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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

菜の花や凶器に似たる昼の月   亜子

2017年03月25日 | Weblog
頭から読んでいくと、一面の菜の花畑。のどかな風景です。
そこへ、凶器という禍々しいコトバ。その正体は真昼の月です。
作者は尖った月を凶器のようだと感じたのです。
そして再び、上五の菜の花へ戻ると、
黄色一色の菜の花が、どこか狂気を含んでいるように・・・
殺人事件が相次いでいる日本。
どこか狂っているんでは?という不安な気持ちが感じられます。

句会では、ゴッホの黄色の世界も狂気を感じさせるという声。
春は黄色の花が多く、夏になると白が増える。
春には、やはり狂気の要素があるのでは?という声も。
黄一色の菜の花畑には影がないので、明るいのですが、
どこか不安なものを感じてしまいます。

「人をころしてみたかった」と、本当に人を殺した女子大生。
無期懲役の判決が言い渡されました。
有罪でも無罪でも、動機が不可解なだけに不安な気分にさせられます。
そんな現代を映しだした一句でしょうか。
票を集めたのも、多くの日本人が感じている不安なのでしょう・・・

                    遅足
コメント
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