東京-大阪 単身赴任 旅物語

2003年10月1日から2012年9月30日まで経験した単身赴任。帰省旅行の思い出と、お得情報を綴っています。

大寒波襲来・混乱の中帰京

2005-12-19 12:17:00 | 列車
復路:12月19日(月)
天王寺→加茂 :大和路快速
加茂 →亀山 :普通亀山行き
亀山 →名古屋:普通名古屋行き
名古屋→中津川:セントラルライナー
中津川→塩尻 :しなの21号
塩尻 →甲府 :普通甲府行き
甲府 →高尾 :普通高尾行き
高尾 →八王子:中央特快
運賃:青春18きっぷ1回分+¥3,390

所用のため、月曜日に東京へ戻る。

日本列島は、ここ数日来、12月にしては珍しい大寒波に見まわれている。本日も、名古屋地区は、雪のため東海道新幹線/在来線ともダイヤが乱れているとのこと。帰京が月曜日になったのは天候のせいではないが、交通機関が混乱する中での移動は非常に憂鬱である。

加えて本日は平日である。帰宅時間帯のラッシュをどのようにかわすかが課題となる。実のところ、平日の東海道在来線移動の経験は殆どないため、どの列車がどこで混むのか皆目見当がつかない。

いつもなら、必ず、乗継ぎ計画を立てた上で移動するのであるが、ダイヤが乱れていては意味をなさない。どの列車が遅れるのか読めないし、また、連絡するかどうかも列車司令の匙加減次第なのだろう。

最悪の場合には、寒風吹きすさぶ米原駅で1時間近く列車を待つことになるかもしれない。実際経験した人には分かると思うが、この時の辛さは想像するだけで嫌になる。

そこで、非常に迷った挙句、風景観光と割り切って、定時運行されている関西本線で名古屋までいき、後は、名古屋で様子を見て決めることにした。

コンビニでおにぎりを買って、天王寺12時17発加茂行き大和路快速に乗る。丁度、食事時間帯ということもあって、比較的空いており、幸先良い滑り出しである。おなじみの近鉄大阪線をアンダークロスして奈良県に入る。大和川上流付近の、大阪近郊とは思えない見応えのある風景を楽しむ。

王寺を過ぎると、途端に車内は閑散となり、一駅毎に乗客が減って行く。そして、終点の加茂に到着。

ホーム向かい側で待っている、たった1両の気動車に乗車する。それほど広くないロングシートの車内は、たちまち、快速からの乗換客で満員気味になるが、落ち着くと、立っている者はわずか数名程度である。車内はさながら乗合バスの様相を呈している。

列車は、小気味よい轟きを響かせて快調に走る。次の笠置で多くの乗客が下車し、車内は本来の空き具合になる。そして、一駅毎に乗客が減っていき、徐々に空席が目立つようになる。

関西本線は木津川沿いを昇っていく。かなり年季を積んだトンネルが、この鉄路の歴史を物語っている。このあたりの風景も私は大好きである。山が深くなるにつれて、雪景色が目立つようになる。砂防トンネルも上に雪を湛えている。

伊賀上野到着。

閑散としていた車内は、突然、大量の高校生に占領される。一気にラッシュアワー並の混雑となるが、一つ先の新堂で殆どの生徒が降りた。

このあたりから、峠が近づいてきたためか、霙が降り出す。しかし、そんなことお構い無しに列車は快走を続ける。たのもしい限りである。いつの間にか、あたりは雪国の景色となった頃、柘植に到着。

草津線からの連絡待ちをする。草津線は定時運行されているようである。ということは、大阪~米原間は定時運行されているということだろうか? 

柘植を出発し、列車は一層、エンジン音を轟かせて、峠を目指して走る。









お化けが住んでいそうなトンネルを抜けて、雪を頌えた線路を右へ左へ下っていく。

加太に到着

いつのまにか霙が雪に変わっている。この分では、関ヶ原あたりは、さぞかし降っていることだろう。米原駅、大垣駅の混乱ぶりが手にとるように分かる。

そして、関に到着。

ここで、目を見張った。低いホーム、架線が全く無く、広くて閑散としたモノトーンの駅風景は、まるで明治時代に撮影された写真のようである。D51などではない、アメリカから輸入された蒸気機関車と短い木造の客車が、今でも走っているかのような錯覚にとらわれた。あまりにも風景に見入ってしまったので、写真を撮ることを忘れてしまったことが悔やまれる。まぁ、単身赴任を続けている以上、また、機会はあるだろう。

このように、あまり退屈することなく、1時間半の乗車時間はあっという間に過ぎてしまい、定刻に亀山に到着した。

ここで、20分の連絡で、名古屋行きの普通列車に乗り換える。転換クロスシートの車両を期待していたが、残念ながら、止まっているのはボックスシート車であった。

14時50分、定刻に発車。しばらくは単調な光景が続く。途中、高校生の集団が乗り降りするが、彼らは、短距離利用であり、あえて、変なおじさん近くには座らない。

しかし、2両編成ということもあって、都心に近づくにつれて列車は混雑するようになる。四日市で、家族連れが我がボックスにやってきた。行楽帰りのようで楽しそうである。自分にも家族がいるのだから、少々賑やかでも悪い気はしない。姿勢を正してスペースを譲る。

