MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

「ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男」

2005-12-29 03:29:31 | 2005年劇場鑑賞
監督 アンドリュー・二コル
出演 ニコラス・ケイジ
    ジャレット・レト
    イーサン・ホーク

今まで武器商人を主役にした作品て正直記憶がないので、そう言う意味でも前々から興味を持ってた作品。
冒頭からしていきなり薬莢や弾丸で埋め尽くされた道路にスーツ姿で佇むニコラス・ケイジの姿が写し出され、やがてカメラが何と弾丸目線となり、工場でベルトコンベアに乗せられ製造されて、検品通過した後に無数の弾丸と共に箱に詰められ、どこかに運ばれてやがて銃に詰め込まれて、そして発射され少年の眉間をぶち抜いていく・・・弾丸の一生てこんな感じ?
凄いオープニングで後は一気に映画の中に入れましたね~ 映画的に題材としてはやはり新鮮てこともあったんでしょうね

ニコラス・ケイジ扮する武器商人ユーリがスーツ姿で戦火の地を飛ぶ回る異常な世界が新鮮かつ恐ろしく感じます。
実際こんな事してる人が居るんだなと思うと戦争や紛争は彼ら武器商人がプロデュース(変な言い方だが)してるようなもんですな~

また兵器の展示会の様なものがあり会場には自動小銃や弾薬、装甲車に戦車までが展示されそこでディーラーたちが客相手に営業をする・・・凄い世界を垣間見せられた気分ですね(きっちり迷彩服着たモデルが戦車の上でポーズを取ってる)
あげくに「戦車6台で1台サービス」ていうセリフも飛び出す始末!
印象的だったのは冷戦終結後、レーニンの倒れた像にもたれて電卓をはじくユーリのカットがこの作品を象徴しているようです。

戦争や紛争の裏側にこう言うビジネスがある・・・と言うよりこのビジネスがあるからこそ戦争があると思えてしまい、そういう意味では恐ろしい映画ですね。
その恐ろしいビジネスをしてる人間も仕事を離れれば普通の家庭のパパだったりして、そんな一見普通の人間が実は裏側で世界を動かしているという現実をこの作品はまざまざと見せてくれていて興味深い。

数名の実在の武器ディーラーをモデルにしてるらしいですが、この中で描かれてる様々な事も実際に行われてるものなんですね。
そんな物語をドキュメンタリー調に描くのでなく、一人の男の半生記として描いていき、違った側面で描く「戦争映画」と私は感じました。

武器を売ったその場でその武器で女子供や老人たちが虐殺されていく衝撃!それをビジネスといって割りきって見てしまうディーラーたちの冷徹な商売人としての姿勢!そんな男たちも実は国家にとっては必要悪・・・これゃ世界最強の男たちやな~

★★★★★ 2005.12.28 千日前セントラル





「ディック&ジェーン 復讐は最高!」

2005-12-29 00:49:42 | 2005年劇場鑑賞
監督 ディーン・パリソット
出演 ジム・キャリー
    ティア・レオーニ

ジム・キャリーらしさが発揮されたコメディー映画だが、正直あまり笑えなかったね~
向こうではバカ受けかもしれないが・・・客の反応もほとんどゼロでした。
まぁ 空席が目立つ入りだったけど、笑い声ぐらい起こってもよさそうなぐらいは客は居たはずだがね。
人生を狂わされた社長(アレック・ボールドウィン!最近こんな役が多いねこの人・・・)に復讐する話だが、実際に行動を起こすのは物語も終盤に差し掛かった頃で、それまでは仕事にあぶれ、とうとう強盗に手を染めるディック&ジェーンの奮闘ぶりが描かれて行きます。
この辺の展開は笑わせどころなんですが、まぁ、よくあるパターンの連続でジム・キャリーお特意の芸風も見せながら奮闘しますが私は今ひとつ乗れませんでした。
出だしは面白そうだったんだが・・・

劇中に格闘家ヴァンダレイ・シウバの入場テーマ(または2004年の阪神の金本選手のテーマ)に使用されてるテクノの曲が流れてたのが印象に残りましたがね

軽いのりのコメディ映画だからゴチャゴチャ言っても仕方ないけど、ドッカーンと笑いたい方には期待ハズレかも?

