ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

風刺画の力

2021-03-04 09:55:44 | 日記
朝日新聞の「オピニオン」面には、一コマの小さな風刺画が載っている。やくみつる氏の手になるきのうの風刺画は、とても秀逸な傑作だった。
ガースー首相と思しき人物が、息子と思しき長髪の男と向かい合って座っている。ガースー首相が息子に見せているのは、「急募 内閣広報官」と書かれた紙面なのである。

この風刺画には、「久々に父と息子『空きが出たんだが・・・』」とタイトルが打たれている。これを見て、私は思わず笑い転げてしまった。ガツンと一発食らった感じだった。風刺の力を見せつけられた気がした。ここには次の事実が込められている。

①ガースー首相は総務相だった当時、(バンド活動をしていた、ロン毛の)長男を総務相政務秘書官に就かせた。これが「東北新社」接待問題の発端となった。
(総務相政務秘書官に就いたことで、長男は総務省の幹部たちと接点を持つようになり、その後、「東北新社」に就職したことで、彼は総務省の幹部と「東北新社」の幹部を結びつける鎹(かすがい)になった。)

②「東北新社」接待問題が発覚したことで、ガースー首相の長男は「東北新社」の社員でいることが難しくなった。ガースー首相は、失業の恐れが出てきた長男のために、どこか良い就職先はないかと、また親バカの頭を悩ませている。

③「東北新社」接待問題のあおりを食って、山田広報官が辞職に追い込まれた。(その結果、内閣広報官のポストに空きができた。)

④親バカのガースー首相なら、この空きポストに長男を就かせかねないが、そんなことをすれば、世間のいい笑いもの。(風刺画の片隅に描かれているように)長男の母親、つまりガースー首相夫人は、涙をこぼさざるを得ないだろう。

これだけのことを1枚の漫画に盛り込むことができるのだから、やくみつる氏は私から見れば、恐るべき天才である。別の言い方をするなら、鬼才と言うべきか。いやー、参った、参った。
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