MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.019 「アサルト13 要塞警察」 (2005年 米 110分 シネスコ)

2006-02-26 01:05:35 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジャン=フランソワ・リシェ
出演 イーサン・ホーク
    ローレンス・フィシュバーン
    ガブリエル・バーン



最近は何でもかんでもリメイク、リメイクと旧作のリメイク作がやたら目に付きますが、この作品もジョン・カーペンター監督の「要塞警察」のリメイク作。
カーペンター自身は「要塞警察」を「ゴースト・オブ・マーズ」で舞台を火星に置き換えセルフリメイクしてましたな。

しかしフランス人監督が撮ったこのリメイク版はまたこれが結構面白い出来上がりで良いのです。
旧作はたいしたスターも出てないけど今回は中々のメンツが顔を揃えており、またその全てのキャスティングがハズしてないのがいい!
特に何といっても暗黒街の大物ビショップを演じるローレンス・フィシュバーンの殺気みなぎる威圧的存在感は凄いですね。
とにかく黙って座ってるだけで怖い!監獄で一緒の部屋には入りたくない男No.1

そしてイーサン・ホークが演じる警察官ジェイクは麻薬の囮捜査で同僚を死なせてしまいそのショックで抜け殻状態で情緒不安定・・・そんな危なさそうな雰囲気をイーサン・ホークが実にうまく演じています。
この2人でこの作品は成功したものと言っていいかも知れないですね。
後、久々のブライアン・デネヒーのやっぱり・・・感もいいし、ジョン・レグイザモの狡いチンピラもピッタリハマってます。
悪徳刑事のガブリエル・バーンも冷酷なムードを漂わせていいですね(でもこの人はこう言う映画の悪役よりもっと大きな役柄が合いそうな気がするんだが・・・こんな役が多いね)

大雪が降る大晦日の夜に閉鎖目前を控えた13分署に引越しなどで警官はほとんど居なく、そこに大雪の影響で犯罪者を乗せた護送バスが一時的に非難してくる
その中に暗黒街の大物も含まれており、その大物は警察と裏でつながってる為に彼を消し不正を隠蔽するため悪徳警官たちが武装して13分署を襲う・・・この辺の展開が実に自然な流れとして描かれていき中盤からの息もつかせぬ銃劇戦へとなだれ込んで行きます。
旧作はストリートギャングたちが相手でそのゲリラ的な攻撃が恐怖感とスリルを出してましたが、今回は武装した警官=特殊部隊てこともあり、閃光手榴弾や高性能な銃で攻めてくる事もあり一段とアクションが派手になっています。
それに対抗する13分署の警官も限られた武器で老朽化した建物の中で犯罪者たちと手を組み入り口や窓を机などでバリケードをし対抗する。
隙あらば突入してくる悪徳武装警官とそれを阻止せんと接近戦で応戦する13分署の警官&犯罪者・・・警察署を要塞に見立てた至近距離の攻めぎ合いはまさに現代の西部劇!

また共闘する警官と犯罪者もいつ裏切るかも判らないと言う疑心暗鬼の中で戦うてとこもいい感じでよいですね。
犯罪者に銃を持たしてる両刃の剣的な緊張感もこの非常事態のさなか感じ取れます
イーサン・ホークとローレンス・フィシュバーンの共闘しながらも何時かは対峙しなければならないと言う二人の中でみなぎる隠れた敵対心も外敵との対決と平行して感じられ実に面白いです。

プロVSプロあるいはプロVS犯罪者の知能戦はさすが「交渉人」の脚本家ジェームス・デモナコだけあって見るものを引き付けます。
B級映画の雰囲気を損なわず派手に仕上げた新世紀版要塞警察!オモロイわこれ・・・



★★★★★ 2006.2.23(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ3 19:30 中央座席



No.018 「ナイト・オブ・ザ・スカイ」 (2005年 仏 100分 シネスコ)

