変速機 基本調整

整備を進めているシクロバイク　前回はリアエンドのディレーラーハンガーの
平行度を点検しました　今回は前後の変速機の調整を行いましょう




この辺りの整備はまだメンテスタンドの上でも
良いでしょう






変速機の調整時　何度もクランクを回しますが
クランクに何も付けずに手で回すのは　大変危険です

2～3 年前に Park Tool パークツールからこの様な
便利な工具が発売されました DP-1 ダミーペダルです






これは商品名の通り　ペダルの代用品　クランクに
差し込んで使いますが　本物のペダルより使い易い
かも解りません　お値段が 1500円強なので　一つ
用意されておけば良いのじゃないかな




じゃ始めましょう　まずはリアディレーラーから
リアはシマノ 105 が使われています 9速なので
RD-5500 系だと思います

インナーワイヤー取り付けネジを緩め　変速機を
自由にさせてやります






変速機のガイドプーリー（2つ有るプーリーの上側です）を
リアスプロケットのトップギアの　外面（ソトヅラ）の下に
持って来ます

これの移動、調整は　変速機後部のアジャスタボルトの
上側 H と表示されたボルトで行います




この時　シフトレバーはトップの位置にしておきます






トップ側の調整が出来たら　インナーワイヤーの
遊びが無い様　変速機に固定します　ここでは
ワイヤーが抜けない程度の締め付けで良いしょう

ワイヤーの取り付け方法は　この変速機 シマノ
105 の場合この様に止めるのが正解です　これを
間違うと変速性能に　微妙に影響する事が有ります






シフトレバーを操作し　変速機をローギアに移動させます
この時　ガイドプーリーはローギアの真下に調整　これは
変速機後部のアジャストネジ下側 L と表記されたネジで
行います




この後あらゆるシフトを繰り返し　スムーズに変速が
出来たなら　シフトワイヤーを本締めします






フロントディレーラーに移ります
ワイヤーを緩め　ディレーラーを自由にしてやります
この変速機はシマノ TIAGRA ティアグラ FD-4503 だと
思います




変速機の位置調整　この自転車は完成車で販売されているので
しっかり調整されていなければおかしいのですが　再調整が
必要でした　

変速機の上下位置は　アウタープレートがアウターギアの
上に来た時　プレートと歯先の距離を 1～3 ミリにします
これはやや下げてやりましょう




アウタープレートとアウターギアを平行にします
これは　もう少しトウ アウトにしてやった方が
良いですね






フロント ディレーラーの位置調整は　シートパイプの
この取り付けネジで行ないます




変速機の位置調整が終われば　シフトレバーを操作し
ノーマルポジション　この場合はインナーの位置にします

シフトワイヤーを遊びの無い程度に仮止めします




インナー側の位置調整から行います　自転車のギアは
インナー×ローにセットします






フロントギアと変速機を上から覗きます
このインナー×ローの状態で　変速機のガイドプレートの
内側とチェーンの隙間を 0.5 ミリ程に調整します






この位置調整は変速機のアジャストボルト　下側の
ロー側調節ネジで行います




ここでもう一度　シフトワイヤーが遊びの無い状態に
ワイヤーを張り直します




アウター側の位置調整の為に　ギアをアウター×トップに
掛けます






ギアと変速機を上から覗き　ガイドプレートの外側と
チェーンの隙間を 0.5 ミリ程度に調整　この写真なら
もう少し　インナー側へ移動すれば良いですね

この調整はアジャストボルト上側の　トップ側調整ネジで
行います




調整後です　プレートとチェーンの隙間が 0.5 ミリ程です




これで色々とシフトを繰り返し　スムーズに変速が出来たら
調整は完了です　シフトワイヤーを本締めしましょう





明るく気持の強そうな芽ですね　力がみなぎっています

STI レバーの内部にも新しいオイルを適量スプレーしたり　チェーンやスプロケットも
良い状態での調整ですので　かなり柔らかい良い手応えで変速をする様になりました
ここまで来たら　フロントホイールを装着し仕上げの段階に進みます

前回の作業　【 リアエンド　ディレーラーハンガー点検 】

次の作業　【 シクロクロス車　小物の取り付け 】