MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.16 「CUBE 一度入ったら、最後」

2021-10-24 01:36:00 | 2021年劇場鑑賞




1997年作品のピンチェンゾ・ナタリ監督の「CUBE」の日本リメイクと言う事で見に行って来ました
オリジナルを見たのは24年くらい前になるでしょうか?
私がこのblogを始める8年前…いまさら何故リメイク?と思ってしまいます

突然立方体の部屋に閉じ込められた者たち
壁4面、天地2面に出口のハッチがあり安全に次に進める部屋意外のハッチを選んでしまうと殺人トラップが待ち受けている…

一時期オリジナル版のヒットにより似たようなタイトルの作品も粗製濫造気味に作られたりして、「SAW」シリーズと並びせかいてきな影響を与えた作品でした
私は確か当時テアトル梅田の満員の客席で見ましたが、絶望感溢れる冷たい雰囲気とトラップに引っかからないよう、 次に進む登場人物たちの緊張感が見てるこちらにも伝わる演出など、一発アウトなゲーム感覚のよう世界観が面白かったんですよね
特に音を立てずに部屋を移動しようとする緊張感のあるシーンではテアトル梅田の客席も息を殺して見入るライブ感がたまりませんでした

そんな作品の豪華キャストによるリメイクですが、こう言う作品はあまりスターを起用しない方が良いような気がします
ましてオールスターとは…(笑)
部屋の構造、ならびに物語はオリジナルに忠実に展開して行きますが、殺人トラップとかは緩めの描写です
これは仕方ないですかね
そして登場人物設定は新たに創造したキャラのようですね
オリジナル版ではある種の障害を持った数字に強い人物が出て来るが、ここは少年に変更されてます
何かと昨今では問題あるからか?
オリジナルではキーとなる人物だが…
この辺の変更がオリジナルと似て非なる物になってるように感じます
最初に書いたようなキリキリした緊張感がそれぞれの心に病みを持ったようなバックボーンが描かれたり、語られたりする場面などで削がれたように感じました
ここはオリジナルのような一撃でアウトの緊張感を全面に欲しかったような気がしました
冷たいあの感覚はなかなか日本では難しいか

「セブン」などのタイトルバックデザインで有名なカイルクーパーがクレジットされてるがどこで噛んでたのかな?



★★★ 2021.10.22(金) アポロシネマ スクリーン4 20:35 L-3



No.15 「キャッシュトラック」

2021-10-17 21:52:00 | 2021年劇場鑑賞





久々になんばパークスシネマに来ました
後で聞けばこの日10月15日は南海ホークスが大阪球場でラストマッチを戦った日だそうです
そんな日に大阪球場跡地に立つなんばパークスに映画を見に来た元南海ファン
ちょっと感慨深いものがありますね

さて久々にガイリッチー監督作品を見ます
凝った演出にベラベラ話しまくる会話…でも「シャーロックホームズ」のような大作辺りから私は彼の作品見てない?と思うので久々の鑑賞です

銀行から出てきた輸送車が強盗に襲われて警備員や一般市民にも犠牲者が出る事件が冒頭で出てきます
そしてその時警備員していた現金輸送車専門の警備会社に1人の男が面接を受けにくる
適正テストは合格ギリギリで採用される
これが主人公のジェイソン・ステイサム
ある日現金輸送車を警護中に武装した強盗グループに襲われるがジェイソンステイサム演じる主人公が見事な拳銃さばきで1人で武装強盗グループを制圧してまう…

この作品は冒頭の襲撃シーンが重要で、冒頭の場面を含め3つの視点からこのシーンが再現されます
この辺の時間軸をずらせて上手に見せる手法はまさにガイリッチーの真骨頂ですね
3つ目の視点で我々観客はこの作品の仕掛けを理解する訳ですが、そういう流れの持って行き方が見事です

最初に書いたように最近のガイリッチーの作品見てないからわからないですが、初期のガイリッチーの作品のイメージからすると重い雰囲気の作品のように感じる
しかし一気に最後まで見せてくれる作品で面白かったです



