MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

「ダイナマイトどんどん」

2022-02-24 15:53:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)




公開時は劇場では見てなくて、テレビ放送で見ただけでした
久々に今回見たらやはりめちゃくちゃ面白い!
大映映画製作だが、そこに東映のいい意味での柄悪さ(笑)と岡本喜八監督の奇想天外なアイディアと演出が見事に合わさった娯楽作ですね

度重なる暴力団の抗争を緩和するために県警の署長(藤岡琢也)の提案で野球の試合で暴力団達で親睦を図ろうと言う事で始まる暴力団対抗野球トーナメント!
特に抗争中の因縁のある岡源組と橋伝組を中心に描かれるが、岡源組に菅原文太、石橋正次、小島秀哉、中谷一郎、組長に嵐寛寿郎と橋伝組の組長金子信雄、岸田森、更に岡源ダイナマイツの監督にフランキー堺など素敵な面々が笑わせてくれる143分となってます
また両チームを渡り歩く事になる一匹狼の元ノンプロの剛腕ヤクザ北大路欣也と出所を待ちわびた女房で健気な飲み屋の女将宮下順子とのエピソードの下りは東映任侠映画を思わす
でも詰めた指から投げられる魔球が相手バッターを翻弄すると言うのはマンガチック

「ダイナマーイト!どんどーん」と岡源ダイナマイツの掛け声は当時は菅原文太が出たチオビタドリンクのCMでも使われていて、そちらの印象がある人も居るでしょうね

映画では小島秀哉の掛け声でメンバーが足を踏み鳴らしながらどんどーんと言います
小島秀哉…我々世代の大阪人は松竹新喜劇の藤山寛美さんとの名コンビが印象的な俳優さん
ただただ懐かしいです!

岡源組組長の嵐寛寿郎さん
あの鞍馬天狗の名優もちよっとボケた組長役で普段は何言ってるがわからない超滑舌の悪さで、側近の中谷一郎が通訳しないと通じないくらいなのにやたら任侠というフレーズに反応して突然「にんきょう〜!」と絶叫するボケ振りが名演です

昭和の役者たちによる昭和の映画のパワーを感じられる快作です

「忘れられない人」

2022-02-20 12:42:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





クリスチャンスレイターとマリサトメイ主演のピュアなラブストーリー
寡黙でネクラな青年と、なかなか恋が上手くいかな女性をなかなかの芝居で見せてます
特にアダムを演じたクリスチャンスレイターの影のあるちょっと変わった青年振りはいいですねー
前半ほとんどセリフの無い寡黙な芝居を見せてくれます
逆にマリアトメイの役もこの時代のアメリカの青春映画に出てきそうなキャラで対象的な2人のラブストーリー

下町のダイナーの厨房で下働きしているアダムは同僚のウェイトレスのキャロラインにほのかな想いを寄せていた
しかしその寄せ具合が異常なんですね
キャロラインの仕事終わりの帰り道を離れて後を付けて、家に着くまで見守る行為を毎日してたり、時々キャロラインの家に夜中に忍び込み、ベット横で寝顔を見ていたりとストーカー行為に不法侵入と現代であってはアウト!
(笑)
しかも一度も気づかれないて凄い
そんな行為が身を結んだのか?帰り道暴漢に襲われたキャロラインを助けた事から2人は仲良くなり接近していく…

知り合ってからも夜中に家に忍び込み、サプライズでベット横にクリスマスツリーを飾ったりと不法行為は続く(笑)
しかしそれを気持ち悪るがらず感激して喜ぶキャロライン
あり得ないような不自然な話だか、現代の大人の童話として見たら面白く見れましたね

アダムには心臓に疾患があり病弱であると言う事がポイントで、撃退した暴漢にお礼参りされて重傷を負ってしまい悲しい結末に話は進んでいく
ここで邦題の忘れられない人と言うのがアダムに取ってではなく、キャロラインにとって忘れられない人と言うのが見えて来ます

エンディングに流れるナット・キング・コールの「ネイチャーボーイ」の歌詞が心に染みる
「大切な事は誰かを愛する事、そしてその人から愛される事」
まさに唯一の心のよりどころがキャロラインだったアダムの心境を歌ったような歌詞ですね
今見たら韓国映画見たいな展開にも感じましたね

