湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

寄る辺なさ

2016-11-07 00:00:15 | 


10月24日の合評会で下記の詩について話し合った内容を投稿します。作者は都合により欠席だったので評者コメントのみになりす。
時間

夕べ、夏と秋の風が半分ずつだった
窓を開けはなし目をつぶった
今夜は、秋のにおいがする。

少し冷えた空気
顎をもたげ吸い込めばあの頃の私に会える。

古い家に縛られて家族に埋もれて
それでも心地よく、よく眠った。

冷たい床に横たわりあの頃をむさぼる。

戻る所も、もうないけれど
あの頃の感覚を忘れない

泡のような出来事や苦い思いが繰り返し
言い訳ばかりの朝が来る。


1連目がユニークでいいわね。でも2行目は余計かも。
詩的に書いているけれど前半少しもたついているのが惜しいです。
「あの頃の感覚を忘れない」というフレーズも不要。どんな感覚を忘れないのか具体的に書いてほしかったです。
最後まで前に進もうとしないところが、この詩のムードを作っていますね。
句点があったりなかったりするのはどうしてかな?
不安定さ、寄る辺なさを表しているような気がします。
コメント
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