2006-02-25 01:36:40 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジェラ-ル・ピレス
出演 ブノワ・マジメル
    クロヴィス・コルニアック
    アリス・タグリオーニ



「TAXi」のジェラール・ピレス監督が撮ったフランス版トップガンと言った感じの作品でフランス空軍が全面協力したそうで、こう言う作品にはリアリティを出す意味でもやはり軍関係の協力が不可欠ですね。
そしてこの作品はあまりCGに頼らずリアルな空中シーンを撮るために特殊カメラを使いリアルな実機による迫力ある映像が見所ですね。
たしかに昨今のCG技術の向上により[驚異の未体験映像]がスクリーンで見れるようになったのはいいけど、逆にあまりにも現実と掛け離れすぎて不自然に感じたりまるで漫画の世界見たいになってるのはいかがなものか?と思っておりました。
昨年公開されたアメリカ映画「ステルス」なんか特にそう思いましたね。
ステルスの内部にまでカメラが入り内部のメカニズムまで見せてくれるのはいいけど、やはりそこまで行くと逆にリアリティが感じられなくなりますね。

でもこの映画はそんな余計な描写もなくミラージュ2000の実機による生のドックファイトがリアルな迫力を出し、実機ならではの質感や動きはCGではとうてい適わない迫力がありました。
パリ市街の上空のシーンも本当に飛ばして撮影してるてのも凄いね~
実際役者もコックピットに入って撮影してるそうだが、ハリウッドへの対抗意識?かして結構リアリティにこだわった作品ですね。

でもストーリーがいけません・・・こういう手合いの作品はハリウッドの得意とする所ですが、イマイチ話に乗って行けませんでした。
せっかく映像は迫力あるんですが、クライマックスなんて「あれ、もう終わり?」て感じで呆気ないこと・・・
中東でテロリストと派手にやり合い、その時元カノである女性パイロットがテロリストに拉致されてしまって・・・「えらいこっちゃがな!」と思ってたら次のカットで主人公らが制服に身を包み国内で皆とパーティ?と思わしき場所で乾杯してる場面に切り替わる・・・おいおい、そんな事してる場合じゃなかろうが!助けに行けよ~
一応乾杯の音頭の言葉の中に「かならず助けるぞ・・・」見たいな事言ってたが、不自然やね~ 拉致されたままほっといて帰ってくるなよ~と思ってしまいました。

「TAXi」の時も思ったけどこう言う派手なアクション映画はアメリカ映画がやはり一歩長けてますね(アメリカ映画を賛美してる分けではないですが)
「TAXi」シリーズもアメリカ版リメイクの「TAXi IN NY」のほうが面白かったしね・・・



★★★ 2006.2.23(木) 千日前セントラル 16:40 E-13

No.017 「ファイナル・カット」 (2004年 カナダ=ドイツ 94分 シネスコ)

2006-02-20 00:14:50 | 2006年劇場鑑賞
監督 オマー・ナイーム
出演 ロビン・ウィリアムズ
    ミラ・ソルヴィノ
    ジム・カヴィーゼル



最近はコメディでなくこう言ったサスペンスが増えてきたロビン・ウィリアムズの出演の近未来サスペンス作。
「ストーカー」の時もそうだったけど、割りとこんな映画合いますね~ この人・・・
大人しい一見控えめな中年男は「ストーカー」と似てる部分がありますが、明るいコメディ映画で見せる彼の姿とは対称的に違ったもう一つの一面を見せてくれてます。

