
チームで練習中、col de Protを先頭で下っていると道路の真ん中に女性が倒れていた。
サイクリストの女性が落車していた。
止まって声をかけていると後ろからチームメイトが合流。
その光景をみた瞬間「畑中がやっちまった…」って思ったらしい。。
違うよ…。
女性はとりあえず大丈夫そうだったのでよかった。
今、その現場を先頭が通過(笑)
今日のツールは「兄貴の奇跡」アンドラからタラスコンを経てサンジロンにゴールする。
サンジロンはオレ⑧がフランスのナショナルカテゴリーで初優勝した思い出の地だ。
サンジロンはナショナルカテゴリー優勝を目指して三年目の優勝。待ちに待った勝利だった。
そしてタラスコンでは日本U23ナショナルチームと共に参加、優勝してその年の世界選手権への切符を手にした。
そんな今日のコースはほとんどの行程を「ユキヤ」と走ったことがある。
あの時、マジで辛かったのを覚えている。
後ろの選手の足が止まらないようにと、下りでも踏み続け、上り返しはダンシングでさらにパワーをかける。
横に並んで走っているだけでオールアウト。。
そのまま本格的に上るcol de Portに突入!
今見たら2カテゴリーになってるが、十分すごい山岳!
一瞬にして置いて行かれた。
強かったな。
がんばってちょ。
同級生だけど(笑)
兄貴は本当にすごい!!
機内持ち込み用のスーツケース1つで三か月の遠征をこなすのだ。
その兄貴は2006年にBS所属でスペインのトップアマチュアチームで走っていた。
当時、フランスの南、ピレネー地方で活動していたオレ⑧とともに日本に一時帰国することになった際の奇跡の実話がある。
フランスからの飛行機だったので、オレ⑧達はどこかで兄貴を回収する必要があった。
兄貴はマネーの節約のために電車とバスを乗り継いで今日のツールのゴール地点のアンドラ公国と言う、スペインとフランス国境のピレネー山脈にある小さな国に行き、オレ⑧達はレンタカーでそのアンドラを目指した。
二人の合言葉は「アンドラのバス停で12時に集合ね!」
これだけ…
200キロの山岳ドライブ、税関とパスポートチェックを受けてアンドラ公国に突入!!
超山岳地帯のその国は神秘的であり、とても綺麗な場所であった。
さて、バス停はどこか?
…
…
…
いや、バスだらけよ?!
てか、どの町のバス停よ?
てか何よ、これは?(笑)
国よ?アンドラは?
オレ⑧はフランスの携帯しか持っていない…圏外だ。
合言葉は「アンドラのバス停で!」
「日本のバス停で集合で!」
「台湾のバス停で集合で!」
「イギリスのバス停の集合で!」
「アンドラのバス停で集合で!」
この流れは完全に無理でしょ??
集合時間はとっくに過ぎている。。
とりあえず諦めた(笑)
相棒の相川将と諦めムードで観光(笑)
兄貴はもう飛行機には乗れない(笑)
ちなみに兄貴はほとんど現金をもっていない(笑)
そんな中、オレ⑧運転でアンドラlaVELLAの中心のロータリーを走っていた時、助手席の将が叫んだ!
「あっ、長沼さんです!」
輪行バックと小さいスーツケースを持ったクライマーが「トボトボ」と歩いていた。
完全に「たまたま」である。
小さい国だが、国は国。
出会えたのは奇跡である。
話を聞いてみると、彼は家から出て、どうやっても駅まで荷物を運べず、日が出る前のスペインでヒッチハイクをして来たそうだ。
それも完全に「たまたま」である。
あそこで出会わなければ兄貴は今頃スペイン人になっていただろう…
「凄いっすね!さすが兄貴です。会えなければヤバかったっすね?」とオレ⑧。
兄貴「まぁそれも乙(おつ)な話だよね」
って。。
さすがや。
アンドラ。面白いところだよ。お勧め。綺麗だし。たまたまもあるし(笑)
今日のゴールも奇跡が起きないかな?
まぁ、兄貴ほどのやつはそうそういないけどね。