アレックスと私

2011-01-24 08:56:43 | 日記
アイリーン/M・ペパーバーグ著 幻冬社刊
アレックスとはオウム目インコ科の鳥、人の言葉よく真似る鳥として有名だ。ここまで書けば知っている人は、知っているはずだ。「鳥は思考して話す」ことを証明した彼だ。50の物体、7つの色、5つの形、数を6つまで数えられた。英語で100語以上の単語を使いこなせたという。
著者は比較心理学者。彼女はバード・ブレイン(もともとは知能が低いことを蔑むときに使う言葉)という言葉の印象を根本的に変えた。アレックスは2歳児の感情と、5歳児の知性を持っていることが証明されたのだ。
ただ、ここまでの道程は並大抵のことではなかったようだ。まず、研究費が思うように集められなかった。さらに、論文を発表させてもらえなかった。それもこれも「バード・ブレイン」に原因があった。鳥に知能があるはずがない。ただ、意味も分からず真似しているだけだ、という偏見のせいだ。
そして感心するのは、そういう偏見をものともしないで、研究費を出してくれる所もあるのですねぇ。
アメリカの懐の深さを感じた次第。


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