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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

少年の夏を貫く銛一本   朱露

2019年08月13日 | Weblog

昭和十九年八月、空襲候補地の国民学校は集団疎開した。
四年生の私は一年の弟と、父の故郷の神奈川県真鶴町へ縁故疎開した。
一年後の八月十五日に戦争が終わって、間もなくアメリカ海兵隊が
カービン銃を構えて上陸してくることになる。

その二回の夏、毎日潜っていた真鶴の海。
埋め立て地横須賀の何もない海底と、伊豆半島の太古の海底の
あまりの違いに、体が震えた。
切り立った岩棚。海草の森。おびただしい貝類と魚たち。
手作りの銛で、岩陰に寝ている魚を刺す。手に激しい痙攣が伝わる。

私は大人の手前まで来ていた。
 
               

本箱に、草柳さんの句文集・埋め立て地を見つけました。
これもなにかの縁。ブログに掲載させていただきます。(遅足)

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句を貫くがごとし。 (殿)
2019-08-14 06:39:29
「立ち止まる 影打ち水に 貫かれ」
朱露氏が主宰されていた会メンバーの句。若い彼女はいつもダイナミックな動詞が得意。動詞が句を貫くがごとし。
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