★★ 2005.12.28 動物園前シネフェスタ4 スクリーン2

「CUBE ZERO」

2005-12-24 01:18:41 | 2005年劇場鑑賞
監督 アーニー・バラッシュ
出演 ザカリー・ベネット
    ステフアニー・ムーア
    デビッド・ヒューバンド

斬新なアイディアでゲーム感覚な設定が目を引いた「CUBE」はミニシアターでの公開ながら中々の評判で、類似作品もビデオで多数リリースされるほどのちょっとブームになりました。
そして正式な続編「GUBE2」をへて今回の「CUBE ZERO」になるわけですが、1作目は立方体の密室の中での脱出劇が全編描かれ、部屋を間違えれば一発ゲームオーバーなトラップが待ち受けているその緊張感が見る者に伝わる演出が素晴らしく、2作目もやはり基本的には立方体の中で脱出する模様が描かれるが、異次元のように進化したキューブとパワーアップした殺人トラップが前作以上にスプラッター度を上げ狭い部屋の中を広角レンズの多用により凝ったカメラアングルで映像的にも見所があった(ただ1作目ほどの緊張感溢れるサスペンス度は落ちるが・・・)
前2作がキューブの中での話に終始したのに対し今回はキューブの外側からドラマが始り、キューブをモニターで監視し、上からの命令により手順にしたがい操作していく2人の男が中心で描かれる。
それと平行してキューブに閉じ込められた数人の男女たちも描かれるが、ここらがすでに前2作とまったく雰囲気が異なり賛否別れるとこでしょうね。
まったく同じくキューブ内の話だけなら3作目と言う事もありマンネリになり作品的にますます落ちるかも知れないし、やはり「キューブ」シリーズは息が詰まるような限定された空間でのサスペンスが持ち味と思えば今回は別物・・・とも言えるし難しいとこだが、今回が完結編という事で何らかの答えを出さなくては行けないのなら、外側のエピソード入れるのも止む無しといった所ではないでしょうか?その分1作目の独特の雰囲気が損なわれますがね・・・


ここからネタバレ注意報!鑑賞されるつもりの方は読まないでね













しかし操作する人間にも降りかかるアクシデントがやがてキューブ内のドラマとつながり、内部の構造を知る人間が果たしてキューブから生き残れるか?という展開になっていくあたりは面白かったですよ。
この作品のキューブは2作目の進化したものと比べるとかなり旧タイプに感じたが、どうやら1作目より少し前の話のよう・・・となれば完結編でなく誕生編とも取れる物語ですね。
何の為に存在し装置そのものが人為的なものなのか?それともこの世のものでないないのか?そんな回答も無いまま幕を閉じた1作目だったが、2作目で一応は正体を見せる描写がラストで描かれ、そして今回はキューブの存在の理由やシステムを管理してるものが出てきたり、監視してる人間にも訳ありだったたりと大方キューブについて語られるが、そこに感じるのは最新鋭の地獄の収容所・・・SF的な発想だが起こりえないとも限らない「ソイレントグリーン」見たいな近未来SFスリラー・・・結局そんな感じの作品になりました

★★★ 2005.12.22 動物園前シネフェスタ4 スクリーン2

「キング・コング」

2005-12-19 00:47:17 | 2005年劇場鑑賞
監督 ピーター・ジャクソン
出演 ナオミ・ワッツ
    ジャック・ブラック
    エイドリアン・ブロディ

正月映画唯一の超大作モンスター映画で結構期待していた作品。
しかもオタク監督ピーター・ジャクソンが念願のリメイクて事で、これは期待を裏切らない「キングコング」になると思ってたが期待どうりの怪獣映画になっていてまずは満足。