マイナーな映画ですが、人生の記憶を記録する(録画と言った方が判りやすいか)と言うアイディアはなかなか面白いと思いましたね。
生きてきて目で見て来たものが頭の中のチップに記憶され、死後再生されて見れてしまうと言うのは実際こんな時代がいつか来ても不思議ではないですね。
でも、今までの記憶が再生出来たら・・・見たいかな~?
と言うより他人には見られたくないですな~ 生まれた瞬間から死ぬ時までを記憶されたるんだから、それゃ疾しい事もありますで・・・
でも、死者に対していい思い出だけを残してあげよう・・・と言う仕事がロビン・ウィリアムズ演ずる記憶の編集者。
彼は人生の記憶をまるで映画のフィルムのように特殊なモニターで見て都合の悪い場面はカットしていき良い部分だけを残して編集していく。
生前はどんな人物だったかを遺族から取材し、または遺族の希望に沿ったように作っていく場面は興味深かったですよ。
まさに彼の手にかかれば極悪人でさえ良い人生を送ったように思われてしまいます。
ある意味これは恐ろしいことですね。
それを記憶の追悼集会で上映し、故人を偲ぶという発想もなかなか面白い。

そんな彼もあるトラウマを抱えており、それが皮肉にも自らの仕事に関わることで絡んでくるのも良く出来ておりました。
死後とは云え記憶が他人に操作される恐怖と故人を偲ぶには持ってこいな題材となる記憶の上映会・・・時代の移り変わりとテクノロジーの発達が生んだ新商法ですな。
その記憶のチップを巡りジム・ガヴィーゼルとロビン・ウィリアムズが攻防戦を繰り広げる近未来スリラーといったとこです

久々にミラ・ソルヴィーノが出ておりましたが、ここ数年割りとB級映画でよく見かけてたけど最近はめっきり見なくなってて忘れられた存在でしたね。
でも久々に見たら・・・年食ってました。



★★★ 2006.2.17(金) 天六ユウラク座 22:30 中央座席

No.016 「PROMISE」 (2005年 中国 124分 シネスコ)

2006-02-19 01:07:48 | 2006年劇場鑑賞
監督 チェン・カイコー
出演 真田広之
    チャン・ドンゴン
    セシリア・チェン
    ニコラス・ツェー



チェン・カイコー監督と言えば何と言っても「覇王別姫/さらばわが愛」が頭に浮かびますが、「キリング・ミー・ソフトリー」と言った異色の作品もあったけど、この映画もチャン・イーモウ監督の「HERO」「LOVERS」のようなワイアー&CGを使ったアクションエンターティメントに仕上がっており、彼の作品にしてはもっとも派手な異色作と言っていいかもしれません。

正直、ストーリーはあまり知らずに見たんですがオープニングの猛牛の大群の場面からして「おっこれは普通の人間の話と違うな・・・」と感じました。
神話の世界を思わすようなファンタジックなドラマで、それぞれのPROMISE(約束)された運命の中でもがき翻弄されていく男女たちの物語。

しかし前半は正直、「アホみたいな映画やな~」といった印象で猛牛が大群で暴走してる中、人間を越えたスピードで走るチャン・ドンコンに爆笑!「おいおい、これゃ漫画の世界やぞ」
そんな彼を奴隷にした大将軍光明こと真田広之が流暢な中国語を話してたのはびっくり!
ひょっとして吹き替えかな?と思っていただけに頑張ってますね~
この2人が同じ女性を好きになる訳ですが、負傷した光明にかわり甲冑を着けて囚われた王妃を救った奴隷が王妃の美しさに一目惚れし、また王妃も顔を甲冑で隠した彼を光明と思い込み勘違いしながら愛していく・・・この辺あたりから割かし神話の世界の雰囲気の中の三角関係がファンタジックに描かれていく・・・

王妃を演ずるセシリア・チェンは香港映画などでよく見かける女優さんだが、王妃て言うイメージではないけど監督はそのギャップをあえて利用したキャスティングだったようですね。
入浴シーンでのセミヌード(?)や真田との太股むき出しのベットシーンでのカラミなどお色気場面が結構目についたのは意外でした。

そしてニコラス・ツェーが演じた悪役がこの作品で映えてましたね~
真田もドンゴンもセシリアも良かったけど、私はこのニコラスのクールで水も滴る何と言えない色気を持った悪役が非常に印象に残りました。

