山形県の山寺・立石寺。
芭蕉の奥の細道に次のように書かれています。
慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。・・・
日いまだ暮れず。麓の坊に宿借り置きて、山上の堂に登る。
岩に巌を重ねて山とし、松栢年旧り、土石老いて苔滑らかに、
岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。
岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、
佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
名文ですね、声に出して読むとまた味わいが深くなります。
先日、また行ってきました。今回は蝉が鳴いていました。
石段を登っていくと、ある時は右から、左から。
また前から後ろから。上からも、下からも。
途中にせみ塚。芭蕉が山寺を訪ねてから半世紀後、
俳人壷中(こちゅう)らが、建てたものだそうです。
写真は杉木立の途中から見上げた崖。この上に五大堂。
今回も仁王門までしか登れませんでしたが、
蝉の声が聞こえ、満足でした。
今回は、このあと芭蕉の足跡を訪ねて出羽三山へ。