575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

満開の桜の下での囀り句会   麗

2018年03月29日 | Weblog
昨日は3月というのに名古屋では夏日を記録しました。
栄周辺の桜も満開。7名の参加でしたが、にぎやかに囀りました。
安藤さま、おいしいマカロン、ご馳走さまでした。

では一言講評です

題詠「囀り」
①囀りや野辺の地蔵のおつむから

「おつむ」という言葉がほほえましいですね。のどかな野辺の風景が目に浮かびます。お地蔵さんは一つでしょうか?それとも5体くらい?色々想像できます。

②校庭の大樹揺らして囀れり

校庭の大樹のにぎやかな囀り。作者は戦後、地域に開かれていた校庭に入り大きな木を見たそうです。73年前の記憶を呼び起こして作られました。

③囀りの聞けぬ地球にならぬやう

現代社会に警鐘を鳴らす一句。囀りの隙間に潜む危機感を詠まれました。本当にそうですね。

④転生と定めたる樹や囀れり

「てんしょう」か「てんせい」か?そしてこの転生は我が身のことか、それとも生まれかわったら鳥になってこの樹木のもとで囀りたいか?命のめぐりを考えさせられる一句。

⑤さえずりや透ける命をふと思う

こちらも自分の命の行く末をふと考える一瞬。思索的になります。「透ける命」がはかないですね。


⑥吾が影に囀りの止むガラス越し

実景。静寂な一瞬。「囀り」が止まる一瞬をわかりやすい言葉で表現されました。


⑦さえずりや母なき庭に寄り添いて

入院中の母。庭を愛した母の留守を鳥がさえずって慰めてくれます。「母なき」が亡くなったと思わせるので「留守」などの表現が良いというアドバイスをいただきました。

⑧陽は跳ねて囀り木々にこそばゆし

擬人化の成功例。確かに木々もたくさんの小鳥が留まってさえずられたらこそばゆいことでしょう。


⑨赤や黄の子らの囀り春光る

かわいい子供達の囀りは比喩なので「春光る」という季語があっても季重なりにはなりません。

⑩囀りや山の深さと高さ知る

実際に山に入ってみると案外高いところまで囀りは聞こえるそうです。反響もして改めて山の深さ、高さを実感されました。


⑪囀りの不得手なオスや我に似て

鳥の囀りは求愛行動。不得手とおっしゃいますが。。。そんなことないと思います!
作者はもちろん男性です。

⑫囀りや袂袴の踊る街

たもと、はかまが卒業シーズンを表現。こちらの囀りは女子大生の比喩でしょうか?「踊る」は秋の季語なので「躍る」にすればという声もありました。

⑬囀りや頭上に烏睥睨す

あまり好まれない烏。近くで見ると本当にえらそうで見下されている感じがします。「睥睨」という言葉遣いが新鮮でした。

⑭さえずりの姿を見れば興も醒め

声はいいのに意外と地味な鳥の姿。電話で声だけ聞いていると会ってびっくり!!ということも??


いかがでしたでしょうか?
鳥たちの囀りに負けない575の会の囀り。またのぞいてくださいね。来月は「晩春」です。
この陽気ではもう夏かもしれませんね。ではごきげんよう。麗子

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