印象といえば赤や白、黒といった色彩を強調した映像も印象的でしたね。
「HERO」までも行かないとしてもキャラに合わせたような色彩の使い方はこの神話のようなドラマには似合ってましたね。
それぞれ着ている衣装も独特で(光明の馬まで赤で彩られている)このへんは中国映画の時代物を思わせますね。



★★★★ 2006.2.16(木) 角座2 18:50 E-12

No.015 「美しき野獣」 (2005年 韓国 125分 シネスコ)

2006-02-17 00:43:55 | 2006年劇場鑑賞
監督 キム・ソンス
出演 クォン・サンウ
    ユ・ジテ
    ソン・ビョンホ



日本でも大人気の韓流スター クォン・サンウ主演の最新作で本国韓国でもかなりの注目度のある作品で、超大作扱いなのかな?
クォン・サンウの作品は昨年に見た「マルチェク青春通り」しか見たことないけど、風貌からしてこの作品のような影のあるアウトローな雰囲気が似合いそうだと思っておりました。

型破りな熱血刑事チャンとエリート検事のオ・ジヌが別々の事件を追っていたが、ある事がキッカケで追ってる標的が同じだと知り2人は手を組んで暗黒街の黒幕を追い詰めていく・・・
ハリウッド映画に限らず良くありがちな設定で、クォン・サンウ演ずる熱血刑事がすぐ切れやすく犯人に対して行き過ぎた暴力で立ち向かうのは、これまたありがちなキャラでリーサル・ウェポンのメル・ギブソンなんかそうでしたね。
ただクォン・サンウのあの風貌がどことなく影があって哀愁を帯びた表情は独特の雰囲気を出してるように思いました。

ユ・ジテ扮するオ検事もエリートらしい容姿の中に危険な雰囲気を併せ持つ部分を感じてしまうのは「オールド・ボーイ」を見てるからかな?
この一見タイプが違う2人が手を組んで事件解決に乗り出すんだが、スーツを着たエリート集団の中にラフな野生的な風貌のチャン刑事が混ざって捜査してるのはどうも見た目に違和感あり!
どうせなら水面下で共闘してるような設定の方がドラマとしても面白いように思いますがね~
まぁ、こう言う映画に細かい部分突っ込むのはどうかとは思いますが、見てる間どうも気になってしまいました。
気になりついでに中途半端なズームインをするカメラワークも気になったぞ!

スタントを使わずにアクション場面は自分でこなしたと言うクォン・サンウですが、結構ハードな場面ありましたよ・・・頑張りましたね~ 
ジャッキー張りに飛び蹴りしながら同時に別の相手にパンチしたり刑事らしかぬ?アクロバティックな技も出ておりましたな。


ややネタバレ注意報発令!


















悪い奴らを追い詰めていく2人だが、後半はどうも空しい展開が続きこの先はどう言う風にストーリーが展開していくのか?と思ってたが、正直わりと爽快感のある展開を期待していたんですが、どうも個人的にはフラストレーションがたまりましたね。
悪役がホント悪そうな連中だっただけにスカッとしてほしかったように思いました。
ハリウッド映画ならわかりやすくスンナリと悪を倒して終了・・・て行くんでしょうがね~
せっかく重要な証拠が見つかっても何の役にも立ってない(立ててない?)し、刑事は職務云々より単なる復讐者になってしまうし、検事もまた立場を追われて刑務所送り・・・結局、アウトロー相手にアウトローとして戦いを挑んでいくんだが、ラストの結末がどうあれ、これはどう見ても悪役のボスの勝ちでしたな~(この辺の細部は書きませんが・・・)



★★★ 2006.2.16(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ1 16:10 中央座席

No.014 「単騎、千里を走る。」 (2005年 中国=日本 108分 ビスタ)

