575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ネコの初盆   鳥野

2010年08月17日 | Weblog
夏の年中行事の一つ、お盆も果てました。

例年のように伝えられる道路の大渋滞、田舎の体験を生き生きと話す子供達。
大方は他人事で済ませてきた盆が、今年は少々違いました。

帰って来る新精霊が2つ。昨年末と年明けに逝ったネコたちです。
相手がネコでは、精進料理の支度もいらず、夜目の利く彼らには、迎え火も不要。
22年間の山ほどの出来事を想い出しておれば、それが追悼です。

今年は夏の早い頃から、やたらに狗尾草(エノコログサ)が眼につきました。

若いうちは緑いろ、やがて薄茶、ふっくらと優しい穂状花序が犬の尾に似てるので
イヌコロ草。振ればネコが喜んで遊ぶのでネコジャラシとも。
正確にいえば、狗尾草とネコジャラシは別種と聞きましたが、とにかくウチの子は
いくつになっても、よくジャレてくれました。

 孕むことなきまま逝きし茶の猫が産みしか狗尾なだりに揺れる

                        鳥野


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8月句会の投句があつまりました。   遅足

2010年08月16日 | Weblog
残暑というには暑すぎます。
みなさん熱中症には充分、ご注意を!
残暑にふさわしい熱い句が集まりました。

   

題詠「残暑

①馴れぬ子の一日をぐずる残暑かな
②胃のなかを機械が通る残暑かな
③水撒けば残暑の夕日ゆらめきて
④昇降機満員通過秋暑し
⑤秋暑し腕の皺見る昼寝かな
⑥黙祷のサイレンの音秋暑し
⑦秋暑し戦争知らぬ者ばかり
⑧日暦のめくられずあり秋暑し
⑨蝉の声主(ぬし)入れ替わる残暑かな
⑩ペディキュアの剥がれたるまま秋暑し
⑪虫食いの痕まだ痒き残暑かな
⑫秋暑し両手ふさがる駅ホーム
⑬免罪は一分で済む残暑かな

   
 

自由題
 
①草いきれ動くものなし知覧の地
②新涼を探し求めて空を見る
③夜濯や今日の活力使い切り
④鳴きつくし身を捧げおり夏の果て
⑤つくばいに三日の蝉の仰向(あおむ)きて
⑥郭公は森の緑を冥くせり
⑦酒飲みが一人居るだけ今年酒
⑧渋団扇昭和の風の匂いかな
⑨鐘楼に祈る人逝き原爆忌
⑩早々とテント這ひ出す夏休み
⑪少年を月の光に洗いけり
⑫足裏に聴くヒロシマの骨の声
⑬軍服の写真を前に踊りの輪

自由題も8月らしい句が沢山。
さて、句会の風やいかに・・・

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メロンごろん嫁の里から息子運ぶ    朱露

2010年08月16日 | Weblog


       マスクメロンが三つ入った箱がある。
       漁師町育ちなので食べたことがない。
       女房は東京の人ごみ育ちなので同じ。
       ほかの嫁たちにやれば大喜びだろう。

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乗鞍 畳平 ハイキング  草女

2010年08月16日 | Weblog
 クラブツーリズムの募集に森の仲間と参加したのは、8月5日。畳平の気温16度、
曇ったり晴れたり、霧に覆われたりした。昨年までは7月中旬に参加していた。僅か
2週間のことでここまで草が違うのかというのが第一印象。スカイラインの途中に
は、憧れのソバナが咲き乱れ「お願いバス止めて!」と言えたらどんなにいいかしら
と思つつ、畳平に近づくと道の脇にイワギキョウ、ウサギギク、コウメバチソウなど高
山植物が群生している。食事をする間も惜しんで観察にはいる。7時20分に名古屋
駅を出て2度のトイレ休憩をとり、到着したのが11時50分。畳平を14時45分に
出る約束である。それでも添乗員は道路事情がよく畳平に長くいることができたとい
う。

 お花畑周辺の砂礫地には、ヨツバシオガマ、コマクサが美しくさいている。こんな
に多く咲いているイワギキョウやウサギギクを見たのは初めてである。雪渓が解けた
ばかりだろうことろでは、チングルマの花があり、もっと前に雪が解けたであろう処に
はチングルマが実を付けて長い毛を車状の巻いている。ここでは春と夏が同居してい
る。

 この実を稚児の車に見立てたのが名前の由来ななった。バラ科チングルマ属の高山
植物で、落葉矮性低木。直径5mmの幹になるのに25年もかかるという。花も実も
かわいいこの植物は私達には想像もできない生活をしている。

 畳平は素晴らしかったが、このツアーはお勧めできない。余りにもバスに乗ってい
る時間が長く、疲れるのだ。
 
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白日傘ふわりと人の声の上   遅足

2010年08月15日 | Weblog
船団・南村ドクターの診断です。

立ち話なのか、或いはシュールな絵なのか。
白い日傘が印象的。
雨傘は、よしっ、開いたというか開き切ったぞ、
という使い方だが、
日傘はなるほど「ふわり」と言う感じだ。