長良川、木曽川の鉄橋を渡り、愛知県に入る。ここで驚いた。

名古屋は一面の雪景色である。別世界に来たような感覚を持つ。東名阪自動車道は今だに規制が続いているようである。愛知県にも9年間住んでいたことがあったが、12月にこれほどの積雪は経験したことがなかった。

近鉄と平行して、間もなく、名古屋到着。

関西線ホームは新幹線ホームに近いため、新幹線のダイヤの乱れがよくわかる。東京行きのこだまが、扉を閉めたまま動かないで待っているのは尋常ではない。

在来線ホームへかけあがると、やはり長蛇の列ができている。おまけに次の豊橋行き新快速は約8分の遅れとのことである。この混雑だと、豊橋まで立ちん棒になる可能性が非常に高い。しかも、在来線、新幹線ともダイヤが乱れているようなので、狙っている静岡発19時35分の快適列車を捕まえられるかどうか予断は許さない。


また、本日は月曜日である。まもなく帰宅ラッシュに入ることもあって、何もなくとも東海道線快速列車は非常に混雑するし、ましてや大雪である。車通勤(愛知県では通勤に車を使う人の割合が高い)の人も今日に限って列車を利用しているものと推測され、ラッシュは普段にも増して酷いことは想像に難しくない。

ここで考えた。

元々、長い長い旅である。少々余分に時間がかかっても、ゆっくりと座っていけるほうが好ましい。

意を決して、中央線廻りで八王子にむかうことにした。駅員に聞くと、中央線は定時運行されているとのこと。丁度、中津川行きのセントラルライナーが16時30分に発車する。ライナー券を求め、ついでに、ニコチン補給とトイレを済ませ乗車する。

ただし、中津川~塩尻間は良いタイミングで連絡している普通列車は無く、中津川で特急しなのを捕まえないと、今夜中に八王子には帰れなくなる。

16時30分というのは、下校ラッシュと通勤ラッシュの狭間であり、セントラルライナーは空いている。約1時間ほどで中津川に到着。連絡時間は15分ほどなので、素早く、改札を出て、緑の窓口(といっても改札と繋がっているが)に飛び込んで、余ったムーンライトながらの指定券をしなのの指定券に変更してもらう。そして、再び、ホームに戻り、しなのを待つ。

しなのは比較的空いており、シートも良く、例によって2席占有して、快適快適。足を伸ばして軽く夢心地に入った頃、検札で起こされた。

既に、外は暗く、見るべき風景もないので、パソコンを開いて、記録文を書き始める。

しなのは、快調に飛ばすが、約2分遅れとのこと。塩尻で乗り換える甲府行き普通列車との連絡時間は、元々4分しかないので、少し気にはなる。しかし、恐らく、向こうも定時運行されているかどうか怪しいので、まぁなんとかなるだろうとタカをくくっていた。

塩尻到着。一応ダッシュする。案外、乗客が多く、なかなか前に進めない。おまけに、ホームは凍結しているようで、所々、白くなっている。ここで滑って転んでは一大事と、慎重に走る。

1番線ホームにたどり着いた頃に、甲府行きはやってきた。予想通り3両編成である。一番空いていると思われる最後尾の車両に駆け込み、無事着席。

そして、上諏訪からは1ボックスを占領して、再び快適な旅を続ける。

パソコンで、駄文をしたためている間に、甲府に到着。乗換時間が30分以上ある上に、暖かい物が食べたくなったので、改札を出て立ち食いソバ屋に入る。このあたりにしては珍しく、21時まで営業しているのはありがたい。腹が減っていたせいもあり、美味しくいただいた。

甲府で、再び、高尾行きに乗りかえる。6両編成ということもあって、予想通り空いており、ここでも1ボックスを悠々占領する。足を伸ばすのは行儀良くはないが、長旅の疲れを最小限に留めるためには、この姿勢が一番である。

外は暗闇で、見るべき景色もなく、ただ、ひたすら、紀行文をしたためるうちに、高尾に到着してしまった。ここで、おなじみの中央特快に乗り替えて、八王子で下車。

約11時間におよぶ長い旅は終わった。

今回は、関西本線~中央本線という、普通では考えられないルートで上京した訳であるが、寒波によるダイヤの乱れもなく、混雑する車内で立つこともなく、快適な旅を楽しむことができた。

ちなみに、前夜の東京方面行きの夜行バスは、のきなみ、道路規制に巻き込まれ、中には東京にたどり着けなかったバスもあったらしい。朝、起きたら、まだ、彦根付近だったので、無理矢理バスから降りて、無謀にも、JRの線路めがけて、歩き出した乗客もいたとのことである。

そんな話を聞くにつけて、安くて快適に旅をするためには、何よりも冷静かつ臨機応変の判断力が必須であることを、改めて実感した。


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