2006-02-12 00:50:18 | 2006年劇場鑑賞
監督 チャン・イーモウ
出演 高倉健
    寺島しのぶ
    リー・ジャーミン



中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督が「憧れの人」高倉健を主演にしたまさに高倉健の為の作品と言う印象を持ちました。
重い病にかかった疎遠となっていた息子の為に中国に渡り仮面劇「単騎、千里を走る」を撮影に行く・・・冒頭に日本の場面での息子(声だけの中井貴一)の嫁=寺島しのぶとの短い病院でのシーンで一言も喋らない健さん・・・寡黙な健さんが早くも冒頭から炸裂!
さすが監督は健さんに憧れてただけに健さんの押さえどころや見せ所をキッチリと知ってますね~
ぶっきらぼうな健さんが言葉の通じない中国で息子の為に通訳やガイドの協力で現地の村の人々の温かさに触れていく。
そして一人の少年とのふれあいが健さんの息子に対する長年の心の隙間を埋めていく。

劇映画なんだが雰囲気はドキュメンタリーを見てるかのような錯覚に時折おちました
中国に渡り仮面劇を撮るために奔走する姿は所々に第三者的な視点を感じて劇映画というより「健さん千里を走る。」という2時間のドキュメント番組を見ている見たいでした。

高倉健の雰囲気がまったく損なわれず、まさに健さんが中国でいつもの佇まいを見せてくれます。
またその姿が場所が違ってもホント絵になりますね。
その存在感は大したもんですね~ だが芝居は相変わらず決してうまいとは思えないんだが・・・高倉健と言う名の存在感が最大の魅力なんだろうけどね。

で、この作品を見てて感じたのが高倉健が息子の為に仮面劇を撮影しに中国でガイドの協力の元、執念で言葉や法律の壁を乗り越えていく姿は感動と言うよりチョット強引すぎやせんかい?
撮影しに行ったら目的の役者は居なく、聞けば事件を起こして現在は刑務所に・・・それでも執念で健さんは刑務所に出向いて仮面劇を演じさせて撮影をすると無理難題を言い出しガイドを困らせる
そして断れるとガイドを替えて何とか行政まで持っていくがやはり敢無くられ断れ、ならばと中国の旗を持って涙のビデオレターで泣き落とし・・・またそれが功を奏して難関を突破してしまう!
やっと刑務所に行けば当の本人は健さんの理由を知り自分のまだ見ぬ息子を思い出し「会いたい・・・」と泣きだし芝居にならず、ならばと健さん遠く離れた山奥の村へ子供を捜しに行くと言い出しまたもガイドを困らせる(旅行会社泣かせの客だわ・・・)
それでも何だかんだと要望に答えてくれるんだから中国の人は親切だ。
村の村長の許しを得て8歳の息子を連れていざ再び役者の元へ・・・(この間 健さんが自分の代わりに中国へ行った事を知った疎遠だった息子が感激して、別にあの芝居に思入れは無いんだが・・・とつれない連絡が入ったりする)

まぁ子供を役者の父親に会わしてめでたしかと言うとそう簡単には行かず、途中子供が山の中で逃亡を図り、何とか見つけたものの道に迷い軽く遭難!
山の中で2人して助けを待つことに・・・それも少年が野糞してる所をデジカメで撮影して遊ぶ(その頃、村は大騒ぎで警察や村人も総出で山狩りを始めてる)
何か真面目に話が進むほどツッコミたくなる場面が色々あって変な意味で楽しめた。
しかもクライマックスではまたもトンデモナイ事をやらかす健さん!
う~ん、でも最後は涙、涙で締めるとこはまさに健さん版「中国ウルルン滞在記」



★★★ 2006.2.9(木) 千日前OSスバル座 19:00 中央右端付近



No.013 「オリバー・ツイスト」 (2005年 英=仏=伊=チェコ 129分 シネスコ)

2006-02-11 00:52:42 | 2006年劇場鑑賞
監督 ロマン・ポランスキー
出演 バーニー・クラーク
    ベン・キングズレー
    ハリー・イーデン



ロマン・ポランスキー監督が「戦場のピアニスト」に続いての最新作は有名なチャールズ・ディケンズの小説の映画化作品です。
過去何度か映画化されたようですが、過去の作品が未見なので比較は出来ないけど結構今回は原作に忠実らしいとの事。

