山田風太郎新発見作品集

2013-10-11 15:20:44 | 日記

山田風太郎著  有本倶子編   出版藝術社刊

本書には作家デビュー前後の作品が収録されている。後年、我々が愛読した山田風太郎の匂いがするのは私が読んだ限りでは『雪女』(「宝石」の懸賞募集では落選したそうだ。江戸川乱歩は高く評価したそうだが。ちなみに入賞作品は『達磨峠の事件』)だった。
しかし、これらの作品を読むととても初々しい感じがする。時代を反映し、その最中に生きた作家の感性がそのまま素直に出ている。何時からだろう? 専門家ではないので分からないが、あの奇想天外な忍法帖や(後で、彼が医学部出身だったことを知って納得したことを覚えている)、明治初期を題材にした小説の面白かったこと。
「若書き」って、どんな作家にもあるんだな。当たり前だけれど。


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