コングの造形は33年版ではストップモーションアニメ、76年版はリック・ベイカー製作の着ぐるみ(本人自ら着用)とその時代の特撮で作られてきたが、今回は勿論CGで役者にモーションキャプチャーを付けてその動きをコンピューターに取り込むという「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムで使われた手法で撮影されている(今回もゴラム役と同じ役者)やはりピーター・ジャクソンが気ごころ知れたスタッフと一緒に作ってるだけに思いどうりの仕事が出来たでしょうね。
今回は完全にコングは長い手を前に垂らして足が短く、やや前傾姿勢の野生のゴリラで、動きも2本足であるく怪物と言うより巨大なゴリラが動いてる感じ。
長い手でユラユラと崖をよじ登り、俊敏に谷を飛び越える・・・ここらにリアル感が感じられ、CGならではの表現ですね。
またキングコング=巨大なゴリラ化することで、単なるモンスターにならず存在に説得力が感じられてよかったと思いますよ。
そのコングの表情もリアルに喜怒哀楽が表現されていて、特にコングに囚われたアンがやけのやんぱち気味にコングの前で踊ったりするシーンのコングの喜び様は微笑ましく感じられ、怪獣と人間と言うより動物と人間が心を通わす雰囲気が出ていて、そのシーンにスンナリと入れましたね。

そのコングと同様スカルアイランドに生息する太古の生き物=恐竜がまたそれぞれに迫力があり、今更ティラノザウルスがリアルに動いたところで「ジェラシックパーク」以降の怪獣映画で見慣れていてそれ自体は驚きはないんだが、その細かい動物や爬虫類の動き(例えば飛び掛る瞬間に一瞬体を引いて勢いをつけようとした時の筋肉の伸縮など)がますますリアルに表現され、大きく見た目の特撮の違いは我々素人では判らないけど細かい部分ではますます進歩していってるんですね。
プロンドザウルスが狭いジャングルの崖淵を大群で疾走する場面の凄いこと・・・恐竜自体のCG「ジュラシック~」の頃と大差ないように思うのだが、その押し合い、ひしめき合いながら狭い所を走る重量感はやはりCGの進歩があるから出せるんでしょうね。
コングとティラノザウルスの対決もアンを挟んでスピーディかつ豪快に表現され、これもやはりクリーチャーの造形のCGよりその対決の動きの立体感がより派手にかつ細かくCGで描かれ凄い映像として表現されてるように思いました。
それと恐竜に負けずインパクトあったのが原住民のキャラ!不気味な雰囲気が充満してて怖いですよ・・・特に生贄の儀式の場面のトランスダンスはまるでゾンビ・・・

良く言われるように単に怪獣映画でなく「美女と野獣」のラブストーリーて言われるけど、33年版は最後までアンは恐れおののき怖がっててコングの一方的な片思いで、それが帰って悲惨な最期に感じられたが、76年版同様に今回もコングとアン(76年版はド
ワンて名だった)はやがて打ち解けあい心の交流を持つようになる。
崖っぷちで座って夕陽を見つめ、たそがれるコングの穏やかな横顔をアンが横から見つめる場面はまさに美女と野獣!ナオミ・ワッツの微笑んだ顔が夕陽に照らされ実に美しい場面でした。
この場面エンパイアーステートビルのシーンの前フリにもなるんだが、コングとアンの心の絆が芽生えだしたのを感じさす場面でこれが悲壮感漂うラストに生きてきますね
またNYでコングが大暴れしてアンと再会し、つかの間の幸せを手に入れて彼女片手にスケート場?(または凍った池?)で滑って転んで遊ぶ場面はこの映画で一番ロマンチックな場面でしたね・・・
まぁ、その後はお馴染みの展開になっていくんですが、エンパイアステートビルの場面の空撮のCGは凄いリアルでしたね。
はるか上空からビルの上のコングを見下ろしNYの街全体を捉えたカットなんか見ものです。

監督がかなり33年のオリジナルに思入れが強く、かなりオマージュが捧げられた場面が多いのもそれを感じさせます(この映画見る前に33年版をDVDで見直したから気付いたんだが)
劇中に33年版でアンを演じたフェイ・レイの名前が出たり、ブロードウェイのコングお披露目の場面でのコングの前でダンスをするダンサーの衣装が33年版の原住民たちの扮装だったり・・・気付かないとこでもまだまだあるんでしょうね
さすがこだわって作ってるだけに、ピーター・ジャクソンの思いが伝わってくるようで、ある意味「ロード・オブ~3部作」より力が入ってるように感じました。

