バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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荒川仁人世界へ!

2013-07-26 | ボクシング

ボクシングの話題です。
来る7月27日、僕の高校の先輩でもある八王子中屋ジムの中屋会長が直接指導して、手塩にかけて育てた日本、東洋ライト級チャンピオンでWBC世界ライト級第1位の『荒川仁人選手』が遂に世界王座に挑みます。
バイユー開店以来、ボクシング生観戦の回数が激減してしまった僕ですが、その中で何度も足を運んで応援してきた荒川選手が迎える大一番に興奮を隠せません。
荒川選手の試合はバイユーのお客様方と団体で行ったこともあり、今も店内にポスターが貼られているので名前や顔に覚えのあるという方も多いかもしれません。
荒川仁人選手~親しい方が指導する選手というだけでなく、技術が高くて攻防一体型のそのボクシングスタイルは僕にとって非常に魅力的で一ボクシングファンとして将来を楽しみにしてきました。そして近くでかいま見た穏やかな人柄、地味ながら意志の強そうなルックス、リングでの立ち居振る舞いもとても魅力的。好きなボクサーとしての条件の揃った選手です。

Photo

今回の試合はWBC世界ライト級暫定王座決定戦、対するはWBC世界ライト級3位のオマール・フィゲロア選手。アメリカテキサス州サンアントニオで行われます(バイユー界隈の皆様には馴染みの深い地名です!)。
ボクシングを時々観るという方の中には「王座決定戦?しかも暫定王座ってナニ?」と思う方もいるやもしれません。
僕自身もこのブログで安易な暫定王座や決定戦を度々批判してきましたが、今回はそれには当てはまらないと思っています。

なぜならこのクラスの正規王者はエイドリアン・ブロウナー選手。プロボクシングのメジャー、アメリカを舞台に活躍するスーパースター。ライト級の前にはSフェザー級も獲得した人気実力とも1級品の選手。その選手がいるというのに暫定王座決定戦?その理由は荒川選手が避けたわけではなく、ブロウナー選手が上のクラスへと去ったからだ。ブロウナー選手はライト級王座を保持したまま2階級上のウエルター級王座に挑戦しタイトルを奪取し3階級制覇、別の階級のチャンピオンとなってしまった。通常ならここでどちらの階級の王座を防衛してゆくかを決めて片方を返上するのが常であるが、今日現在彼は両階級のタイトルを保持したままだ。しかも新たに奪取したウエルター級での防衛戦まで予定している。ということはライト級は空位となるべきなのですが、未だそのまま、というのがさすがスター選手といったところか。これがもし●メダだったらとっくに正規王座決定戦の権利を勝ち取っているはずだ。?そのうえ、今回暫定王座決定戦で対戦するフィゲロア選手は本場を舞台に21勝17KOで無敗という紛れも無い強豪。大メジャー『ゴールデンボーイプロモーション』に所属するスター候補生だ。?これがもし●BSだったら…17勝(2KO)10敗の謎の世界9位選手との決定戦だったりするのだろう。??

Vs

荒川選手、いや八王子中屋陣営はこれまで極めて真っ当なハード路線で試合を組み、厳しい試合をくぐり抜けてここに辿り着いている。国内の主だった実力者とは執拗なほど試合を組み戦ってきたし(その中で苦戦も敗戦も経験しており「もっと楽な路線で良いのでは?」との声さえあった)。世界1位となってからもメキシコへ乗り込み世界2位の選手と対戦、相手に決定的なダメージを与えるも不可解な裁定で負傷判定負けを喫している。しかし判定は論議を呼びWBCから再戦指令が出される事態となり、相手選手がそれを拒否すると荒川選手の世界ランキングは再び1位に戻され、今回のタイトルマッチへと繋がっている。?この時の八王子中屋ジムの真っ当な要求と抗議はボクシングファンとしてとても気持ちよく納得できるもので、この競技におけるマネージメント側の努力というのはこういうカタチのものであってほしいと強く思う。決して自らの都合に合わせて新たなタイトルや決定戦をデッチあげさせたり、真っ当なチャンピオンをリング外の策略によって王座から追い出したりするものではないはずだ。

そんなプロボクサーとして真っ正直な道を歩んで来た荒川選手の今回の挑戦を熱心なボクシングファンの多くは応援しているようで幸いです。?普段あまりボクシングのニュースに触れる事のない皆様おかれましては、今回の荒川選手の挑戦を最近よくあるボクシングモドキと混同されることのないよう心から願う次第であります。
?問題の「暫定王座」に関してはどうやら後に暫定が外され正規王者に昇格となりそうな気配です。??

そして!かなり厳しい戦いが予想されますが…勝利を!!