私の名はナルヴァルック

2011-01-12 09:42:33 | 日記
廣川まさき著 集英社
発売当時、気になってはいたものの、買わずじまいだった。今回、ひょんな機会があって読んでみた。
紀行文学の共通点といえば、異文化との遭遇であろう。自己の文化とどう折り合いをつけるかは、本人がどのくらいナイーブであるかによる。その葛藤が読み手を刺激する。
著者はアラスカ・チュクチ岬にあるエスキモーの村ティキヤック(人口850人)で捕鯨の季節を過ごした体験記である。ナルヴァナックとはエスキモーの長老が彼女につけてくれたエスキモー名。
爽やかで、ナイーブで,真剣で羨ましくなる。俚諺に「亀の甲より年の劫」というのがあるが、どうやら「年の劫」も年をとるにつれ硬くなり、「亀の甲」と大して違わなくなるということを実感したしだい。

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