「ウエストサイド物語」

2022-02-17 00:52:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)




現在公開中の「ウエストサイドストーリー」
はこの作品の再映画化
私はこの作品は劇場はおろかテレビ洋画劇場やビデオやDVDですら見た事はありませんでした
まさに今回が初鑑賞

冒頭の指を鳴らしながら不良グループらが登場
この光景は昔から昭和のバラエティやかくし芸番組なんかで芸能人がパロディなどでマネてましたな
対立するグループらが街中で追いかけっこ!
街角を曲がる時には見事なステップでひと踊りしてから追跡を再開!
いやーこの非現実さはまさにミュージカル
ミュージカルが苦手な人はこう言う部分がダメなんでしょうねー

ベースはロミオとジュリエット
シェークスピアの世界観を当時のニューヨークの下町に置き換えて、そこにダンスナンバーなどのミュージカルを全面に押し出した名作
153分と言う時間が今まで尻込みしてた要因の一つですが、全然飽きる事なく見れました
数々の名曲とダンスの素晴らしさ
悲劇の物語とは思えない明るくノリノリの展開から後半に行くにつれ要素が少しつづやはり悲しい展開になっていく
これは劇場…それも70ミリの大画面で見たかったです

ウエストサイド物語と言えばジョージ・チャキリス
何度も日本に来日してミュージカルの舞台版にも出てましたかね
私の中ではウエストサイド物語=ジョージなくらいでしたが主役じゃないんですよね
マリアの兄の役…ロミオとジュリエットで言うディヴォルトの役ですね
しかしこの方は他にも作品出てますが生涯ウエストサイド物語のイメージの人でしたね
まさにこれ1本で勝負でした

マリア演じたナタリー・ウッドの美しさと歌のうまさに驚き
またトニー役のリチャード・ベイマーは後にツインピークスでローラ・パーマのお父ちゃんやってた人なんですよね

スピルバーグ版も見てみたいです
今度こそスクリーンで

「北の螢」

2022-02-04 12:30:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)








仲代達矢と岩下志麻主演による人間ドラマ
今回が初鑑賞
明治初頭の北海道を舞台に北海道の集治監の典獄(刑務所の所長)が囚人達を使って北海道開拓の道路建設に駆り出し多数の死者を出したり、更にそこに女郎屋の女達も絡んで来ての極寒の愛憎劇が展開される

女郎達は収監されてる囚人の妻たちだったりするんですね
囚人達が道路建設に駆り出される事は死を意味する
極寒の中で過度な重労働させられる
それを指揮するのが仲代達矢扮する集治監の典獄
囚人を虫ケラ同然に扱う鬼の典獄
そんな所に京都の祇園の芸者の岩下志麻扮するゆうが流れ込む
妾の夏木マリにあずかけられるが、実は囚人の1人を脱獄させるのが目的に典獄に近づいていた

仲代達矢、岩下志麻2人のベテランの芝居は迫力がありましたね
男と女の情念を見事に感じさせてくれます
いつもいい味だす成田三樹夫、小池朝雄はさすが東映映画って感じです
"女猫"早乙女愛の身体を張った芝居
極寒の雪の中で自慢の巨乳を惜しげもなく披露
足に鎖をつけられて雪の中を囚人達が列をなす中に自分の男を追いかけて縋り付く情感溢れる悲しいシーンも良かったです
何より仲代達矢と岩下志麻の熟年ベッドシーン
岩下志麻さんがポロリする訳ではありませんが
妖艶な芝居はさすがです

北海道の開拓の歴史にこの囚人達の話はあちらこちらであり、歴史的に有名な話ですが、そこに人間の情念と愛憎を上手く絡めた五社英雄監督らしい迫力ある演出で魅せるドラマでした

北の螢といえば森進一さんの歌が私は映画よりピンと来るんですね
この作品の劇中にも流れるんですか森進一さんの歌声に乗って阿久悠さんの詩が極寒の地の人間ドラマを悲しく表現されてて凄くいいんです