作者不詳 関田和彦訳 人文書院刊
本書はサドの『悪徳の栄え』や『バルカン戦争』等と並ぶポルノグラフィーとして世界的に知られている一書。しかし、多分に誤解されている部分もある。挿絵だけが(26点もある)が別刷りで販売されていたことも影響しているのかもしれない。原書は3部構成で、すでに抄訳、邦訳が出版されているが、今回はフランス国立図書館の原本からの完訳である。
挿絵集はともかく、本文を読んだ限りではこれは宗教書だと言っていい。確かに露骨な描写(今日からみれば他愛ないものだが…)はあるものの、全体の6割近くは神、道徳、人間の本質についての宗教問答で占められている。もちろん、ここで言う宗教とは「キリスト教」なので、日本人の我々には馴染み難い部分もあるが、本筋は理解できる。
これは明らかに政権の中枢にいる貴族、知識層、宗教関係者を対象にしたもので、一般庶民はエロチックな部分を拾い読みしただけなのだろう。
ポルノグラフィーと思って読む人は、まちがいなく退屈する本。
本書はサドの『悪徳の栄え』や『バルカン戦争』等と並ぶポルノグラフィーとして世界的に知られている一書。しかし、多分に誤解されている部分もある。挿絵だけが(26点もある)が別刷りで販売されていたことも影響しているのかもしれない。原書は3部構成で、すでに抄訳、邦訳が出版されているが、今回はフランス国立図書館の原本からの完訳である。
挿絵集はともかく、本文を読んだ限りではこれは宗教書だと言っていい。確かに露骨な描写(今日からみれば他愛ないものだが…)はあるものの、全体の6割近くは神、道徳、人間の本質についての宗教問答で占められている。もちろん、ここで言う宗教とは「キリスト教」なので、日本人の我々には馴染み難い部分もあるが、本筋は理解できる。
これは明らかに政権の中枢にいる貴族、知識層、宗教関係者を対象にしたもので、一般庶民はエロチックな部分を拾い読みしただけなのだろう。
ポルノグラフィーと思って読む人は、まちがいなく退屈する本。
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