
習作のため諸氏の句を詠み研鑽しています。
母夜勤 姉のあたたむ おでん鍋
「おでん鍋 夜勤の母に 届けたし」
頼もしき 大鍋おでん 共稼ぎ
「共稼ぎ 輪となり囲む おでん鍋」
まず玉子 おでん食べる子 父に似て
「父に似て 箸出す卵 おでん鍋」
婿殿(ムコドノ)と偶(タマ)に地(ジ)具のみそおでん
「江戸っ子は 関東煮といふ 婿きたり」
くたくたの おでん大根 我のごと
「我のごと 煮しめ大根 角丸く」
大根の しみゆく時間 冬時間
「大根煮 溶けゆくごとき 人の生<しょう>」
三時より ことことことと 煮るおでん
「暮れ六つに コトコトコトと おでん鍋」
煮大根 すっと切る箸 出汁纏い
「煮大根 突き刺す箸の 旨味かな」
生かされて 生きておでんの 民主主義
「おでん煮て 灰汁<あく>あふれ満つ デモクラシー」
銅鍋に 理路整然と おでん種
「銅鍋に チームとなりて おでん種」
おでん酒 酌み交わす友 遠くなり
「酔鯨の 友の声なく いま何処」
おでんの串 十六本を 数えけり
「おでん串 十二本まで 数えけり」
餅巾着 歯医者よぎって 箸よける
「餅巾着 歯医者よぎりて 箸迷う」
竹輪麩が 好きやと照れる 浪速っ子
「好きやねん 竹輪麩つまむ 浪速っ子」
老いたれば おでんの種も てんでんこ
「年波に おでんの種も てんでんこ」
ちなみに、自由題の「玉手箱 舞い降りて 冬銀河かな」
小惑星探査機<はやぶさ>の意とわからず選外としました。
「はやぶさや 星屑あふれ 冬銀河」
注釈、はやぶさが持ち帰れなかった星屑。あふれた冬の銀河
がまたたきます。
写真と文<殿>
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