★★★★ 2021.10.25(金) なんばパークスシネマ シアター11 20:30 D-13

「異端の鳥」

2021-10-15 16:31:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





前から見たかった作品
テレビ画面での鑑賞

ナチスによる迫害を避けるために田舎に疎開した少年が悲惨な目に遭う…
一言で言えばまさにそのものの何ですが、
人間の持つ残酷性が表面に出た、賛否両論も頷ける嫌な映画
私は良かったですよ

とにかく少年が辿る悲惨な出来事は全て人間がなせる事です
引き取ってくれたおばあちゃんが亡くなり、少年1人が転々とする中、町の人間にリンチに合い逃げた出し、更に首だけ出して地中に埋められカラスに突かれまくり、泥水の溝に放り込まられたりもする
老人を介護してるお姉さんに助けられたら、そのお姉さんはドのつくほど淫乱で性の道具みたいにされ、司祭に助けられて、預けられた先の男は小児性愛者だった…
とにかく少年が放浪する先は全て地獄と言う救いの無い映画だが、私はどんどん画面に引き寄せられてしまいました
それは次に彼がどんな目に遭うのか?と言う興味…この映画出てくる悪魔のような人達と同じやね

この作品は戦時下と言う特殊な状況で出てくる人間の残酷面が怖いくらい描かれる
少年を虐待する人間達はイカれた人間も居るが、中には普段は普通の生活してる平凡な人と居るだろうけど、そんな人間達も悪魔のような残酷の行為をしてしまう
そんな人間の怖さを感じさせる映画
殆どセリフを言わない少年がなすがままに流されていくその姿はホロコーストの恐ろしさを代弁してるようです
しかし、人間には簡単に死んでしまう人も居れば、この少年のように地獄の中でも幸運な事が続き生き延びていく場合もあります
それが良かったか悪かったのか…?てのはありますね
169分キツイ映画ですが、一度見ておきたい作品です

鳥に白いペンキを塗り鳥の群れの中に離すと、他の鳥が一斉に攻撃をして白いペンキ塗られた鳥を殺してしまうシーンが出てきますが、まさに異端の鳥のタイトル通りの場面ですね
この鳥を少年に置き換えられたのがこの物語という風に語られてるような場合で印象的
自分たちと肌の色や、または価値観、考え方の違った人間来たら排除すると言う人間の怖さがあります

また内容もさる事ながら映像が素晴らしいです
モノクロ映像から滲み出るような冷たさを感じさせ、白と黒の硬いコントラストの画質が余計に悲惨なドラマを際立たせる
そしてシネスコを生かした画面のフレームがいちいち決まっていて、映像で行われる残虐な仕打ちと裏腹に計算されたようなフレーミングに感動しました


No.14「孤狼の血 level 2」

2021-10-10 11:55:00 | 2021年劇場鑑賞




公開されてだいぶん経ちますがやっとこの作品が見れました
今作は原作に関係のないオリジナルストーリー
で、前作で役所広司扮する大山刑事の後を継いで松坂桃李扮する日岡刑事が主人公
ダーティー刑事として広島暴力団抗争を収めてきた日岡の前に鈴木亮平扮する上林が出所してきたことにより、広島のヤクザ界の秩序が乱れだす…

前作は役所広司が熱演した大山刑事がモンスター的な存在だが、今回は後を受けた日岡でなくこの上林が破壊力満点のモンスターとして登場
この上林の凶悪なパワーが作品全体を持って行ったと思っても良いでしょうね
やたら相手の目玉をくり抜く殺し方は上林自身の生い立ちにも関わってくると言うバックボーンもあり、この男も過去のキズにより人生を曲がった方向に行ってしまっていったと言うキャラで鈴木亮平がキレた芝居を見せてくれます
日岡と上林の2人の反目が主軸で周りに出てくるヤクザ関連や警察関連も一癖もあり、実にキャスティングが上手く行ってると思います

中村梅雀にはすっかり騙された(笑)