前作「戦場のピアニスト」では戦争によって廃墟になった街を見事にスクリーンに再現させたが、今回も19世紀のロンドンを見事に再現してます。
そして前作同様にどことなく画面から伝わってくる冷たい空気がこの作品の雰囲気にあってます。

天涯孤独のオリバー少年の過酷な運命の物語がこの作品の持つ空気とうまくかみ合ってますね。
救貧院で周りからイジメられ、「食事の量が少ないからもっと食べさせて」とおねだりをさせられてそれがキッカケで救貧院を追い出されてしまう。
さらに行く先々で苛められて、そして行き着いた先が窃盗団の一味・・・
ここの少年スリ集団の仲間と元締めのベン・キングズレーらと打ち解けていくのだが、所詮はアウトサイダーな連中で悪事の手伝いをさせられハメになる・・・
どんなに苛められても純真無垢なオリバー少年のじっと耐える姿はまるで男版おしん!?

次から次に彼に降りかかる困難な出来事にジッと耐える姿は観客に訴えかけるものがあるのだろうけど、このオリバーがどうもインパクトがやや弱いような気がしてイマイチな感じです
バーニー・クラークが悪いのか描き方の問題かはわからないけど鑑賞後どうも心に残らなかったですね~
むしろ窃盗団の元締め役の老人を演じたベン・キングズレーの方がインパクトがありましたね。
「スピーシーズ」や「サンダーバード」「サスペクト・ゼロ」といったサイコサスペンスやSFなど多用なジャンルの作品で活躍しておりますが、今回もアカデミー俳優の名に恥じない怪演を見せてくれております(特にラストは印象に残りますね)
人の良さそうなキャラでオリバー少年にすればかけがえのない数少ない味方・・・だがその裏はれっきとした悪党でもある訳でその辺は実にうまく演じておりますね。

過酷な運命にじっと我慢して耐えるオリバー少年の無垢でけなげな姿を描いたロマン・ポランスキー版「おしん」と言ったら怒られるかな?



★★★ 2006.2.9(木) 敷島シネポップ スクリーン2 16:10 I-12




No.012 「THE 有頂天ホテル」(2005年 日本 136分 ビスタ)

2006-02-06 00:58:22 | 2006年劇場鑑賞
監督 三谷幸喜
出演 役所広司
    松たか子
    佐藤浩市



大晦日のカウントダウンが数時間後に迫った老舗ホテルを舞台に一癖も二癖もある宿泊客に振り回されるホテルマンたちの大忙しな数時間物語。
それぞれ豪華スター競演の宿泊客たちや従業員にもそれぞれドラマがあり、それらシンクロしていく構成は昔から良く言われるグランドホテル式だが、この作品はクラシックの名作「グランドホテル」のような人間模様を描いた群像劇のたぐいでなく、ホテルの中での様々な人間が織り成すシチュエーションコメディて感じです
カウントダウンまで数時間に迫った中、次から次に難題が降りかかるホテル版「24」ともいえましょうか(いや「136」か・・・)

三谷幸喜らしい練られた脚本で複雑にも人物がからんで一夜のホテル出来事をうまくまとめたと思いました。
まぁ一つ一つのエピソードは単純な話なんだが・・・
しかしホテル内の限られた空間の中で色んな人間が行き交う様をロングショットの多用でスピーディにテンポよく見せてくれ時間を飽きさせない。
ただ三谷幸喜だから思うのかも知れないがどうしても雰囲気はテレビサイズ・・・映画でなくてもエエやんか・・・何て思ってしまうんですがね

