575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

驟雨来て波立つ草野水千鳥      草女

2007年07月24日 | Weblog
 先日稲武町にダウンバースト(突風)が襲った時、植物仲間と近くの面の木と峠にいた。初めは小雨で植物探訪には支障はなかった。ところが、正午前辺りがみるみる暗くなり雷が遠くで鳴っているなと思っていると、傘も合羽も通すのではと思われる程の強い雨に変わり、続いて突然騒めいて強風。
 
 面の木峠は幾度も通り過ぎていたが、最近仲間からそこがどんなに素晴らしいところであるかを教えてもらってから病みつくになり、この日も「ミズチドリ」を見ようと出かけたのである。
 ミズチドリはラン科ツレサギソウ属の仲間で日当たりの良い水湿地に生える多年草。草の高さは50~90cmで、穂状の花序に白色の花を多数つける。
 花をつけた立ち姿の品位は比べようもない。その湿地にはノハナショウブも多く咲いていて、白と青紫色の取り合わせが人々を魅了する。
 また、ミズチドリにはジャコウチドリという別名がある。が、周りに香りを撒き散らすというのではなく、鼻を近づけると芳香がする。それも 奥ゆかしい。
 
 強風の中湿地の草達は波打った。むろんその中にミズチドリもあったことだろう。私は正直身の安全を考えるだけで草達をチラリと見ただけであった。
 でも、私の中には風雨の中ですっくと立つミズチドリがある。

 ラン科には○○チドリという名前の草が約20ほどある。例えば ハクサンチドリやアオチドリなどであり、名の由来は言うまでもなく一つ一つの小花の形が飛んで来る千鳥に似ているからとか、小さくて可愛いからだなどの説がある。
 しかし、「ミズチドリ」については、可愛いという表現は似合わない。
 まことに美しいのである。

※ 面の木峠は153号線稲武から茶臼山ドライブウエイへの途中にあり、湿地は峠の駐車場で車を降りて、下に降るとすぐである。
 
コメント (1)
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