またその妻を演じる宮崎美子さんは今作ではいかにも老けた感じの味を出してましたが、あの老けた中のボディはナイスバディが健在なんやなーと想像してしまいました(笑)
滝藤賢一扮する嫌味な管理官はもう適役すぎてます
ラストでちょっとしたカタルシスを味わえるのも、その敵役を演じるそれまでのシーン彼の演技力の賜物ですね
後、チンタが可哀想でしたが、こう言う映画に必ず必要なキャラですね
最初からこのキャラの運命が手にとるようにわかってしまいました

日岡と上林の一騎打ちのような展開に途中からなってく前作と違った雰囲気だが同様に楽しめました


因みに作品始まって30分くらいしたら隣のカップルが帰りました
思ってたんと違うかったんでしょうね…
始まって早々にお姉さんが目ん玉くり抜かれるしね


★★★★ 2021.10.8(金) アポロシネマ プラスワン 20:25 D-2

No.13「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」

2021-10-02 16:40:00 | 2021年劇場鑑賞





緊急事態宣言が終わり映画館が普通営業に戻ってくれました
当然レイトショーも復活!
映画サービスデーと相まって早速行ってきました
しかも私の好きな007シリーズ!
今度こそ公開されました

ダニエルグレイグのジェームズボンドになってからシリアス路線になり、ストーリーに繋がりある展開になりました
しかしダニエルのボンドは今回が最後と言う事でカジノロワイヤルから続くドラマが完結いたします
オープニングも前作から続きで、引退したボンドとマドレーヌとの生活からスタートするが、マドレーヌの過去が語られる冒頭のこのシーンから不穏な雰囲気が出てきて、さて恒例のオープニングアクションはいつ始まるのかな?と期待感が高まりますが、これがなかなか引っ張ります(笑)20分超えた辺りからやっとタイトルバック(ビリー・アイリッシュの主題歌がいい!)
でもこのお約束の展開ないと007ではない(笑)

ダニエルの007の最後を飾る相応しいストーリー展開は164分と言うシリーズ最長に及びますが、全然長く私は感じませんでした
マドレーヌに対する人間味溢れる感情を見せるボンドはやはり過去のボンドシリーズとは違うのを感じさせてくれます
過去のボンドシリーズと比較すると世代感などで好みがあるでしょうが、このダニエルのボンドのシリーズは改めて今までと違った人間ドラマとしての側面を見せる007だなーと感じます

アクションはド派手だし、ストーリーもボンドの人間的な感情を揺さぶる娘の登場といいなかなか波乱に富んだドラマで退屈する事なく楽しめました
また007の番号を黒人の女性ノーミが継いでるんですが、彼女とボンドのやり取りはロジャームーアならちょっと笑えるようなやり取りになるんでしょうけど、ダニエルだと無骨な感じで、これまたロジャームーアのボンドとのキャラの違いを感じました
ダニエルボンドもたまに洒落っ気のあるユーモア見せるんですが、すべった感があってなんか笑えない(笑)

音楽はバンスジマーで過去の007の曲調にこだわるスコアも良いです
特に女王陛下の007のメインテーマのフレーズがさりげなくバックに流れるボンドとMとの会話シーン(ブロフェルドに付いて話してるくだり)など往年のファンとしては嬉しい
エンドロールもシリーズの中でも異色の名曲の主題歌が使われていたりして、やはりダニエルボンドの集大成としてひとつの決着を見せてくれたように感じます
まさかのラストが余計にそう思わせる

今回のボンドガールではキューバの情報員を演じたアナ・デ・アルマスが良かったです
新米と言いながら胸を大きく開いたドレスで見事なアクションを見せて、そのハードワークな動きでボンドをサポートして「私はここて失礼と」言ってさっさと退場する潔き良さは"もうちょっとお姉さんを見たい"感に駆られました(笑)

次のジェームズボンドは誰になるのでしょうか?
楽しみです

007シリーズのパンフレットは集めてまして新作はもちろん古い旧作は古本屋で見つけたら買ったりして現在は「007/サンダーボール作戦」以外は全部持っていまして、当然今回も買ったんですが…値段の割には写真が多くて内容がちょっと残念
久々にパンフレット買ったのに…



★★★★ 2021.10.15(金) アポロシネマ スクリーン6  20:15  E-12