パンフが2種類あったのも異例ですね~
通常版¥600-と特別版¥1800-・・・マニア心をくすぐる商法でんな・・・

★★★★★ 2005.12.18 アポロシネマ8 スクリーン1

「SAYURI」

2005-12-17 01:00:42 | 2005年劇場鑑賞
監督 ロブ・マーシャル
出演 チャン・ツィイー
    渡辺 謙
    ミッシェル・ヨー

芸者の世界を題材に絢爛豪華な日本的な美の美しさを西洋人の目を通して描かれた日本の物語。
細かい描写はこと芸者の世界だけに見る人が見れば不自然な場面も多々あると想いますが、そこはやはりアメリカ人が描くジャパニーズファンタジー!そう言う風に見ればツッコミどころも気にせず見れます。
第一セリフが英語てことだけですでに不自然なことなので、まぁ他の場面はある程度目をつむる事が出来るのでしょう(だがたまに日本語で会話するのが解せない・・・いっその事100%英語で通せばいいと思うのだが・・・)
そして作り手がまじめに素直に感じたままの日本の世界を描こうとしてるので、よくアメリカ映画が描く日本の場面の不快感は感じません。

この作品の中で登場する芸者たちの凄まじいまでのトップに対する執念と女の情念が色濃く全編とおして感じられ、それを表現する俳優たちの熱演に圧倒されます。
不思議な魅力を持った少女千代(大後寿々花ちゃん、かわいい!)からサユリに変わっていくその姿に女の一生の大河ドラマを見てるようで見ごたえがありましたね。
チャン・ツィイーがまた可憐に演じてていいですね~だんだん売れっ子になるにしたがって風格も備わってくるとこなんかうまかったですね。
そしてそんな彼女に嫉妬と敵対心を抱く花街きっての売れっ子初桃を演ずるコン・リーがまたうまいこと・・・彼女の圧倒的存在感は主役を完全に食ってるといってもいいでしょう!しかし彼女の存在感がまた他を引き立てる事にもなっていて、ある意味重要な役ですね。
サユリに対する凄まじいまでの敵対心からやがて滅びて落ちぶれていくその汚れ具合が見事です。

またサユリを芸者として導き育てていく花街きっての一流芸者の豆葉を演じたミッシェル・ヨーも地味な中に貫禄を感じさせ、なかなかのカリスマ芸者ぶり(倍賞美津子に見えて仕方ないが)
この気品溢れる一流芸者(ミッシェル・ヨー)と何かにつけて派手な売れっ子芸者(コン・リー)の対照的な二人の対比は面白かったですね
桃井かおり、工藤夕貴も日本人女優としても堂々たる芝居を見せてくれ中国人の3人に負けておりません。

また渡辺 謙も最近はハリウッド作品に板に付いてきた感じで、むしろハリウッドデビューとなる役所広司が堂々たる日本を代表する芝居を見せてくれたのほ嬉しいですな。

決して純和風て訳じやないけど、華やかな世界の中で垣間見る人間模様は実に見ごたえありました。
日本映画ならもっとドロドロしたものになったんでしょうが、そこはアメリカ人が撮った作品、陰気になってない。

印象的なのは舞台のシーンで花道で華麗にかつ妖艶に舞うチャン・ツィイーの美しいこと!まるで「近松心中物語」を思わすようような様式美溢れる紙ふぶきの大雪の中で妖しく踊る場面はかなり歌舞伎を意識してるのが伺えます(ホント、森進一の歌が聞こえてきそうやったぞ!)やはりブロードウェイで活躍してた監督だけあって力が入ってますな

一人の男性をずっと想い続け、そしてまた他の男たちから想われ続ける・・・思いつづけるのは許されず、思われ続けるのは許される個人の人生など存在しないある種特異な芸者の世界の中で悲しくもたくましく生きていく女たちの世界を日本を舞台にファンタジックに仕上げた映画でした。

★★★★ 2005.12.15 角座1

「大停電の夜に」

2005-12-10 01:18:12 | 2005年劇場鑑賞
監督 源孝志
出演 豊川悦司
    井川遙
    原田知世

クリスマスと言えば毎年それぞれの人に取って大きなイベントであったり大事な日であったり、あるいは私のように特別あまり関係がなかったりするんですが、この作品はそのクリスマスイブの夜に東京が大停電になるという設定で、その中で12人の男女たちのそれぞれのエピソードを散りばめた群像劇であり形こそ色々あるがそれぞれのラブストーリーでもある。

