おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

厚顔無恥

2013-08-01 22:00:39 | 格言・ことわざ
 ご本人の弁明その1。「喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的議論のないまま進んでしまった悪(あ)しき例として挙げた」と説明した。どの部分を指して「喧噪にまぎれて」「悪しき例」と言っているのだろうか。
 ご本人の弁明その2。「私がナチスやワイマール憲法にかかわる経緯について極めて否定的にとらえていることは、全体の流れをみていただいたらはっきりしている」と。どの部分を指して「極めて否定的」というのだろうか。
 
 麻生発言の趣旨は靖国参拝の例をあげて(これもひどい主張だが)「護憲・護憲と騒ぐ連中」「マスコミが騒ぎすぎる」ことを批判しつつ、憲法改正も、護憲勢力やマスコミがわーっと騒ぎ立てること(「喧噪」)がなければ、「だれも気がつかないで」変えることができる、それをナチスの手口に学ぼう! と主張し、ナチスのやり方(むしろ、ナチスの手法はあちこちで暴力的な騒ぎを起こし騒然とした中で、思うとおりに事を運ぶ。けっして静かに、整然と権力を奪取したわけではない。反対勢力、特に共産党には徹底した弾圧し、さらに謀略、暴力・弾圧などを駆使したファッショ化には一切触れず)を肯定しているようにしか見えないが。さらに、彼が言う「民主主義」とは「議会制民主主義」などを指しているというよりも、お上の施策に対して一部のマスコミや反対派が自由勝手に騒ぎ立てる権利・制度としか思っていないのではないか。
 発言内容で、赤字に注目。青字部分が今回の弁明の根拠となった内容らしいが。ここだけを取り出して弁明し、居直る姿勢を腹立たしく思う。撤回したからもういいだろうという態度にも・・・。その底には、橋下さんの「従軍慰安婦」発言と同じようにマスコミが「誤解」した情報を流しからとでも言いたいような居直りのしかた。弁明、言い訳はするけど、謝罪なし、ここも、まるで「橋下」流。

 ※橋下さんの発言「ちょっと行きすぎたブラックジョークだったんじゃないでしょうか。ナチスドイツを正当化した発言では決してないと...。国語力あれば、そんなことはすぐにわかりますよ。」
(「ブラックジョーク」ですまされる事柄ではないのにもかかわらず。さらに、国語力のない小生には橋下さんのような読解のしかたはわからなかった。彼にとっては「国語力」とは自分の「国語力」に合わせて都合のいいように解釈することなのだろうが。)

 
 そういえば、自民党の憲法改正案の中に、ヒトラーがとったやり方と同じように、憲法を停止し全権を掌握する条項が入っていた、のではなかったか。

 発言の趣旨(「朝日新聞」より)

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。しつこく言いますけど、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。

 (自民党内での憲法改正議論に言及して)

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 (続いて靖国参拝について言及し)

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。
 憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

※「厚顔無恥」=ずうずうしくて恥知らずなさま。他人の迷惑などかまわずに、自分の都合や思惑だけで行動すること。
▽「厚顔」は厚かましいこと。ずうずうしいさま。面の皮が厚いこと。

 この方の場合には、「厚顔無恥」というよりも、「厚顔無知の方がより適切かもしれぬ。いや、「知らぬ」ふりをしているだけなのかもしれない。たんなる「失言」とは思えない、深謀遠慮があるような気までする。(ヒトラーの)「手口」を学んだ、まさに「確信犯」。

※「確信犯」
1 道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪。思想犯・政治犯・国事犯など。
2 《1から転じて》悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人。
注:2は誤用。

補足
 「確信犯」は,法律に関係する学術用語として,政治的・思想的・宗教的な信念に基づく犯罪行為やその行為者を指して使われ始めたものです。しかし,このような犯罪行為は,その信念の内容に関係なく,一般には「テロリズム」や「テロ」などと呼ばれることが多くなっており,「確信犯」という言葉を当てること自体が少なくなっています。
 一方で,この言葉の「悪いと分かっていながら,犯罪行為をする」という部分だけを捉えて,「犯罪」ではないような事例にまで当てはめる用い方が広がってきています。本来は,揺るぎない政治的・思想的・宗教的信念に基づき,あえて行われる犯罪行為を「確信犯」と呼んだのですが,「信念」というほどではない,何らかの「意図」を達成するために行われる犯罪にも,また,必ずしも「犯罪」にならないような,ちょっとした「悪さ」を指す意味でも,使われるようになってきたようです。
 このように,ふだんから気軽に使われるようになった言葉を,本来の「政治的・思想的・宗教的な信念に基づく犯罪行為及びその行為者」という意味で用いると,かえって違和感を覚える人もいるでしょう。新しい使い方が広がっていくことで,「確信犯」が本来の意味で用いられることは,更に減っていくように思われます。(「文化庁月報」HPより)

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