不作のサトイモ。一株にこれだけしか子イモがついていない。最悪だった
今年のサトイモは不作だった。最悪だった。がっかりした。
「今年はだめだな」。あきらめは7月8月の猛暑時期からすでにできていた。しかしだ、それでも一縷の望みがあった。掘り出してみなければわかないというかすかな期待だが、ためしに一株を掘り出してみた。「やっぱりだめだ」
子イモの数が極端に少ない。それに憎たらしいほど小さい。こんな不作はサトイモを作ってからはじめてのこと。この地域のサトイモは全滅状態で、もちろんわが菜園の周囲もすべてだめだ。とにかく驚くほど収穫量は少ない。
原因は掘り出す前からわかっていた。7月8月の猛暑と少雨である。5月6月の初期の生育は順調だった。ところが子イモを増やし、太らせる時期の7月から8月にかけてまったく雨が降らない。サトイモは高温多湿が好きだからこれではたまったものではない。いつもの年なら背丈ほどの茎と大きな葉を広げて猛々しいほどの成長を見せるのだが、生育がばたっと止まり、葉が枯れて地上からほとんど消えてしまった。雨が降らないことには手の打ちようもない。だれもがこの時点で、今年のサトイモはだめだとあきらめた。
ところが9月に入って雨が降り出すと入ると、生気を取り戻して葉を茂らしてきた。いまになっては手遅れだ。しかし待てよ、とあきらめきれない気持ちが残っていた。そんな甘い期待は掘り出してみて、こっぱみじんに砕かれた。
サトイモは好きだ。それだけ育てるのに力が入るし、手間をかける。芽がそろうまでは真剣に取り組む。それに今年は種イモに親イモを使い、例年以上にその結果を楽しみにしていたのに…。
すぐにかみさんが煮っ転がしを作ってくれた。食感も最悪だった。ゴリゴリ感、ガリガリ感があってまずかった。出来が最悪で、食感も最悪。うーん、困った。家庭菜園だからあきらめもつくが、農家はきっと困るだろうな。
来年の種イモを選ぶのにも苦労した。できるだけ大きいものを選んで、すぐに穴を深く掘って埋めた。来年は新しい種イモを買うことになるかもしれない。