天体観測していた少年は偶然飛び降り自殺しょうとしている若い女性を見つけ、そしてその女性はある事情で人生を投げようとしていた

過去の女性を今だ想い引きずっているジャズバーのマスターとそのバーをいつも見ているその向かえのキャンドル店の女性

あるヤクザものは刑務所から出てきて女に会いに行けばすでに女は結婚し平凡な主婦・・・その女はヤクザな男の帰りを待っていたが、時とともに女としての幸せに生きてい・・・

夫婦との間が冷め切りそれぞれ離婚を考えていた夫と妻・・・それぞれにある秘密を抱えて

イブの夜に会社の上司との不倫を清算するOLと遠い故郷の彼女に想いを馳せる中国人の留学生

定年を向かえ孫たちとのクリスマスパーティを楽しみにしていた男と夫に隠し通してきた過去を打ち明けようとするその妻

停電により派手なイルミネーションで賑わうはずだった大都会が闇に閉ざされ、その暗闇の孤独感の中でそれぞれが抱えている問題に直面した時、暗闇だからこそ見えてくる自分に取っての本当に大切なモノ・・・闇の中で僅かに照らされるそれぞれの灯りの中で見えてくる真実な想いがやがてそれぞれの心の中に「小さな奇跡」をもたらす聖なる夜のファンタジー

決して涙が出るような作品ではないんですが、どこか暖かい人の心を暗闇の中で照らされる灯りの中で表現される映像は実にファンタジックでよろしいです。
その灯りがキャンドルの灯りであったり満天の星空の灯りだったり、または携帯電話の灯りだったりするんですが・・・

特に蝋燭てのはこういう事態になると大事になってくるのはひしひしと感じました。
最近の家庭に蝋燭を置いてるとこって少ないかも知れないですな。
この作品の中でも田端智子扮するのぞみの経営するキャンドル店が大繁盛してあっと言う間に完売します。

またトヨエツ扮するジャズバーの店主のある想いに関するエピソードも切なく一番印象的でしたが、このエピソードはもっともクリスマスらしいロマンチックな話だが・・・その結末は言えません(このエピソードのクライマックスの映像は実にファンタジックに撮られております)

この手の作品は微妙にまったく関係のなかったそれぞれのエピソードが交差したりするんですが、この映画も微妙に交わっていきます。
あまり不自然でなくうまくその辺はまとめていましたね。

芸達者な12人の俳優があってこそ出来上がった作品で特に原田知世は年とっていい女になりました

それと劇中出てくるアメリカの防衛機関がサンタクロースの現在地をレーダーで追ってる言う話は現実に子供たちの為に国家機関で行われてるらしいですね
こんな粋な「嘘」を国家レベルでしてるトコなんかはアメリカらしいエピソードですね

★★★★ 2005.12.8 布施ラインシネマ10 スクリーン6

「イントゥ・ザ・サン」

2005-12-09 01:54:21 | 2005年劇場鑑賞
監督 ミンク
出演 スティーブン・セガール
    大沢たかお

スティーブン・セガール・・・強烈なまでの妥協なき格闘アクションはハリウッドのアクション映画のパターンを変えてしまった。
だいたいこう言うアクション映画はたいてい主役は一度は敵にやられて負傷したりするもんだが、彼の作品では主役(勿論セガール)はほとんどノーダメージ!一発一発がとても重そうな打撃技!瞬時に関節を決めてしまう関節技、そして何よりもたとえ相手が何人居ようとあるいは誰であろうと(たとえばラストのボスキャラでも)相手の攻撃を受けずに一方的に倒してしまうそのリアルファイトは「ハリウッド最強の男」あるいは「銀幕のバーリトゥーダー」の名に恥じないものでした・・・初期の頃は!
しかし年齢とともにその凄みも消え、ここ数年はどうも格闘アクション抑え目でむしろ銃器に頼りだした感じで、本来の素手での格闘ファイトに精彩を欠いておりました。
作品が公開されるたびに期待するんですが、劇場を後にする時は決まって「もうアカンね~」と呟いたもんでした

