ホーキング、宇宙と人間を語る《THE GRAND DESIGN》

2011-01-19 14:56:44 | 日記
スティーブン・ホーキング レナード・ムロディナウ共著 エクスナレッジ刊
読了まで20日もかかってしまった。それにしても、相変わらず難しい。でも、05年に発表された『ホーキング、宇宙のすべてを語る』(ランダムハウス講談社)に比べれば、わかり易く書いてあるような気がする、と思うのは自惚れだろうか。
この本の結論は「宇宙は神によって創られたのではなく、物理法則によって自然に作られるのだ」ということに尽きる。
西欧の多くのキリスト関係者が「宇宙は、地球は、人間は神によって創られたのだ」と主張しているのに対し、「では誰が神を創ったのか?」とホーキングは切り返す。さらにこの主張に対し未だ明確に答えを出していない哲学に対して「現代において哲学は死んでしまっているのではないでしょうか。哲学は現代の科学の進歩、特に物理学の進歩についていくことができなくなっている」とさえ決め付けている。
第1章「この宇宙はなぜあるのか?」、第2章「自然法則はいかに創られたのか?」、第6章「この宇宙はどのように選ばれたのか?」、第7章「私たちは選ばれた存在なのか?」といった章立てをみれば、ホーキングの意図するところは一目瞭然である。
ホーキングは「死んだ哲学」者に代わって自ら哲学を語り始めたのである。
宇宙も、地球も、そして人間も、その誕生は厳密な物理学の法則から説明でき、それはコンマ数パーセントの狂いがあっても存在しなかったものなのだ。
リチャード・ドーキンスではないが「神は妄想」なのである(『神は妄想である』早川書房)。
もう一度、読み返さないといけないなぁ。

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