フクロウからのプロポーズ ー彼とともに生きた奇跡の19年ー

2011-04-01 15:00:36 | 日記
ステイシー・オブライエン著  日経ナショナルジオグラフィク社刊

ヨウムの「アレックス」に次いで、今度はメンフクロウの「ウェズリー」である。どうして、この手の本を手にとってしまうのか、自分でも良く分からないのだが。
アレックスの場合、飼い主のペパーバークはあくまでも研究対象として接していた。そして、博士号をとった専門家でもあった。一方、著者はオキデンタル・カレッジで生物学を専攻後、カリフォルニア工科大学のフクロウ研究チームに属してはいたが、研究助手といった立場であった。ある日、翼を傷めたフクロウの子を預けられる所から、物語は始まる。
自然界に戻ることができないこのフクロウは、一生世話してあげるしかない。つまり、この時点で研究対象ではなく、「ウェズリー」は共に生活するペットという立場になった。ここがペパーバークと違う。
しかし、メンフクロウである。フクロウ目メンフクロウ科には17種いるが、ウェズリーは北米に生息する唯一のメンフクロウである。これまで詳細な飼育記録も、生態記録もない中で、彼女は手探りで育て上げ、19年間生活を共にした。しかも、彼女の亡くなったお祖母さんもメンフクロウを飼っていたことを、祖父から知らされる。
世の中には、こういうこともある。その19年間のことは、読んでみて欲しい。ペットを飼っている人には一々頷けることばかりだ。
そして、必ずペットと別れる時が来る。あなたがクジラやゾウガメをペットにしているのならば話は別だが…。ペパーバークの場合もそうだが、彼女の場合もペットロス・シンドロームに襲われる。そして、両者とも彼らのことを本にすることで立ち直る。亡くなったペットが、病める飼い主を甦えさせる。そこが、素晴らしい。

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