今回も期待3不安7で見に行きましたが、意外と最近の中ではなかなか良いではないですか!
日本が舞台て事もあり、水を得たように気合が入っててよろしい!
チンピラども相手に「10年早いで~」と大阪弁で一喝しながら一撃で片付けてしまう凄いセガール!(自動販売機に叩きつけ、缶ジュースがボコボコ飛び出る始末!)
かと思えば日本女性にプロポーズし♪指きりげんまん・・・て似合わないことまでしてしまうセガール!
お馴染みの奇抜なファッションでパチンコ店に出没!CR海物語のシマを堂々とかっ歩するセガール(ここでも格闘を披露し、ゴロツキをパチンコ台に頭を叩きつけて大フィーバーさす!)
英語と日本語と大阪弁を使い分ける国際人セガール・・・
まさに彼のいいとこが日本を舞台にしたこの作品で炸裂しておりました。
特に今回不覚にも敵の廻し蹴りをくらいダウンを奪われる!こんな時は昔なら強烈に倍返しで反撃するが、今回はどうかな?と思ったら今回も相手は悲惨な目にあいます(この爽快感がセガール映画やね)
こんなセガールが見たかった!て感じで内容よりそれだけで充分でした

また日本の配役で特に新興ヤクザのボス黒田を演ずる大沢たかおの悪役ぶりは特筆ものです。
最近こんな役を時折りしてますが、こんなに悪役が似合う俳優になるとは正直のりピーの憧れの先生役の頃には想像出来ませんでしたよ。
彼の芝居の幅の広さに驚きますね~いい役者になりました
寺尾聡や伊武雅刀、豊原功補など日本人キャストも適材適所の配役で、セガールを骨抜きにした和服美人は藤あやこ似の女優さんでセガールに見出された新人らしい・・・山口佳奈子さん・・・今後出てくるかな?覚えておこう
またコロッケが無意味なモノマネを披露し、ハリウッド映画ながら野口五郎と五木ひろしのネタします(外人見ても判らんやろう・・・)

クライマックスは豊原功補と日本刀を片手に「これで人切るで、これはよう切れるで・・・」と高倉健とマイケル・ダグラスのようにまたは高倉健と池部良のように敵のアジトへ殴りこみ!ここで見事なソードアクションを披露し、いよいよ大沢たかおとソードファイト!(でも大沢の腰の引けた構えを見ただけで勝負合ったけどね)

英語と中国語と日本語と大阪弁が飛び交う久々にセガール映画で満足出来た最近の中の数少ない一本

ちなみに主題歌はセガール(!)調子乗りすぎやぞ・・・

★★★★ 2005.12.8 布施ラインシネマ10 スクリーン8

「イン・ハー・シューズ」

2005-12-02 23:54:17 | 2005年劇場鑑賞
監督 カーティス・ハンソン
出演 キャメロン・ディアズ
    トニ・コレット

弁護士として成功して恋人も居る姉ローズと仕事もろくにせずナイスな肉体で男たちと遊び自由奔放に生きる妹マギー・・・この正反対の二人がひょんな事から一緒に暮らすが、姉の彼氏と妹がベットインしてるのを姉が目撃!妹を追い出してしまう・・・
行き場を失った妹は祖母のいる老人施設に行きそこで人生に大切なもの見つけていく。
そして恋人とも別れ、仕事を辞めて虚脱感に落ちる姉・・・この辺の対比を監督のカーティス・ハンソンはうまく見せますね。
離れて初めてお互いに必要な存在だと気づき、それぞれ生きる目的を見つけて行く。
目に見えては互いに意地を張って反発しても心の奥では不思議に互いが気になっていく姉妹をトニ・コレットとキャメロン・ディアズが実に自然に演じております。

この作品でキャメロン・ディアズがやたら肌を露出してるのが印象的で、タンクトップにランジェリー姿に水着にTバック・・・たしかにナイスなボディであります
でも、来日した時はやや肥えてたような・・・反対に地味な姉のローズはポッチャリとした体型にセクシーと言う言葉とはほど遠いファッション!
全てが正反対の姉妹のまさに遅まきながらの成長物語です

またシャーリー・マクレーンが実に円熟した名演を見せており自然体で祖母のエマを演じています。

★★★★ 2005.12.1 千日前セントラル

「ALWAYS 三丁目の夕日」

2005-12-02 00:13:04 | 2005年劇場鑑賞
監督 山崎 貴
出演 堤 真一
    薬師丸ひろ子

昭和33年の東京下町が舞台の人情ドラマで、なかなかの評判を聞き当初は鑑賞予定が無かったんですが、予定してた「TAKESHIS」をキャンセルして行きました。
映画の日て事もあり場内は結構な入りで幅広い客層でした。