ありがとうございます。
 
最近、男の人も日傘を差すようになって
男日傘元年とか・・・

  ゆっくりと男日傘と曲りゆく




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秋の山麓汚して人が住む   朱露

2010年08月15日 | Weblog

     愛知県東南端多米山麓に住み三十余年。
     今又我が家の前に八軒建ち原っぱ壊滅。
     頼朝が京へ上る頃赤岩寺しかなかった。
     頼朝は好きな男ではないけど懐かしい。

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雪舟は多くのこらず秋蛍    田中裕明

2010年08月14日 | Weblog
小澤實さんの解説では、
「当時、中国にも雪舟ほどの画家はいないと
豪語した天才の絵も、ほとんど残っていない。
室町の絵は、戦国乱世を経て失われていった。

この句には、雪舟の作品がくぐりぬけてきた時間が、
詠まれている。

雪舟の力強い画風に、秋の蛍、という季語は
少しそぐわないと思ったこともあるが
やはり秋の蛍は動かない。」

作者22歳の時の句!

還暦ちかくなってから始めた俳句。
こんなシャープな句は思いもよらない。
せめて秋の蛍で一句。

  光年の旅の途中を秋蛍   遅足



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夢殿に闇のにおいや夏の月  遅足

2010年08月13日 | Weblog
東西句会に出した句です。
一票も入りませんでした。
一つ一つのことばが強いわりには平凡。
当たり前のことを言っている、という評でした。
たしかに指摘された通りですね。

芭蕉の蛸壺の句が頭のすみにあってつくった句です。
夢殿・闇・夏の月。
いずれもイメージの強い4番バッターばかり。
長嶋さんのように4番打者ばかり集めても優勝できない。
そんな句でした。
反省!

    

では、どうしたら良いのか?
ここから推敲をする。
まず4番バッターを一人減らす。
なにを捨てようか・・・

    

  夢殿に月のかかりて藍の闇   遅足


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秋蝉と犬とタイヤの朝七時    朱露

2010年08月13日 | Weblog

     二十メートル北に県道が走り後は山。
     その山の油蝉共が朝から喚き散らす。
     頭へ来た犬が吠えると暇な犬が真似。
     暇なし人間が県道を突っ走って行く。

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八月や G I 土足で上がり込む     朱露

2010年08月12日 | Weblog

        G I はガバメントイッシュウで米兵。
       所は横須賀二人組は海兵隊マリーン。
       私が自分の足を見せ裸足だと教える。
       命知らずのマリーン共バタバタ帰る。

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お盆   麗

2010年08月12日 | Weblog
お盆でこれから大阪に帰省します。
台風4号の接近で皆さんの予定も狂っているのではないでしょうか?
句会の「秋暑し」は実家で考えることにします。

    帰省して母とお盆の飾り付け    麗
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句会ちかづく    遅足

2010年08月11日 | Weblog
8月句会の宿題は残暑です。
秋暑し、などとも言います。

昨日、今日と雨模様。台風が接近中とのこと。
雨に要注意です。

   

週末からは、また猛暑が戻ってくるという予報。
秋暑しとなりそうです。

   

  自動ドア出れば残暑の吹き溜まり 

皆さんの残暑は?どんな句が集まるか、楽しみです。

 


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早朝のイヤホーン切る秋思かな    朱露

2010年08月11日 | Weblog

       沢地久枝が語るミッドウエー海戦の真実。
       1942年6月6日~7日の日米海軍戦。
       この後本土は米軍機の空襲に晒され敗戦。
       横須賀・真鶴・名古屋・豊橋の私の戦争。

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鬼畜米英って   鳥野

2010年08月10日 | Weblog
 
 ・ 轟沈のあとはことなき月夜かな 真鍋呉夫

最近の紙上でこの句を知り、胸をえぐられる想いでした。

轟沈とは攻撃を受けた戦艦が1分以内に沈没すること。
痛手を負った乗組員は運よく海に逃れたとしても、阿鼻叫喚の地獄図。
やがて長い時が経てば、静寂にもどるのです。

わたしが轟沈という表現を知ったのは、太平洋戦争末期、レイテ沖海戦で、空母プリンストンが沈んだ時。
日本軍は特別攻撃隊を投入していました。

徹底した軍国教育を受けた愛国少女は、大々的な戦勝報道に感激していたものです。

玉砕、特攻、若鷲、神州、皇民、忠勇・・・得手勝手な山ほどの造語。今や死語になって幸いです。


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のっぽ飛行兵          脇本星浪

2010年08月09日 | Weblog
★むかし俳句雑誌を読んでいて星浪氏の次のような一文に出会いました。八月が来るとこの話しを思い出し皆に伝えたくなります。 (愚足)

******************

 国民学校の児童だった頃奉仕作業というのがあって、飛行場に良く出かけた。
 その縁で、あにきみたいな特攻飛行兵と知り合いになった。          そののっぽの飛行兵は四国出身であると言った。私たち児童を案内して、自分の愛機のもとへ連れて行った。そしてその戦闘機を指しながら、「これがなあ、母さんと乗る戦闘機」とつぶやいたのだ、俳句などまったく知らなかったのだが、なんとなくリズムがいいなとほれこんだ言葉であった。
 特攻機は一人しか搭乗席など無かったのだが、どこかに母さんの写真でも貼っていたのだろうか。
 私は五・七・五のリズムをもつ、無名兵士の独り言を、一句として記念に残したいと思う。

 これがなあ母さんと乗る戦闘機  のっぽ飛行兵
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