575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

大待宵草            草女

2007年07月17日 | Weblog
 幼い頃のある夏、父母が矢作川の土手からレモンイエローの大振りの草を持ち帰り、月見草だと教えてくれた。土手にはその草の大群落があった。
 今思えばそれはオオマツヨイグサだろう。アカバナ科マツヨイグサ属の植物。
 竹下夢路が「待てど暮らせど来ぬ人を宵待ち草のやるせなさ」と歌ったことでヨイマチグサになったとも、太宰治が「富士には月見草が好く似合う」と書いたことでツキミソウになったとも言われている。
 実際には稀であるがツキミソウという花弁が白い植物は存在しヨイマチグサという植物は存在しない。
 太宰の月見草はマツヨイグサかオオマツヨイグサであるというのが定説。
 現在この二種類の花を見ることはなかなか難しく、この世を謳歌しているのは、メマツヨイグサかアレチマツヨイグサである。
 もともと日本にはマツヨイグサ属の自生はなく、チリ原産で江戸末期に渡来し
たのはマツヨイグサ。その後北アメリカからオオマツヨイグサやメマツヨイグサ等が続々と渡って来た。
 帰化植物は渡来地で大繁殖し長続きするものと、一時的な大繁殖で終わる物とがある。
 オオマツヨイグサやマツヨイグサは後者のようで、現在なかなかお目にかかれない。
 先日飛騨古川の山中の宿に泊まった朝、展望廊下を渡っていて何気なく下の庭を
見下ろして驚いた。早速カメラを持って飛び出した。中庭の池のそばに一本だけオオマツヨイグサが雨の中、半開きの状態で咲いていたのだ。
 きっと庭師も今や希少種になった事を知っていたのだとレンズを向けて、半世紀以上経った再開を喜んだのである。
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選句の難しさ・楽しさ  遅足

2007年07月17日 | Weblog
選句。
これが意外に難しいのに気づいたのは
俳句をはじめてしばらく経ったころです。

自分の句が一番よい句に見えるのです。
また、どうしても、好き嫌いで選句してしまいます。

現在、心がけているのは2点。

ポイント① 書かれた通りに読む。
案外、早とちりして解釈してしまうことが、あります。
「?」と思う句は、きちんと読むように心がけています。

ポイント② それから鑑賞。ここは自由に。
俳句は17文字。
情報量が少ないから読み手の人生経験などによって
幾通りもの鑑賞が出来ます。
いろいろに楽しんで鑑賞します。

句会では、他の人の鑑賞を聴くのも楽しみです。
自分とは違った読み方があることを教えてもらっています。








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