ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

巨匠たちの対決

2008-07-17 11:00:32 | Weblog
東京国立博物館で「対決―巨匠たちの日本美術」展を見た。
中世から近代までの日本美術巨匠の中から関連性に着目し、2人を選び出し、「対決」形式で紹介するところに特色がある。対戦リストは以下のとおりである。
運慶 vs 快慶、 雪舟等楊 vs 雪村周継、 狩野永徳 vs 長谷川等伯、 本阿弥光悦 vs 長次郎、 俵屋宗達 vs 尾形光琳、 野々村仁清 vs 尾形乾山、 円空 vs 木喰、 池大雅 vs 与謝蕪村、 伊藤若冲 vs 曽我蕭白、 円山応挙 vs 長沢芦雪、 喜多川歌麿 vs 東洲斎写楽、 富岡鉄斎 vs 横山大観
非常に豪華な顔ぶれである。一人一人だけでも展覧会が成り立つといってもよい。滅多にない企画と言われているので、混むのを予想して、夏休み前の平日に駆け込みで出かけた。それでも非常に人が多い。この人の多さだけで、見るのに時間がかかり、疲れてしまうが、音声ガイドを聞きながら、見てまわった。結局2時間以上もかかった。
雪舟と雪村の絵はなんとなくユーモラスが漂う。二人の接点はなかったようではあるが、後で生まれた雪村は禅僧の先輩である雪舟の雪という字を名前に使っている。応仁の乱から戦国へと向かう激動の時代の前半と後半で雪舟と雪村は生きて、禅僧画家の二人は、時代や権力者の価値観に影響されていて、それぞれの生き方が絵にも現れているのではないだろうか。雪舟には強さと自己主張を感じ、雪村には気負いはなく、のびのび描いているのではないかと言われている。
大雅vs蕪村は、同時代の好敵手であったらしく、大雅の「十便帖」と蕪村の「十宜帖」は好対照で見ごたえがあるが、大河は、“浅間山真景図”など山を描いているのにも目に付いた。画面手前に浅間山があり、左手奥に筑波山、右手奥に富士山があり、山岳風景画が、前掲の岩から中景、遠景の山に至るまで遠近感が自然に描かれている浅間山からの風景を見て、再構築して作られたのではないかと言われる。大雅は山好きであったらしく、自然や山を描く作品が多い。
 見ごたえのある作品ばかりを駆け足でみて、会場を出たら、炎天下の暑さで現実に戻る。昼食で入った店で生ビールをグィッと飲むとなんともいえない心地よさ。絵のことはあまり良くわからないが、とにかく、昔から巨匠達はいて、偉大な作品を数多く残していて、自分の目で触れることができたこと自体、満足である。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふうろ)
2008-07-19 16:22:25
こんにちは。

私たちも行きましたよ。
私も絵のことはわからないですけど、十分堪能できましたし興奮しました。
歴史上にも名を連ねる人が多かったので親しみやすかったのかも。

仕事後に駆け足で見たのでもう一度みたいと思っています。
返信する
ふうろさん (つばさ)
2008-07-20 10:25:12
ふうろさんたちも行かれたのですか。
なかなか見ごたえがありますよね。
そうなんですよね、もう一回見たくなりますよね。
それにしても、これだけの規模だと、人伝えでも、人はこれからどんどん増えて、見てまわるのも大変でしょうね。
返信する

コメントを投稿