無意識日記
宇多田光 word:i_
 



恐ろしいな。普通誰かのニューアルバムにアクセスする時には集中力とテンションを上げて向かい合わないとと少々力むもんなんだが、相手がヒカルの場合「寧ろ多少テンションを下げてから向かい合わないと心身共に危険なのでは!?」という心配が浮上してくるんだから。真っ新な新曲が2曲だけで本当によかった。いっぺんに5曲も6曲もあんなクオリティの楽曲と相対してしまったら色々と人として精神が保てなくなって明日のスケジュールに響くもんね。配信ライブと(関東と東海では)ラジオもあるんだもんなぁ。出来るだけ正常な人間として明日一日の24時間を過ごせるように心掛けねば。

まぁ、それでもやっぱり、いきなりフルコーラスの『BADモード』で狂喜乱舞する自分の姿しか思い描けてないのですがね今は…。


こういうときは通常更新にしよう。平常心、平常心。


今回のアルバム『BADモード』で最も古い収録曲は3年前の今日、2019年1月18日にリリースされた『Face My Fears』である。恐怖から始まって絶不調というタイトルを冠するアルバムが完成した、というとどんなに不吉で不運な作品かとなりそうだが、今まででいちばん前向きな作風になりそうなのだからわからないものだ。まぁ、『Face』が「面と向き合う」だからね。眼前の恐怖と敢えて向き合う強さから始まった物語なのだこれは。

今回のアルバムで要となるのはやはりタイトルトラックの『BADモード』なのだろうが、その嚆矢となった『Face My Fears』もまたアルバムのムードを(気分を?)決定づける重要な楽曲だ。何しろこの曲だけで14曲中3曲を占めるのだから。日本語バージョン、英語バージョン、そして未知なるA.G.クックによるリミックスバージョンだ。

意地悪な見方をすれば、スクリレックスと作り上げたサウンドが余りにも当時のシーンにそぐうものだった為、その揺り戻しでリミックスを収録しようということになったとも考えられる。更にもうひとつ意地悪な見方をすれば、当時ミックスを英語圏民に任せてしまった為怪しい日本語が残ってしまった後悔もあったかもしれない。「あるきとに」。

昨今の音楽シーンの動きはとても激しい。3年前はフレッシュだったビリー・アイリッシュのサウンドが今や彼女の真似をすれば保守的と言われる始末。スクリレックスが当時作り上げたサウンドも、日本では然程気にされないかもしれないが、こうやって海外でもアルバムをリリースするヒカルからすれば既にアウト・オブ・デイトな匂いが漂い始めているのかもしれない。

「アルバム」というからには、「その頃の自分」をそこに封じ込めるという意味で、セピア色がかってくるのは寧ろ歓迎すべきことですらあるのだが、それはそれとして、今の感覚との違いを示すのもまた必要なのではあるまいか。従って今回は、スクリレックスとのバージョンもきっちり収録した上でA.G.クックのリミックスもフィーチャーしたのだろう。決して過去を否定するのではなく、同じ曲だからこそこの3年間がどんなものだったのかをその違いを通じて感じ取ることが出来るようになっているのではないかと推測する。

果たしてその推測は当たっているやらどうなのやら。もうあと3時間程でそれもわかる。いや、73分もあるからわかるのは4時間以上後か。寝て起きてからかもしれんし、そこらへんはあたしもわからん。それはもう、本能に従おう。極端に言えば、明日聴く必要もない。ラジオもライブも、順々に自分の時間で接していけばいいのだ(ライブは4日間だしラジオのタイムフリーも1週間だけどね)。大事なのは、少なくともその時点まで健康に辿り着く事だ。どれだけ直前になっても油断しないぞ。今日一日ホントそわそわしっぱなしで過ごしてきたからな! 耳掃除してもふもふ待機だ!(謎)


ふぅ、それではまた明日会いましょう。途轍もない明日は、もう目の前だ。

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早い! 『BADモード』、もう今夜!

よっぽど気合い入ってるのだろう、ヒカルが朝から告知ツイートを連投している。まるで普通のミュージシャンみたいに! いやそれでいいんだけど!

…おぉ、更に今年3つ目の絆創膏邂逅投稿がインスタグラムに。同じエントリで新譜と配信チケットの宣伝するだなんてほんとまるで普通の人…っ! ヒカルが普段なれない普通になれるくらいに特別なアルバムなんだろうな。

そして三宅さんまで久々に呟くだなんてなぁ。

@Hikki_Staff : いよいよアルバム発売です。

昨今アルバムの概念が希薄になってしまっている時代ですが、
思い切りアルバムに仕上がっています。

ポップスの王道を歩みつつ、常に新しいチャレンジを怠らない
気宇なヒカルの姿勢にはいつも新鮮な刺激を受け頭が下がる思いです。
おそらく何十年後、今を振り返ると起点になった作品として永遠に
残り続ける気迫と気概を感じるでしょう。
さあ今73分を超える、あっという間を楽しんでください。


嗚呼、名文。『BADモード』の序文としてこの上ないわ。「73分を超えるあっという間」はそのままキャッチコピーとして使えそう。

時代とか王道とかチャレンジとか何十年後とか残り続けるとか、そういうのは他の何かと比較した時の話。聴き終わった三宅さんだから言いたくなるヤツ。僕らはこれから聴くのだから、まず今夜と明日は他の何と較べるでもなく、自分とヒカルの歌だけの空間を、その時の「今」を、心と体と魂で全部受け止めて混じり合って楽しむのが何よりのフォーカス。三宅さんも最初そうやって君に夢中になったから「あっという間」に感じたんだと思うのですよ。聴き終わったら、プロデューサーらしく、今後の邦楽の歴史に於ける重要性を噛み締めたんだろうな。こいつは凄いことになる、と。

何より今朝はヒカル本人がこんな風に。

@utadahikaru : And I can’t wait for this song to be released in full… (as well as the other new songs in the album!) I love how this video turned out posted at 06:58:11

『BADモード』がフルコーラスでリリースされるのが待ち切れない、完成したビデオが大好きなんだと! どんだけ自信と愛着があるのかと。ここまでストレートに『好き』を言うだなんてまさに『誰にも言わない』の『回り道には色気がないじゃん』の有言実行よな。いや勿論他の曲もね、って書いてるけど、これを言えるようにさせたのはやっぱりタイトルトラックなのだろう。アルバムタイトルにするというのはそれだけ大きなことなのだった。



本日は、いや本日も、高まりすぎて転けたり飛び出したり鳥の糞に降られたりしないように、いつも以上に安全第一命あっての物種だねモードで過ごしたいと思います。地震対策や停電対策とかもしとこー。まぁスマホとモバイルバッテリー充電しときゃいいんだが。あと15時間ちょいですよ私たち。

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