今期使用のFACTOR O2 V.A.Mを紹介!
FACTOR(ファクター)はイギリスの比較的新しいバイクブランドでレーシングカーや航空宇宙産業を手がけていたブランドから派生、誕生したメーカーです。
まずチームへの提供が決まった時、バイクの情報、インプレやジオメトリーをネット検索しました。
バイクの情報。
何せ少ないです。
新しいメーカーだという事でまだまだ情報が少なく、というかほぼなく、少し不安でした。
提供のO2(オーツー)というモデルのジオメトリーに関しては普通。
普通でよかった!
普通じゃないとは、トップチューブは〇〇センチなのにシートチューブやヘットチューブが長かったり短かったり、ヘッドやシートチューブの角度が変だったりって事。
普通だと、トップチューブ長で合わせるだけで、あとは私の場合ステムが110ミリにするか120ミリにするかだけで、サドルの前後位置と高さは無段階に変えられるので簡単に出来上がり。
O2のような比較的クラシックタイプのフレームはジオメトリーは普通が一番です。
エアロタイプのバイクの場合はヘッドチューブ周りのセッティングが難しく、トップチューブのサイズのみで決めるのは危険です。特に私のようにかなりハンドルが低いライダーには。
メカニックに組んでもらい、最後に自分でミリ単位でサドルとブラケットの調整をして初ライド。
チームの拠点からは下り道。
乗った瞬間「なんじゃこりゃ!速い!!」
正確にいうと、エアロバイクでは無いので、空気抵抗的に速度が速いわけではなく、操りやすく、そしてディスクブレーキになった事でコントロール性が高くなった事で下りの速度が速くなり、結果登り返しの場面ではいつもより明らかに高速で登り切りました。
これだけだと性能の向上はディスクブレーキ化が大きいように捉えられそうですが、簡易で乗ったバイクがここまで扱いやすいのは人生初のレベル。
サイズだけ完璧に合わせても各フレームの癖によってハンドル周りのセッティングは確実に変わります。
しかし、O2は癖が少なく、簡易のセッティングでも違和感がありませんでした。もちろんその後、セッティングを煮詰めてより出力の出せるポジションへ変更。
癖の強いバイクの場合、ポジションで自分の嫌いな動きの部分を削いでいくやり方になります。好きな動きにするためにベストポジションを少し妥協したり、逆だったり、とにかくちょっと大変。エアロバイクに多い問題ですね。
エアロバイクは我慢している部分を作りやすいですが、確かに空気抵抗は小さくて下りの滑空の時なんかは効果を感じます。
ではO2は?
O2はエアロバイクではなく、ヒルクライム寄りのオールラウンドバイクという事で、期待できないのでは?
そんな事ありませんでした。
重量が軽い分は下りの速度は弱まりますが、各部位を高レベルで処理する事で、ノーマル形状のバイクでは考えられないくらい空気を後ろに流してくれます。
ヘッド周り
ヘッドの下部分、フォークとフレームの接合部は一つの構造物として流れるような処理がされていますし、ヘット上部も突起物はありません。
バッステーとシートクランプ周り。
エアロバイクでも採用されている、シートポストを下からウスで留めるタイプを採用。
バックステート共に流れるような処理。
小さなポイントですが、これがかなり効いているようです。
登りに入ると、重量の軽さが際立ちます。
ディスクブレーキモデルのフレーム単体驚異の700グラム。
前述の乗りやすさはダンシングのニュートラルな動きに貢献し、さらに超軽量フレームに、ディスク化で重心が下がったバイク。
自然と笑みがこぼれました。
チームの選手間では乗りやすくなった事で「自転車に乗るのがより楽しくなった!」なんて抽象的ではありますが、そんな表現が出ています。
乗り方としてはスムーズなペダリングが合っていそう。
軽量フレームなので、横剛性は高くは無い。
無駄な横方向への入力を跳ね返してきて進んでいるように感じるバイクもあるが、O2は違う。
無駄な方向への入力は「それは違うよ!」って教えてくれる感じ。
ガシガシ乗る系の人?大丈夫です。乗れば綺麗な走り方を教えてくれるからw
50キロのスプリントは問題なし。
60キロのスプリントになると綺麗なもがきをしなければならない感じがする。
それ以上は不明w
ちなみに、どこのメーカーでも大体同じですが、エアロモデルとオールラウンドモデルがあります。
FACTORにはONEがあります。
そういう意味ではどこぞのエアロモデルと比べるのはナンセンス。
ONEはチームではスプリンターのレイモンドが使う予定なので、感想を聞いておきますね。
あと、私はすでにO2とO2V.A.Mの2台にそれぞれ3000キロほど乗りました。
えーと、違いは、、、、
ごめんなさい!なんとわからないですw←あれ、怒られるかな?
O2を進化させたのがO2V.A.Mですが基本設計は同じです。
よく見るとBBドロップ、ボトムブラケットに位置が2ミリ違ったりしますが、サドルとハンドルを調整して数日乗れば問題無いですし、重量が極限の状態で数十グラム軽くなっているとのことで、まだまだ体の重さの変化の方が大きい私です。
極限まで削ぎすぎてV.A.Mはトップチュームに「座るな!」ってステッカーが貼ってありました。
なに!フルームダウンヒルポジションが取れない!!
まぁ普通はやらないし、別に簡単に割れるってわけではありませんよ。むしろ極限の証。
極限を求めるならV.A.Mを、フルームポジションならO2をw
そこそこいい事ばかり紹介しましたね。
提供品なので当たり前ですねw
では悩ましい点をいくつか。
んー、結構高級!
高いですw
もちろん、フラッグシップモデルとして他メーカーでも普通にある値段なので相対的にということではありません。
もともと航空宇宙産業やレーシングカーを作っていたところなので、妥協がありません。
アストンマーチンとコラボしたりもしています。
あっ、てかまさにアストンマーチンです、この自転車。
フェラーリやポルシェはよく知られていますよね?でもアストンマーチン、レースは?
実はGTをかなり走っています。ジェームズボンドも使ってますしね。
FACTORもそれ。
2017年はAG2RでバルデがO2を使用してツールでステージ優勝&総合3位
U23の世界選手権も勝っています。
しかしまだまだ新しいブランド、ストーリーバリューが少ないですね。
サガンが使ってる!とか、世界チャンピオンが!とか。
今年はプロツアーチームではイスラエルサイクリングアカデミーが使用します。
そしてアジア地区では私達が使用します。
イスラエルにワールドツアーで頑張ってもらって、身近なところ、国内のUCIレースや選手権では我々がFACTORのストーリーを作っていきたいです。
いやー、ほぼ感性の叫びでしたね。。
もっと具体的に説明できたらいいんですが。。
選手は黙って結果ですねw
ストーリーバリュー、一緒に作っていきます。
そしていつもの、締め「頑張ります!」
以上。