00 | オリジナル
共通テーマ「失う」でAが書いた詩を投稿します。

何もない首

いつの間にか首から外れてなくなった
ネックレスのことを
雨の日に思い出している
 
契る気もなくイエスと言い
口にしたからには
誰にしたかわからない約束を守ろうと
君の「病める時」に付き添った
――なぜ看病してくれるの?――
与えられることなく育った君の
怪訝な顔は白く冷たく
栄養を摂らせねばと焦ったが
君に浸透する成分はどこにもなくて

どこにもないものを欲しがる捨て子たち
「死がふたりを分かつ時」まで
共にいようとしたら
殺し合うしかなかっただろう
コメント
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