中心となるホテルマンの役所広司、松たか子、香取慎吾などが自分たちの事情とホテルで起きる事件とリンクしていき、やがてまるで奇跡のようなハッピーエンドに終結していくのはモロにハリウッド的なハッピーエンド風ですね。
お堅い副支配人の役所広司の意外な過去や前妻の前で見栄を張ったら裏目に出てしまうとこなど笑ってしまうし、白塗りの伊東四郎や自己嫌悪で自殺したがる演歌歌手の西田敏行などなど細かい小ネタを含んだエピソードも笑わせてくれるが、どれこれもベタなギャグやネタなので好き嫌いが別れるところではないでしょうか?
私はベタ大好きな方なので結構楽しめたんですがね~
また終盤の話のまとめどころが少々強引にまとめたかな・・・て言う印象が残りましたが、この手の映画はまぁそれもアリでしょうね
でも篠原涼子扮するコールガールがホテルをうろつくのはどうかなぁ~
こんなんあまり日本ではおらんで~ と思いましたがね。

オダギリジョーが意外なキャラで筆耕係て言う意外なホテルの仕事で出てきます(こんな部署あるんやね~)
また腹話術の老芸人役の榎木兵衛が私はツボでしたね
昔は時代劇やヤクザ映画なでで悪役専門の役者さんで、子供の頃に芝居見に連れて行かれたときに杉良太郎の舞台で悪役で出演し、出番が終わったら3階席後方で「スギ!」て掛け声かける役してたのを思いだし感慨深いものを感じてしまいました



★★★★ 2006.2.4(土) アポロシネマ8 スクリーン1 20:55 M-3

No.011 「レジェンド・オブ・ゾロ」 (2005年 米 126分 シネスコ)

2006-02-02 16:50:05 | 2006年劇場鑑賞
監督 マーティン・キャンベル
出演 アントニオ・バンデラス
    キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
    ルーファス・シーウェル



古くからヒーローとして親しまれている「ゾロ」だが、私としてはアラン・ドロンが演じたゾロが一番浮かびます。
たしかアラン・ドロン主演50本記念作品として東宝東和が宣伝打ってたような記憶がありますが、TV放映時の野沢那智氏の吹き替えがキザなヒーローぶり感が出ていて印象的でしたよ。

時は流れて「マスク・オブ・ゾロ」として公開された前作はアンソニー・ホプキンスが演じるゾロが年老いて後継者を育てる物語となり、その後継者がアントニオ・バンデラス扮する新ゾロで今回はその続編てことで、もはや世間にはヒーローとして認知されていて、ゾロを呼ぶ時は鐘を鳴らすということになっています。
オープニングから予想通り挨拶代わりの大活躍を見せてくれ、悪党たち見事なアクロバティックな身のこなしでやっつけて胸のすく活躍を見せてくれます

この場面でゾロの覆面(?)が取れてしまうというオープニングから意外な事態になり、これが物語の一つの流れになるキッカケになります。
すでに家庭を持ち、子供も大きくなった事もあり嫁さんからそろそろヒーローを辞めて家の事も考えてほしいと懇願(というより怒られた!)され悩む姿が良いですね。
彼は人造人間でもなければ宇宙人でもなく生身の人間・・・または妻子を養うお父ちゃんなのです。
そんな人間的な一面をこの映画は描いてるとこはややコメディタッチに描かれていいと思いましたね。
単にお座なりなヒーロー物なら目新しさもなく単調で無難なアクション映画で終わっていたでしょう。

とうとう三下り半をくだされたゾロは焼け酒の日々・・・
そしてとある伯爵のといい仲になった嫁の姿に嫉妬してしまうゾロ!
こんな人間味溢れる描写とその裏で進行する悪事を交互に見せ描いていくところな結構テンポも良く小気味いいアクションを散りばめながらうまく描いてますね

キャサリン・ゼータ・ジョーンズのアクションもキッチリ見せる場面も用意されてるし、ゾロの子供がまた親父顔負けの立ち回りを見せゾロと合わせて家族それぞれ見せ場があります。

ゾロの家庭問題に関する部分はコミカルに、また本筋である州合併問題でそれを阻止しようとする悪巧みに関する場面はシリアスに・・・この編のメリハリがこの作品を面白くしていますね



★★★ 2006.2.1(水) アポロシネマ8 スクリーン8 21:00 I-4