開巻いきなりの「TOHO SCOPE」の文字と共に作品に相応しくないシネスコサイズにびっくり!う~んこだわってるね!
昭和33年の東京の町並みに走る路面電車や建設中の東京タワー・・・セットとCGを組み合わせた映像はよく出来ておりました。
活劇モノのCGなどはどうしてもハリウッドと比べてしまうのでダメだが、こんな使い方ならやはり良い物が出来ますね。

たしかにこの時代(特に東京)を生きた年代の方が見れば懐かしくもあり実感として感情移入もしてしまうでしょうし、若い方々にはレトロな風情に新鮮味を感じることでしょう。
色んな捉え方はあるにせよ幅広い層に支持されるのも頷けますな。
私は実際はこの作品の時代から十数年後の40年代後半(しかも大阪!)が少年期に当るんですが、この作品の風情が消えつつある頃で町の風景としては時代の転換期だったような気がします。
でも駄菓子屋なんか懐かしく感じ、こちらで言う所の「当てモン」(くじ引き)とか大きなビンに入ってたスルメに試験管のようなモノに入ってたジュース・・・そんな町の風情はかろうじて実感出来きそれだけで目頭が熱くなりましたよ(私も年だね・・・)

そんな時代にたくましく生きる子供たち、高度成長を続けていく日本に明日を夢見て大人たちは働いていく。
そんなひとコマを下町で切り取って見せてくれ、話としては大きく分けて堤演じる則文が経営する自動車修理工場の家族と吉岡扮する駄菓子屋を営む売れない小説家茶川と少年淳之助との心の交流を中心に三丁目の人々の「あの時代」の生活が描かれていきます
小雪、三浦友和、堀北真希、薬師丸ひろ子それぞれが良い芝居を見せてくれ、特に集団就職で鈴木オートに務める六子を演じる堀北真希が田舎の娘らしい感じが出ていて良かったですよ。
また薬師丸ひろ子ももう母親役が板に付いてきた感じであの角川の看板娘も・・・と思うと感慨深いものがあります。
子役たちも自然体で生き生きと描かれて、昔の子はたくましいな~・・などと思いつつ見ておりました。
また泣かせどころも数箇所あり(ま、いかにも・・・て感じなんですが)結構場内は鼻をすする音が中盤あたりからしてましたね。
でもクライマックスは予告で何度も見てるので私はあまりグッとは気ませんでしたがね

時代とともに、町の風情も人の心やモノの考え方も変わってきましたが劇中出て来る東京タワーを赤く染める夕日のようにいつまでも変わらず、忘れてはいけない何かを教えてくれる作品です。

★★★★★ 2005.12.1 千日前OSスバル座



「デッドライン」

2005-11-27 23:30:31 | 2005年劇場鑑賞
監督 タニット・チッタヌクン
出演 チャッチャィ・ブレンバーニッド
    アムボーン・ラムプーン

バンコックを舞台にテロリストとテロ取り締まり部隊との戦いを描いたタイ発アクション大作!
当然知ってる役者など一人も居らず、藤竜也似の刑事と柴俊夫似のテロリストが中心となり全編ド派手な銃撃戦が展開される。
女優さんが一人も出て来ないとこは軟弱な韓流映画(失礼!)や香港映画と違い、まさに男たちだけの・・・それも暑苦しい奴らばかりの男のドラマが展開されていく!(でもやはり暑苦しすぎるぞ・・・もうチョット華がほしいね)

息抜きのような場面もなく全編テロVS取締り部隊の対決がラストまで持続し中々飽きさせないと同時に疲れるのも事実でこの辺は監督の演出力の問題かな?
また銃撃戦が多いんだが絵的にはもう少しドッカーンと派手な一発がほしかった。
話としてはスケールが大きいだけにもう一押しほしかったトコですね。

テロ組織も取り締まり部隊も皆、一見ゴロツキ見たいな厳つい顔してる奴らばかりで男前など出て来ないのも流行のアジア映画のパターンから脱却してて良い

★★ 2005.11.26 天六ユウラク座